ふるさとの希望を旅する〜地域再生のヒントを求めて〜 2015.10.12


次回もお楽しみに!美しい海に浮かぶ島。
島根県隠岐諸島の海士町です。
この島にはおいしい特産物がたくさんあります。
まずは米。
ブランド牛の隠岐牛。
きれいな海の栄養をたっぷりと吸った岩がき。
海水から作り出す塩も人気を集めています。
そして今この島で暮らしたいという若者が続々と移住してきています。
(一同)おはようございます。
教育の改革も始めています。
高校の教育に地元住民が参加。
一緒に島の将来を担う人材を育てようとしています。
人と自然が輝き続ける島にしたい。
住民と町役場が共に地域づくりを進めてきました。
人口減少少子高齢化農林水産業の衰退。
今日本の地域は危機に立っています。
さまざまな課題をどう乗り越えていくのか。
全国各地の人々が解決の手がかりを求めています。
今回NHKではさまざまな地域の課題を解決してきた全国の取り組みを集めたホームページを開設しました。
「NHK地域づくりアーカイブス」。
これまでに放送した各地の取り組みがジャンルごとにまとめられそれを動画で見る事ができます。
例えば魚をインターネットを使って消費者に直接届け売り上げを伸ばしてIターンの若者が増えている山口県の漁業の町。
林業が衰退する中で特産のゆずに注目しヒット商品を次々に生み出している高知県の村。
およそ50の動画を見る事ができその数はこれから増えていきます。
フェリーで2時間あまり。
海士町の島が見えてきました。
この番組では地域づくりの手本とも呼ばれる島根県海士町をキーステーションに「地域づくりアーカイブス」の中から全国の優れた取り組みを見ていきます。
島に着いた途端あるものが目に飛び込んできました。
お…「ないものはない」。
いっぱいある…。
「ないものはない」「ないものはない」。
徹底してますねフフフ…。
これ町のスローガンでしょうかね。
「島じゃ常識店」というお店ですよ。
この店にはもともと島にあるものに磨きをかけた人気の特産物が並んでいます。
ふくぎ茶。
「島のハーブティー」って書いてある。
海士乃塩ですね。
何何…。
海水から作った塩って事ですね。
ちょっとちょっと。
きましたよ。
これがナンバーワンですね。
さざえカレー。
島じゃ常識らしいですね。
番組の収録会場島民ホールに集まったのは海士町に視察に訪れた全国各地の人たちです。
住民町役場や社会福祉協議会NPO教育関係者などが集まりました。
先進地に学びそれぞれが抱える課題を解決していくためのヒントを受け取り地域の未来を描いていきます。
さて今日はここ島民ホールに海士町の皆さんそして全国から視察に来た皆さんに集まって頂きました。
今日は皆さんと一緒にですねどうすれば日本の地域を元気にする事ができるのかじっくりと考えていきたいと思っております。
まずは地域づくりの手本ともいわれる海士町がどうしてたくさんの特産品を生み出す事ができたのか。
その成功の秘けつをご覧頂きます。
今では日本の地域づくりをリードする存在となった島根県海士町。
しかしその成功物語の始まりはまさにどん底からのスタートでした。
今から16年前このままでは島はなくなるという危機感が町を覆っていました。
当時海士町では町の経済を支えていた公共事業が削減され財政が破綻寸前の危機に陥っていたのです。
平成11年までに積み上がった借金は102億円。
予測では平成20年には財政破綻に陥るとされていました。
海士町は役所を挙げて経費節減に乗り出します。
昼休みはすぐに消灯。
町が単独で行う公共事業も6年間で1割に減らしました。
しかしこうした努力を重ねただけでは危機から脱する事はできませんでした。
町は最後の手段に出ます。
職員の給与を減らし町長の給料は半分にしました。
職員の数も減らす事にしました。
退職者がいても新人の採用は控える事にしました。
取り組みを始めて6年。
借金は102億円から89億円に減り財政破綻の危機から脱する事ができました。
