硫黄島:「語り継ぐ」激戦から70年、追悼式に遺族60人
毎日新聞 2015年10月15日 20時56分(最終更新 10月16日 03時38分)
太平洋戦争末期に米軍との激戦で2万人を超える日本兵が命を落とした硫黄島(東京都小笠原村)で15日、都主催の戦没者追悼式が行われた。戦後70年の節目を迎えた今回は、60人の遺族が参列。都の慰霊施設「鎮魂の丘」で故人の冥福と平和を祈った。
追悼式は1983年に始まり33回目。例年、遺族は自衛隊機で島を訪れるが、今回は都が民間機をチャーターし、昨年の2倍程度の参列者を募った。都からは舛添要一知事が19年ぶりに都知事として参列した。
遺族を代表し、祖父を島で亡くした品川区の池田淳子さん(72)が「5年前に参列した私の子どもたちは島を巡拝して深く心を動かされ、今も家族そろうと硫黄島の話をする。世代は変わっても、語り継いでいくことの大切さを思う」と追悼の言葉を述べた。
病児保育事業を展開するNPO法人「フローレンス」代表理事の駒崎弘樹さん(36)は祖父を失い、初めての参列。「子どもたちにも戦争のことを引き継いでいかなければならないと決意を新たにした」と語った。最高齢の遺族で、東村山市在住の関志郎さん(84)は次兄を亡くし、追悼式は4回目だが、今回は「最後のつもり」で臨んだという。【川畑さおり】