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高速路肩で仮眠の運転手が端緒 過労運転黙認容疑で運送会社社長を逮捕 月400時間拘束続く 兵庫県警
トラック運転手に長時間にわたる運転をさせたとして、兵庫県警交通捜査課などは15日、道交法違反(過労運転の下命)容疑で、同県加古川市の運送会社「弘洋定温運輸」社長、高原得男容疑者(67)=同市平岡町=を逮捕した。「過労と分かっていたが、会社の利益のために運転させた」と容疑を認めているという。
県警によると、高速道路の路側帯に停車した運転手が「仮眠中だった」と話したことから、同社の運行業務の実態を捜査。過労運転が常態化していた疑いが強まったため、会社側の管理責任を問えると判断した。事故発生後に同容疑で立件したケースは過去にもあるが、発生前に適用する例は全国的にも珍しい。
逮捕容疑は昨年11月、過労運転の恐れがあることを知りながら、トラック運転手の男性社員(60)に大阪市から広島県福山市までの運送を命じたとしている。自動車運転手の拘束時間は原則、月293時間を上限とするよう厚生労働省が定めているが、男性は月400時間の拘束が数カ月間続いていたという。
県警は、同様の過労運転が疑われる会社が近畿、四国、九州などにも十数社あるとみて捜査している。