【寄稿】韓台の経済力競争、これからが本番

 国際金融市場は韓台が今後どのように世界経済の構造的変化に対応していくかに注目するはずだ。外部からのリスクに関して言えば、アジア通貨危機や世界的な金融危機のような金融危機よりも実体経済の低迷の方が大きなリスクになりそうだ。韓国だけでなく、新興国の多くが今は国際収支、外貨準備高、短期対外債務などの面で健全だ。それに米国のよる利上げもこれまでとは異なり段階的なものになるとみられ、米国以外の多くの先進国でも低金利政策がさらに数年続くと考えられるからだ。これに対し、国際貿易の低迷は実体経済の負担となり続け、今後間接的に金融不安を生む危険性がある。

 そうした点から見て、韓国は短期的に景気対策も重要だが、中長期的に必要な構造改革も急がなければならない。

 輸出産業は中長期的に重要さを増す。高齢化で徐々に低下する内需を海外需要で補わなければならないからだ。一部業種は変化する企業環境に対応し、革新と構造調整が避けられないだろう。また、貿易低迷が続き、企業の収益率が全般的に低下すると考えられる場合には、追加的な景気浮揚策をタイムリーに講じなければならない。

 韓国よりも経常収支黒字が大きい台湾は先月、2009年以来の利下げに踏み切った。短期金利が既に1%を下回る中、金利をさらに引き下げたため、資本流出が増え、台湾元の切り上げ圧力も低下し、内需にも一定の効果が見込める。韓国は経常収支黒字によるウォン切り上げ圧力に現在は海外金融投資活性化政策で対処している。しかし、米国経済の回復が遅れ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ実施が先送りされる場合には追加利下げも検討すべきだ。

クォン・グフン氏(ゴールドマン・サックス チーフエコノミスト)
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