しかし大きな課題が残っていました。
公共事業に代わる新たな産業の育成です。
この時町は独自の方針を打ち出します。
工場誘致など外の力には頼らず自分たちで産業を興すと宣言したのです。
新しい産業づくりを任されたのが当時産業振興係長だった奥田和司さんでした。
奥田さんたちは島じゅうを回って特産物になるようなものはないか探し回りました。
しかしこれといった特別なものはなかなか見つかりません。
奥田さんは途方に暮れてしまいました。
そんなある日。
役場の職員がお昼を食べに食堂に入った時の事でした。
注文したのはカレーライス。
この時ひらめいたのです。
そういえば島には島のカレーがある。
その材料はさざえ。
ここでは値段の高い肉の代わりに島で取れるさざえを入れます。
ひょっとしたらこれが当たるかもしれない。
この島の家庭の味に新産業の夢が託されました。
早速レシピ作りが始まりした。
開発を任されたのは農協婦人部の女性たちです。
都会の人たちに買ってもらえるようその口に合う味を求めて試行錯誤が始まりました。
東京の一流シェフを招きそのアドバイスで20種類のスパイスも試しました。
これは!という味にたどり着いた時すでに2年の歳月が流れていました。
次にカレーをレトルトパックに詰める段階がきました。
ところがここで大きな問題に突き当たります。
120度の高温で殺菌する機械に入れたところ味がすっかり変わってしまいさざえ独特の風味も失われてしまったのです。
これまでの努力は水の泡でした。
そんな時意外なアイデアを思いついた人がいました。
当時工場長をしていた中山輝夫さんです。
中山さんが提案したのはそれまでは捨てていたさざえの肝をレシピに加える事でした。
中山さんは子供のころ夏休みになると海によく潜りさざえを取りました。
味の深いさざえの肝が大好きでした。
その肝をバターと混ぜ炒めてみてはどうかと提案したのです。
ルーに合わせてみると高温殺菌したあとでも豊かなさざえの風味が立ちのぼってきました。
こうして海士町の特産物第1号さざえカレーが誕生しました。
3年がかりの事業でした。
今ではさざえカレーは年間2万食以上を売り上げる大ヒット商品になっています。
その後も海士町はきれいな海水から作る塩岩がき隠岐牛など次々と特産品を開発していきました。
財政破綻の危機から16年。
海士町は今多くの魅力的な特産物を持つ地域づくりの手本となりました。
では早速ゲストをご紹介しましょう。
(拍手)この海士町がですね地域づくりのお手本とまで言われるまでにこう…ホントV字回復ですね。
苦しくなるとついねよそ頼みになっちゃうんだけど海士町偉いなと思うのは外の力に頼らない。
自分たちでやるんだっていう。
身近にあるんだ。
つまりあるもの探しをやるっていう事ですよね。
必要なものは作る力がここには強いんだっていう。
そこがね町民の方役場の方の誇りになったり自信になってるな〜っていう感じしますね。
私も今回港に降り立ってですね「ないものはない」というねスローガンがもうずらずらずらっと貼ってありました。
あのまあ食べるもんでいうなら米も作ってますしそれから塩も天然の塩を作ってる。
そして名水百選も…昭和の名水百選もあるというような事でいろんな面で海を見渡せばですねまだまだ宝物眠ってると。
都会のような便利さはないかもしれないけどもあるものをやっぱり磨いていこうという。
そうすれば必ず私はナンバーワンじゃなくてオンリーワンになる可能性があると私は思ってますんで。
ただちょっとビックリしたのがあの…給与カットですね。
まあまず自ら身を削る事が住民の皆さんの理解を生むんだという事で私自身がその…給与カットやるよと。
役場の本気度といいますかね役場はそこまでやるんかという事が住民の皆さんの共感を得たといいますかね。
これからの地域づくりっちゅうのは元気やる気本気と言っていますけども最後は本気度が勝負じゃないかなと思ってますね。
さあではここで会場の皆さんから今回ですねこの海士町にどんな事を勉強しにきたのか伺ってみたいと思います。
