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【スポーツなんでやねん】
「国歌」への「ブーイング」は「罰」の姿勢…日本代表の試合でも適用を
ゼップ・ブラッター会長やミシェル・プラティニ欧州連盟(UEFA)会長が倫理委員会から暫定的な活動停止処分を受けるなど、グダグダ感のある国際サッカー連盟(FIFA)だが、たまにはいいこともする。9月8日に香港で行われたワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア2次予選の香港-中国戦の試合前に流れた中国国歌に香港サポーターが反発。猛烈なブーイングが巻き起こったことに対し、香港サッカー協会に5千スイスフラン(約62万円)の罰金を科したのだ。
ロイター通信などによると、香港代表の国際試合では中国の国歌が使われており、今回の試合では、ブーイングだけでなく、スタンドからグラウンドに物も投げ入れられたという。
中国の国歌を無理やり聞かされる香港サポーターの気持ちも分からないではないが、それとブーイングは別。試合前に流れる国歌を厳粛に聞くべきなのは、自チームの国歌であろうと、他チームの国歌であろうと、変わらない。
長い歴史を持つW杯の因縁の対決などでもしばしば、相手チームの国歌が演奏される際にブーイングが巻き起こる。FIFAは、スタジアムの場内放送を使ってブーイングをやめるようサポーターに促すなどの対策を採ってきた。
今回、香港サッカー協会へ罰金を科したことは「国歌へのブーイングはダメ」との姿勢を明らかにし、これまでの事なかれ的な態度から一歩踏み込んだことになる。同時に、FIFAの規定に明文化されていることでもあるが、サポーターの行為によって加盟協会が罰を受けることも、明確に示された。