【寄稿】訪米朴大統領、天安門を上回る記念写真を

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 今回の韓米首脳会談を通じて解決すべき課題はこれまでになく重い。最近になって潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)への核弾頭搭載を露骨に目指す北朝鮮への対応、さらにはその先を見据えた韓半島(朝鮮半島)統一など、韓国が韓米同盟に期待する内容は今なお非常に大きいからだ。しかし相手の米国が外交や経済、軍事面で置かれた状況は、決してその先行きを楽観視できるものではない。また軍事同盟の根本には「信頼と友誼(ゆうぎ)」がなければならないが、今の米国が数々の困難を排して韓国の求めに応じるほど、韓国に対する信頼が固く厚い友誼を持つとは考えられないことも気になる。

 まず6・25戦争(朝鮮戦争)からこれまで続いてきた韓国、米国、日本の三角同盟を考えると、この中で韓国だけが米日中心の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加わらず、逆に中国主導のアジア・インフラ投資銀行(AIIB)に参加した。このことがまず非常に不自然だ。また米国の同盟国の中では韓国の国家元首だけが、9月に北京の天安門で行われた軍事パレードに参加した。これもある意味非常に衝撃的といえる出来事だった。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に対する中国からの期待は非常に高く、軍事パレード参加の戦略的な意味や価値も非常に大きいだろうが、このことが韓米同盟にもたらす影もそれだけ大きかった。米国のある政府高官は朴大統領の軍事パレード参加について「理解する」と発言はしたものの、ワシントンの米国政府関係者の間では「(北朝鮮の)故・金日成(キム・イルソン)主席がいた場所に朴大統領が立ったのだから、そのことが持つ意味は深く考えざるを得ない」「韓国の中国傾斜は、ついに覇権を目指す中華秩序に編入されるまでに至ったのではないか」といった疑念の声も実際に聞こえてきている。

 今回、朴大統領は現地でこの何とも言えない雰囲気が漂う中で米国を訪問するわけだ。韓米間に横たわる課題はもちろん一つや二つではないが、何をどう話し合うにしても、今回の訪問で最も力を注ぐべきことは、韓米両国の伝統的な信頼関係と友誼を回復し、これをあらためて強化することだ。たとえ当面の課題が解決しなかったとしても、同盟そのものが確固たるものであれば、個別の問題はいつでも解決できるからだ。

金熙相(キム・ヒサン)韓国安保問題研究所理事長
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