藤里町の山あいから来たんですけれど…人口が少なくなっていく中で町のみんなで盛り上がっていろんな事に若い人たちを呼び込みながら頑張っているところを勉強させてもらいにきました。
え〜っと私は教育の現場で働いてるんですが海士町の教育力が将来の担い手づくりをしているというその担い手づくりについて是非いろいろとお話を聞かせて頂きたいなと思いましてお伺い致しました。
え〜実はですね皆さんのようにふるさとを元気にしたいあるいは魅力ある地域にしたいという方の思いを応援するためにNHKでは10月から新しいホームページを開設致しました。
それが「NHK地域づくりアーカイブス」です。
(小坂)インターネットで無料で見る事ができます。
ジャンルは「農林水産・食」「環境・エネルギー」「共生経済・観光」など過去に放送された地域づくり先進地の活動の様子が集められているんです。
今ご覧頂きました海士町の取り組みも収められています。
という事で藤里の菊地さんからご質問がありました。
多くの自治体が人口減少の危機にひんしている中でこの海士町では移住を希望する若者が増えまして2年前からは人口が増加に転じているんです。
次にどうしてここでそんな事が起きているんでしょうか。
その理由を見ていきます。
海士町には今全国から次々に若い世代が移り住んでいます。
保育園には入園を希望する子供が殺到。
定員を上回る状況で今保育室の増築をしています。
町は移り住んでくる若い世代のため100棟を超す町営住宅を新たに用意しました。
それでも需要に追いつきません。
どうして移住を希望する人が増えたのでしょうか。
海士町では若い世代を増やそうとさまざまな戦略を練ってきました。
その一つが17年前に作った商品開発研修生という制度です。
島の外に住む若者に対し新たな特産物を作る助っ人になってほしいと呼びかけました。
研修生として島にやってきた後藤隆志さん。
後藤さんはクロモジという島に自生する植物に目をつけました。
研修生には1年間町から月に15万円の生活費が支給されます。
後藤さんはこのクロモジを煎じてお茶のように飲む島の文化に注目。
そこから島のハーブティーを開発しヒット商品を作り上げました。
こちらはきれいな海水から作られた塩。
この人気商品も研修生が開発しました。
これまで30人の若者が島を訪れています。
島に若者を呼び込む取り組みの先頭に立ってきた町の交流促進課です。
課長の青山さんは大切な事は若者たちが活躍できる場を用意する事だと考えています。
商品開発研修生として島を訪れその後移住を決めた石田なつ子さんです。
なつ子さんは愛知県の出身。
会社勤めをしていましたが誰かの役に立つ仕事をしたいと10年前研修生に応募しました。
島では野菜の直売所を担当。
「あなたの元気で島を明るくして下さい」と頼まれました。
なつ子さんは野菜を作っている人に会いたいと農家を回りました。
・おはようございます。
あおはようございます。
そのほとんどは70代以上の女性たち。
独り暮らしの人も多く野菜の出荷を生きがいにしていました。
だんだん親しく話すようになりなつ子さんの訪問を楽しみに待つ人が増えていきました。
なつ子さんの夫大悟さんです。
大阪出身の大悟さんもまた海士町に移住してきた若者の一人です。
島に来たきっかけは町が第三セクターで建てた冷凍加工施設のオープンでした。
島自慢の魚介類を冷凍しても味が落ちないようにする最新の技術が導入されました。
投じられたお金は5億円。
島の魚介類を首都圏などに直接届けようという町の命運をかけたプロジェクトでした。
若い働き手が不足していた島では全国に働く人を募集。
応募した大悟さんは採用担当者の「これで島を変えたい」という熱意に動かされたといいます。
島に来る前は名古屋の営業現場で一人ノルマに追われていた大悟さん。
島では仲間と一緒に知恵を出し合い島の暮らしを守るために働く毎日に変わりました。
