【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)調査局が14日までにまとめた報告書「中国の加工貿易抑制政策とわが国の対中輸出」によると、中国政府が推進している加工貿易抑制政策が韓国の輸出鈍化に影響を及ぼしたことが分かった。
加工貿易とは原材料や部品を輸入し、加工・製造した後に完成品を輸出するもの。
中国は安価な労働力を武器に1970年代末から1990年代にかけて加工貿易を積極的に奨励し経済成長の足掛かりとした。しかし、経済成長を続けるためには付加価値の低い加工貿易から離れるべきと考え、1999年から加工貿易制限政策を実施した。
中国の貿易全体に占める加工貿易の割合は1998年に53.7%だったが、2000年代中盤から下落し、昨年には32.8%まで低下。輸入全体に占める加工貿易の割合も1997年の50.2%から昨年には26.8%に下落した。
加工貿易制限措置により、中国の加工貿易の割合は減少を続けているが、韓国の対中国輸出は依然として中間材の割合が高い。2014年末現在、中間材が対中輸出に占める割合は73.0%に達する。一方、消費財の輸出割合は7.0%に過ぎなかった。
中国の昨年の加工貿易関連輸入を国別に見ると、韓国の輸出額が986億ドル(約11兆8000億円)で全体の20.0%を占めた。これは台湾(15.4%)や日本(11.2%)の中国への輸出額より多く、中国の加工貿易抑制政策により韓国が大きく影響を受ける可能性があることを示している。
さらに大きな問題は中国政府がこれまでの加工貿易制限措置とともに中間材の国産化による自給率拡大政策を強力に推進しているという点だ。
対中国輸出依存度が25%に達し、中間材の輸出割合が大きい韓国が影響を受けるのは避けられない。実際に韓国の輸出は今年に入ってから9カ月連続で前年同月比マイナスとなり、回復の兆しも見えない。
韓銀調査局は「中国政府が機械、自動車、素材・部品などの自給率拡大政策を強力に推進していることから、今後これらの品目の対中輸出増加率の鈍化に備える政策を用意しなければならない」と指摘した。
民間シンクタンク、現代経済研究院は「中国の産業競争力が急速に高まり、今後、韓国製の中間材が中国製に取って代る可能性が高い」とした上で、「中国の輸入構造の変化に対応する輸出戦略の再構築が必要だ」と強調した。