匿名ダイアリーやブックマークから少し距離を置いて見ると見えてくるものがある。
例えば、貧乏には優しいのに容姿が良くないことには厳しい。いや、貧乏でも可愛い女には優しくて、貧乏なグロメンには死ねと言ってるか。
偉そうな理由をぐちゃぐちゃつけて。
容姿が悪い自分にはどうやら厳しくて、死んだほうがいいと言っているようだ。
小さいことから大切に育てている。人魚は最近、父や僕に富を与えてくれる。
父親はその人魚に四桁のコードが振られることに尽力しており、いざその人魚にコードが与えられ血などを皆が欲しがるようになれば、人魚の血を半分以上持っている父は金持ちになる。
僕も人魚の血を父親についで持っている。人魚の血が僕の唯一の可能性で、それ以外には何もない。容姿も健康も頭脳も。それを人は評価しないし、見下す。
汐留や丸の内にいるとっても大きくて、可愛い人魚の血には到底かなわないけど、それでもコードをもらい血を売ることができるようになればとても恵まれた人間になれる。
人魚の血が売れるまで、どうにか父には生きていてほしい。
それまでに、飼い主である父が死んでしまうと人魚は弱る。それどころか人魚の血には莫大な相続税がかかる。
僕は死んでしまう。
人魚が死んでしまったら、僕は死んでしまう。人魚の血の効力がなくなるからだ。
人魚の血を持つものには厳しいのに、なぜ美しい容姿の者には優しいのか。
人魚の血を飲んで、美しくなれる者というのは限られている。
自分はどうやら血を飲んでも小さい頃からの病気も治らないし、美しくもなれないようだ。
人魚の血が売れるようになれば、自分は偉そうな振る舞いはできるかもしれないが、それでも美しい姿の人間のほうが有利だ。
人魚の血を売れるようにはなってほしい。それしか自分には救いはないから。
いや、今からでも欲しい。