大悟さんは今この加工場で進められている食品衛生の国際基準を取得する取り組みの先頭に立っています。
大悟さん夫婦と子供たちが暮らす家は町が建設した移住者用の住宅です。
この日島の繁栄を願う祭りが開かれていました。
踊りの輪の中に大悟さん一家の姿がありました。
この10年あまりで海士町に移住した人は483人。
減り続けてきた町の人口はおととし増加に転じています。
結城さん若者たちがどんどん移住してくる。
どうご覧になりましたか?非正規雇用が4割近いってのが都会の仕事の現実じゃないですか。
それがこの海士町のこの仕事のように人の役に立つ仕事そこにやりがいっていうのがあると思うんですよ。
俺の仕事がみんなを支えてる喜んでもらってるっていう。
そういう…ここが自分の生きる場所なんだ人生を懸けるんだって。
そういう若者がたくさんいるんですよ。
それを地域には彼らの力を役立てる場所がいっぱいあるはず。
それをプロデュースしていく見つけていくと若い力は大きな能力を僕は発揮するだろうなと思います。
(山内)この20代から40代以下の皆さんが今逆に来て頂いてると。
この島で自分の夢といいますか新たな夢を生かそうと。
その事に私は非常にまあ感動してますし彼らはやっぱりステージを求めて来てるんじゃないかなと。
そういう中でそのステージ作りのお手伝いをするのが行政の仕事ではないかな。
そういうふうに思っていますね。
海士町では更に若い世代に対するサポートがさまざまあるんですね。
この支援策。
結婚祝金が5万円。
本土から嫁いできたお嫁さんが里帰り出産する時の交通費が出ます。
これ上限5万円。
出産祝金が第1子10万円。
そして第4子以降何と100万円なんですね。
町長やはりこれはかなり思い切った…。
(山内)そうですね。
それはいわゆる未来への投資といいますかやっぱり子供たちが生まれて赤ちゃんが生まれる事が島の未来に続くんだというふうに思ってますので。
ですから私はいい意味でのこれは先行投資だという事でですね条例化したという事です。
そういう中で今少しこの島を見て頂ければあれですけれども高齢化といいますかね海士町ではやっぱりこの福祉という面ではこれからの大きな課題ではないかなと。
ものづくりだけじゃなくてそういう人に対する福祉というものが広い意味での福祉というものですかね。
そういう面ではこれから求める行政に求められるところではないかなと思っていますね。
海士町の山内町長からこれからの地域の課題として福祉が挙げられました。
そこで「地域づくりアーカイブス」の中から「福祉・生活支援」のジャンルを見ていく事にします。
福祉の先進地として知られる秋田県藤里町の取り組みを見ていきます。
世界遺産白神山地の麓に広がる人口3,600人の秋田県藤里町。
駅もコンビニもないこの町にいつもにぎわう場所があります。
この人気の手打ちそばの店。
実はここで働いているのは元ひきこもりの若者たちです。
社会福祉協議会が運営するこの店で就労に向けた訓練を行い社会に出るきっかけをつかみます。
元ひきこもりの若者たちは店の外でも働いています。
今ではひきこもっていた人の大半が働き始めています。
この取り組みの中心は社会福祉協議会の菊池まゆみさんです。
菊池さんはひきこもりの若者の力を地域づくりの原動力にしたいと考えています。
菊池さんがひきこもりの問題に気付いたのは今から9年前。
きっかけは高齢者を介護している人から菊池さんの耳に入ったある相談でした。
「ひきこもっている若者がたくさんいるから調べてほしい」というのです。
菊池さんたちは自治会や民生委員などのネットワークを活用。
情報を集め一人一人のリストを作成しました。
すると3,600人の小さな町に何と100人以上がひきこもっている事が分かったのです。
ひきこもっている人にどうすれば家から外に出てきてもらえるのか。
そこで楽しい居場所を作ろうと考え卓球やカラオケ大会などを企画しました。
しかし会場に姿を現す人はほとんどいませんでした。
菊池さんは行き詰まってしまいます。
