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【スポーツなんでやねん】
「国歌」への「ブーイング」は「罰」の姿勢…日本代表の試合でも適用を
問題は、今回の処分が香港-中国という試合の特殊性を考慮に入れたものなのかどうかという点だ。敵味方関係なく国歌は敬うべきものとの本来の趣旨で考えるならば、処分が特別なものではあってはならない。
日本代表の国際試合でもブーイングが巻き起こることがある。中でも、中国や韓国と戦う東アジア・カップなどは顕著。中国の国歌にサポーターがブーイングした香港サッカー協会に罰金処分を科したのであれば、日本の「君が代」にブーイングした相手にも同様の制裁を行ってほしい。
背任と横領の疑いでスイスの検察当局から捜査を受けたことをきっかけに、今まで“アンタッチャブル”な存在だったブラッター会長に暫定的な活動停止処分を科すほどの思い切った措置を採ることができるのならば、今回の香港サッカー協会への処分を前例として、国歌へのブーイングに関しても公平性を持って望めるのではないかと思う。
トップの暫定的な活動停止処分によって混迷の度を深めているFIFAだが、所属協会に不公平な姿勢をとれば、さらに信頼を失うことになる。まさか、サッカー界で無視できないほどの力をつけてきている中国だけをえこひいきしていることはないと思いたい。