- 政策について
- 政策一覧
- エネルギー・環境
- エネルギー政策
- 日本のエネルギーのいま
- 抱える課題
日本のエネルギーのいま:抱える課題
日本のエネルギーの現状は、エネルギー安全保障、化石燃料への依存、価格、温室効果ガスの排出増加など、様々な課題を抱えています。 まずは、これらの課題を数字で説明します。 |
課題1:低いエネルギー自給率と中東地域への依存 【エネルギー安全保障】
日本のエネルギー自給率はわずか6%。これはOECD加盟34か国中、2番目に低い水準です。
また電力についても、発電のためのエネルギー源を海外からの化石燃料に依存しており、東日本大震災以降、その割合は急激に高くなっており、第一次石油ショック時よりも厳しい状況です。
(図表1-1)OECD諸国の一次エネルギー自給率比較(2012年)
出典:IEA「Energy Balance of OECD Countries 2013」を基に作成
一次エネルギー:エネルギーのうち、加工する前の、自然界に存在するもの。内訳は石炭、原油、天然ガス、太陽光・地熱などの再生可能エネルギー、原子力、水力です。IEA(国際エネルギー機関)は原子力を一次エネルギーに含めています。
OECD(経済協力開発機構):OECDは、先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、1)経済成長、2)貿易自由化、3)途上国支援(これを「OECDの三大目的」といいます)に貢献することを目的としています。OECD加盟国は2014年10月現在34か国です。
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/oecd/html/
(図表1-2)日本の一次エネルギー自給率の近年の推移
出典:IEA「Energy Balance of OECD Countries 2013」を基に作成
(図表1-3)日本の電源構成の推移
海外からの化石燃料に対する依存度は、現在約88%(2013年度)で、第一次石油ショック時(約76%)よりも高い。
※「電源開発の概要」等より作成。発電電力量を用いて%を算出。「その他ガス」とは、一般電気事業者において、都市ガス、天然ガス、コークス炉ガスが混焼用として使用されているものが中心。 なお、「その他ガス」は、本文中の「海外からの化石燃料に対する依存度」(約88%、約76%)の中に含めている。
このように化石燃料、特に石油・ガス調達は中東地域に大きく依存しており、こうした地域に関わる国際情勢の状態に影響を受けやすい立場にあります。
(図表1-4)日本の原油の主要調達先(2013年)
(出典)財務省「貿易統計」等より
マラッカ依存度は、マラッカ海峡以西の輸出主要国の率の積み上げ
(図表1-5)日本の天然ガスの主要調達先(2013年)
※財務省「貿易統計」等より作成
マラッカ依存度は、マラッカ海峡以西の輸出主要国の率の積み上げ
課題2:海外からエネルギーを調達する費用の増加 【貿易赤字の増加】
化石燃料への依存が高まっているため、海外からエネルギーを調達する費用が増えています。その影響もあり、貿易赤字が拡大しており、経常収支も大幅に悪化しています。
(図表1-6)貿易収支及び経常収支の推移
(出典)貿易収支:財務省 貿易統計 ※「総輸出額―総輸入額」を記載経常収支:日本銀行 国際収支統計
課題3:電力価格の高騰 【電力価格の上昇】
東日本大震災後、家庭用では約2割、産業用では約3割、電気料金が上昇しています。
(図表1-7)電気料金の推移
(出典)電力需要実績確報(電気事業連合会)、各電力会社決算資料等を基に作成
(図表1-8)標準世帯モデルの電気料金の推移(東京電力の場合)
東日本大震災以降、原発の停止に伴う化石燃料消費の増加による電気料金の改定及び燃料価格の上昇により、電気料金(標準世帯のモデル料金)は東日本大震災前と比べ、平均で2割以上上昇しています。
(出典)経済産業省資源エネルギー庁
課題4:温室効果ガス排出量の増加 【気候変動への対応】
化石燃料への依存が高まっていることのもう一つの側面として、火力発電所の稼働が増えており、温室効果ガスの排出量が約1億トン増えています。
(図表1-9)日本の温室効果ガス排出量の推移
東日本大震災以降の温室効果ガス排出量は増加しており、2012年度の排出量は2010年度比で0.87億トン増加しました。電力分(※)以外では排出量が若干減少しているものの、電力分は原発代替のための火力発電の焚き増しにより、2010年度比で1.12億トンの増加しました。
※「電力分」は 一般電気事業者による排出量。
(出典)経済産業省資源エネルギー庁