そんなある日菊池さんの考えを大きく変える出来事がありました。
社会福祉協議会の採用試験に21歳のひきこもりの若者が突然現れたのです。
学校になじめず高校1年で中退しそのままひきこもっていたAさんでした。
自分も働きたいと訴えるAさん。
菊池さんにとって予想外の展開でした。
菊池さんは方針を転換します。
ひきこもっている人たちが働くきっかけを作る事にしました。
当時注目したのは失業者のための就職支援事業。
ヘルパー2級などの研修が受けられ資格を取る事ができます。
菊池さんたちは祈るような思いでこのチラシをひきこもっている全ての家に投函しました。
研修会場を見て菊池さんは驚きます。
ひきこもっていた人たちが次々に姿を現しました。
働くきっかけを求めて家から出てきたのです。
菊池さんは考え方を改めました。
彼らは怠け者でも弱い人でもない。
多くは働く場がないためにひきこもらざるをえなかった人たち。
チャンスがあればよみがえる。
・どうぞ。
(拍手)2010年。
菊池さんは町役場の協力を得てひきこもっていた人たちのための就労支援施設「こみっと」を開設しました。
更に後継者不足に悩む町の商店街とも連携。
仕事を体験し将来は元ひきこもりの人の中から商店街の後継者が生まれる事が期待されています。
ひきこもっていた人たちの生き方は今大きく変わりました。
10年以上ひきこもっていたこの男性は今年社会福祉協議会に就職しました。
町の特産品づくりを担う現場のリーダーを任されています。
この特産品白神まいたけキッシュの去年の売り上げは570万円。
全国から注文が集まる人気商品になっています。
藤里町では今ひきこもっていた100人以上のうちすでに80人が働き始めています。
(結城)何かこう日本が目指して作り上げてきた企業社会なり都市社会にはじかれたり矛盾感じたり傷ついた人たちが田舎に帰ってきたりしてるっていうのもあるんだね。
そういう人たちは遠くから見りゃひきこもりなんていうふうに言われるかもしれないけども心の中では求めてるものいっぱいあるはずなんですよ。
だからもう働き場が都会だけじゃなくてここ我がふるさとにあるんだって。
だからそのチャンスを作る事が問われてるのかなと見ながら思ったんですよね。
今日は実はですね藤里町の菊池まゆみさんに来て頂いています。
(拍手)菊池さんご自身も随分調査をして悩んでいた人がいるっていう事ですか?何とか自分で何とかしようと思いながらなかなかそのきっかけとかタイミングとかつかめずにいた方たちがいらっしゃったっていう事だと思います。
5年間取り組んだ結果がほとんどの方が自立できたっていうのもありますしその中で今度新しい取り組みをしようと思ってるんですよ。
困ってるのは若者だけじゃないしとか活躍の場がなくってちょっとひきこみがちになり始めた高齢者の方もいるだろうみたいなそういう発想がちょっとありまして。
それが生涯現役。
町民全てが生涯現役を目指せる事業っていうものにしたいなと思って今頑張ってるんですよ。
それで例えばこの方は山の仕事してた方なんですけど葛粉を使って何かやりたいなみんなで特産品作れないかっていうような。
葛の根っこ。
雪で埋もれてる町だけれども根っこは元気だぞっていう事で。
この方は畑仕事得意草刈り得意。
私指導受けてますけれども。
これは菊池さんですよね。
(菊池)はい82歳になったからそろそろ引退しなきゃなって言うんですけどまだまだ頑張れるからっていう事で。
80過ぎたから90近いからもう自分は引っ込んでなきゃと思わずに地域のお役に立ちたいっていう意思があるんだったら何とか地域を興していける力になっていけるんじゃないかと思ってますので頑張りたいなと思ってます。
この生涯現役という事はそれぞれの立場それぞれの能力を生かす事がホントに大事ではないかなと思って何か新たなヒント頂いたような気がしますね。
ここで海士町の山内町長に福祉以外の課題を出して頂きました。
この課題の解決のヒントを求めて「地域づくりアーカイブス」を更に見ていきます。
