ノーベル物理学賞:梶田さん「妥協せず、学んだ」恩師に
毎日新聞 2015年10月15日 15時00分(最終更新 10月15日 15時50分)
◇受賞決定後、初めて面会 握手で喜び合う
今年のノーベル物理学賞に決まった梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)が15日午前、恩師の小柴昌俊・東京大特別栄誉教授(89)=2002年にノーベル物理学賞受賞=と受賞決定後初めて面会した。梶田さんが「先生のおかげで受賞となりました」と報告すると、小柴さんは「おめでとう」と祝福。握手をして受賞決定を喜び合った。
梶田さんは1981年、埼玉大から東京大大学院の小柴さんの研究室に進学した。師弟でノーベル賞を受賞するのは日本初となる。東京都文京区の東京大で小柴さんと面会した梶田さんは「先生からは研究に妥協しない姿勢を学んだ」と語りかけた。小柴さんは弟子がノーベル賞を受賞することが夢だったといい、「夢の一部はかなったけど、まだまだ出てくるんじゃないか」と目を細めた。
小柴さんは87年、星が一生を終える際の超新星爆発で放出される素粒子「ニュートリノ」を、岐阜県の鉱山跡に設置した観測装置「カミオカンデ」でとらえ、ノーベル物理学賞を受賞。梶田さんは後継の「スーパーカミオカンデ」で、ニュートリノが質量を持つ証拠を見つけた。【藤野基文】