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オバマ大統領 アフガニスタンからの撤退見直し駐留延長
10月16日 4時54分

オバマ大統領 アフガニスタンからの撤退見直し駐留延長
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アメリカのオバマ大統領はアフガニスタンから来年末までにアメリカ軍を撤退させる計画を見直し、再来年以降も5500人を駐留させる新たな方針を発表しました。オバマ大統領は、再来年までの任期中に、アフガニスタンでの戦争を終結させることを公約に掲げてきましたが、厳しさを増す情勢を受けて、事実上断念に追い込まれました。
オバマ大統領は15日、ホワイトハウスで臨時の記者会見を開き、アフガニスタンの戦略の見直しを発表しました。このなかでオバマ大統領は、アフガニスタンでは反政府武装勢力タリバンの攻勢や過激派組織IS=イスラミックステートの台頭などで、治安情勢が極めて不安定でさらに悪化する危険もあると指摘しました。その一方で、現地の治安維持を担うアフガニスタン軍の能力は発展途上にあり、まだ十分ではないとして、来年末までにアメリカ軍の部隊を撤退させる今の計画を見直し、当面、現在の9800人の態勢を維持したうえで、再来年以降も5500人を駐留させる新たな方針を発表しました。
オバマ大統領は会見で、「再びアフガニスタンをテロリストの天国にさせるようなことは許さない。終わりなき戦争という考えは支持しないが、私たちがすべきさらなる努力があると確信している」と述べ、駐留の延長の必要性を訴え、アメリカ国民に理解を求めました。
オバマ政権としては、イラクでアメリカ軍の撤退後にISの勢力拡大を許し、戦略の失敗も指摘されてきたことから、アフガニスタンで同様の事態を招くことはなんとしても避けたいという判断があったとみられます。オバマ大統領は、再来年までの任期中に、アフガニスタンでの戦争を終結させることを公約に掲げてきましたが、厳しさを増す情勢を受けて、事実上、断念に追い込まれました。

アフガニスタン 大統領府「決断を歓迎する」

アフガニスタンの大統領府は声明を出しました。この中で、「アフガニスタン政府はオバマ大統領の決断を歓迎する。われわれはテロに立ち向かうためアメリカとの協力を強めていく」として、今後もアメリカ軍から支援を受けることに期待を示しています。

アフガニスタン 市民の反応は

アフガニスタンの首都カブールに住む男性は「アメリカ軍が本気になってくれれば、タリバンに勝てるはずだ。アメリカ軍がさらに長く駐留してくれるなら、とてもうれしい」と話していました。一方、別の男性は「アフガニスタンにアメリカ軍は必要ない。自分たちの国は自分たちで守る」と話していました。アフガニスタンでは、アメリカ軍など国際部隊による空爆に巻き込まれて市民が犠牲になるケースが相次いでいて、市民の反応からは、アメリカへの反発が、依然根強いことがうかがえます。

NATO「活動の継続に道を開く」

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は15日、声明を発表し、オバマ大統領がアフガニスタンからのアメリカ軍の撤退計画の見直しを発表したことについて歓迎する意向を示しました。そのうえで、NATOが、アフガニスタン軍の支援のために現在、現地に駐留させている1万2000人規模の部隊について、「オバマ大統領の決定はアフガニスタンでのNATOの活動の継続に道を開くものだ」として、近く、活動の期間や規模を含め今後の方針を決定するという見通しを示しました。
アフガニスタンを巡って、NATOは2001年以降、ピーク時には13万人規模の兵力を駐留させ治安維持などにあたってきましたが、去年いっぱいで戦闘任務は終了し、現在はアフガニスタン軍の訓練など活動の範囲を絞っています。

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