(山内)今の時点でしいて挙げれば全戸には光ケーブルを引いてると。
そういう中でIT企業で生かすような事をやったらどうかなというような今思いがあります。
では今度は「IT」と打ち込んでみますね。
はい出てきました。
では「ITで過疎の町がよみがえる」。
徳島県神山町の地域づくりの様子をご覧頂きます。
徳島市から車で1時間。
1,000メートルを超える山々に囲まれた神山町。
主な産業だった林業が衰退し高齢化率は現在47%。
およそ2人に1人が高齢者です。
・12の3。
(拍手)この町に最近になって東京などのIT企業が続々とオフィスを構えるようになりました。
進出してきたIT企業は12社に上り新規の問い合わせも相次いでいます。
大きな魅力となったのがこの光ファイバー。
全国に先駆けて町が町内全域に張ったものです。
IT企業の社屋には町にある空き家を斡旋しています。
敷地が広いうえ家賃も格安です。
都会と比べて回線が混んでいないため驚くほどのスピードでネットがつながります。
・すごいきれいだよ。
・音質超クリアなんですよ。
パソコンを片手に河原に出て仕事をするIT企業の社員たち。
こうした地域再生の新たなモデルが評判を呼び全国から視察が殺到しています。
ふるさとにUターンしてIT企業で働く人も出てきました。
團さんの楽しみは会社の庭にある畑で野菜を作る事です。
毎朝仕事の前に収穫します。
今では体調も回復し仕事への集中力も上がったと感じています。
ITを駆使した新しい営業サービスを提供している会社です。
インターネットのテレビ電話を使ってこの場から全国の顧客に営業をかけています。
・よろしくお願い致します。
ネットを使えば移動に時間をかけずに全国に営業できます。
こんにちは。
神山町へのIT企業の誘致を進めてきたのは地元のNPO代表大南信也さんです。
大南さんは神山に進出したいIT企業を募り空き家を斡旋してきました。
IT企業の力を借りて地域の課題を解決していこうという動きも始まっています。
阿波踊りの練習に励んでいるのはIT企業に勤める本橋大輔さんです。
ドローンを使って倉庫の在庫管理を自動化するシステムを開発している本橋さん。
地域の人から相談を持ちかけられました。
農作物をサルが荒らしているというのです。
本橋さんは早速現場に向かいました。
(本橋)おはようございます。
(一同)おはようございます。
相談はITの力で何とかサルを追い払ってほしいというものです。
本橋さんは対策を考え始めました。
農家の人たちからも次々にアイデアが出ます。
IT企業の人たちが持つ技術で地域の課題を解決しようとする取り組みが今始まろうとしています。
IT企業と連携したいとおっしゃっていた町長。
まあホントに考えればいろんな事がITを使ってできるんだという事が分かりましたね。
面白いっていうよりすばらしいし面白いですね。
え〜神山町の大南信也さんにも来て頂いています。
どうぞお入り下さい。
(拍手)大南さんこの連携する時のですね大事なポイントっていうのは?そうですねまず神山町の場合は一般的にはITベンチャーの誘致ってみられてますよね。
あと現実は僕らが狙うたのは企業誘致ではなくてホントは人材誘致なんですよね。
でITベンチャーの人たちは結構クリエーターの人たちが多いわけですね。
例えば僕らだったら神山に住んでおって神山の農業を見た時に何をやってもあかんのやっていう目でもうすり込まれとるわけですよね。
ところがよそから入ってくるそういうクリエーターの人たちは全くまっさらな目でそれを見るわけですよね。
そうすると多分僕らが見逃しておるとかあるいは可能性ないと思われとるところに何か気付いて何かぽろっとつぶやき始めると思うんですよ。
そのつぶやきが多分そういうような中山間の農業なんかにブレークスルー起こすんだと思うんですよね。
だからそういう企業が何か町を変える一つの原動力になっとるというのも大きな事実かなと思います。
ここまではですね海士町の長所それから海士町が何とか解決したい課題について見てきたんですが次はですね大南さん神山町の課題を見ていこうと思うんですね。
何だとお考えですか?ずばり教育ですね。
それも特に高校だと思います。
まあ神山の子供たちが中学校3年終えるとほとんどの子たちが徳島市内の学校に進むわけですね。
下宿しながら。
だからその時点でまあ親元を離れるっていう事ですよね。
結局その高校の3年間の地域での何ていうかなふるさとのすり込みっていうかその辺りが全く欠如してしまうっていうのは結構将来に向かってはつらいですよね。
その辺りを何か僕らは知りたいなみたいな気がしますよねはい。
全国的にもですね子供が少なくなっている中で教育に課題を感じている地域多いと思います。
次は教育の分野でも先進地である海士町の高校の取り組みをご覧頂きます。
海士町にある島根県立隠岐島前高校です。
生徒数は160人。
離島の高校ですがここ数年急速に生徒の数を伸ばし注目を集めています。
生徒が最も少なくなったのは7年前。
そこからV字回復を遂げました。
その理由は高校と地域住民が魅力的な教育を作ろうと話し合い努力を続けてきた事にあります。
その成果をまとめたこの提言には「教育が果たすべき役割は『地域のつくり手』を育てることである」と明記されています。
これは地域学という授業。
生徒はまず漁業や農業高齢化の問題など自分たちが取り組む地域の課題を選びます。
(一同)こんにちは。
そして実際に地域に出向きテーマに選んだ課題の解決方法を考えていきます。
地域学の授業が生まれるもとは6年前に始まったヒトツナギという活動です。
この活動では島の課題である観光客の減少に取り組みました。
生徒たちは島の最大の魅力は地域の住民であると考え島の暮らしを巡るツアーを企画しました。
ツアーは実行に移されました。
この日は首都圏などから同世代の観光客を招きました。
・キャー!すごいすごい!地域の課題を学び解決策を考えた事で島への愛着が強まりました。
ツアーの企画から実行までを担った事は生徒たちの自信につながりました。
更に海士町では5年前公立の塾を開設しました。
民間よりも低料金で勉強を見てくれるのは島にIターンしてきた多彩な講師陣です。
東京の教育関係の大企業で働いた経験のある人たちが指導をしています。
ここでは「夢ゼミ」と呼ばれる授業で子供たちが自分の将来についても考えていきます。
まず子供たちがそれぞれの夢を発表。
その実現に向けて講師陣がアドバイスを送ります。
神奈川県にある慶應義塾大学です。
島出身の川本息生さんは夢ゼミがきっかけで自分の進路を決めました。
高校3年の時夢ゼミで将来を語る川本さんです。
川本さんの実家は子牛を育てる農家です。
地域の課題として畜産農家が減っている事を取り上げその解決策を考えました。
夢ゼミでは島の外に住む専門家のアドバイスを受ける事もできます。
川本さんは神奈川で成功している養豚農家とネットで話し最先端の経営を知る事ができました。
この養豚農家がやっていたのは自分で育てた豚を自分で販売する新しい経営手法でした。
うまい!川本さんは今夢ゼミで出会った養豚農家のもとでアルバイトをしています。
最新のノウハウをできるかぎり吸収しようとしています。
隠岐島前高校では5年前に島留学という制度もスタートさせました。
島の外から生徒を募集。
生徒は親元を離れて寮で暮らします。
一人一人が自分のやりたい事。
この日は高校のオープンキャンパスです。
魅力的な教育が評判を呼び受験倍率は2倍を超えるほどの人気となっています。
こんにちは〜。
こんにちは〜。
地域の課題を高校時代から学び地域づくりの担い手として育っていく。
そんな隠岐島前高校に今注目が集まっています。
大南さんいかがでしたか?ホントは一番大切なのにやらんかったらいかん事がここでできとるっていう事やと思うんですよね。
ただもう詰め込み式で知識を教えるっていうんじゃなしにやっぱり生きる力ですよね。
人間一人として生きる力ってのをここでがっつりと教えられとんで島に誇りを持つような子たちが育っていって多分10年後20年後にこの子らが帰ってきてそこで何か地域の世代間の循環ってのがうまく起こりそうな予感がしてワクワクしますよね。
菊池さんは?誇り持ちたいな藤里町に。
あの…大人が頑張って自分の町に誇りを持てれば子供たちにも伝えられる。
そういう発想でやりたいなと思ってますはい。
地域の担い手を高校の時代からしっかりとつくるんだと。
私は地域に人材がいかに育てるか地域で育てるかあるいは地域に根づくかという事がこれはもうこれからの人がそこにいるという人材がいるという事がですねこれからの長い意味での地域の持続性につながるんだというふうに思ってますね。
それはその地元でどれぐらいこう仕事を生み出せるかって事が大きく関わってきますか?私は卒業式の祝辞でも言うんですけども「仕事を創って待ってるんじゃない。
仕事を創りに帰ってきて下さい」と言ってるんですね。
そういうやっぱり人材に期待をしたいしまあその事に今ホントに夢をかけてますけどね。
ではここで会場の皆さんにもですね是非。
学習っていうか勉強以外の大切な部分それを何か教えている地域学だったりそういったものは何かすごく必要だなというふうに感じております。
何かこれからを考える一つのきっかけになったのではないかなというふうに感じました。
自分の町になかったものも見えたんですけどあるものも見えたような気がしてこれから刺激し合いながら学びながらいけたらいいなっていうふうに思いました。
来て良かったと思います。
ありがとうございます。
いい町っていい地域ってどうやってやるか。
ここいいとこにしようや。
ここを楽しい町にしようや。
うん…。
ここを安心できる村にしようやとそう思う人たちがいてそういう場所になるんですよ。
こうしたいなっていう願いが実現してくために人間って頑張れるのね。
と同時に困ってるなっていう課題を何とか解決するために頑張れるの。
キーワードは皆さん我が事として私の町を良くしていく。
そのつながり力を合わせ支え合ってく。
それが大事だと思いました。
今日はどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
(拍手)議論のあと会場に集まった人々は海士町が作った学習塾の夢ゼミを視察しました。
地域×自分の将来やりたい事。
それから成し遂げたい事っていうものを…。
ふるさとの課題を真正面から受け止めその解決を図っていく中でふるさとの希望を見つけ出していった海士町の地域づくり。
ふるさと教育について専門的に学べたらいいなと考えています。
(拍手)それぞれの町はそれぞれの課題の向こう側に未来の希望を見つけ出していました。
2015/10/12(月) 17:00〜18:00
NHK総合1・神戸
ふるさとの希望を旅する〜地域再生のヒントを求めて〜[字]

魅力的な特産物を生み出しIターン者が増えている島根県海士町や、元ひきこもりの若者が地域づくりに参加する秋田県藤里町など、日本各地の「ふるさとの希望」を訪ねる。

詳細情報
番組内容
いま日本各地に、地域づくりの“希望”が生まれている。魅力的な特産物を次々に生み出し、Iターン・Uターン者が200人を超えた島根県海士町。ひきこもりの調査と就労支援をすすめ、元引きこもりの若者が地域づくりの担い手として活躍し始めた秋田県藤里町。NPOの仲立ちで都会からIT企業の進出が相次ぐ徳島県神山町。地方で生き生きと幸せに暮らし続けるために大切なことは何か。各地のふるさとの希望を訪ねて話し合う。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ニュース/報道 – ローカル・地域

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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