生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは「くらしきらり解説」です。
きょうのテーマは、こちらです。
日本がロシアに返還を求める北方領土。
しかし日ロ政府間の交渉は停滞したままです。
戦後70年、元島民の平均年齢は80歳を超えました。
元島民の方々の思いを伝えます。
担当は石川一洋解説委員です。
石川さん、北方領土がソビエトに占領されてから70年が過ぎました。
本当に長い時間ですよね。
石川⇒北方四島には終戦のときに1万7000人余りが住んでいました。
しかし70年たった今、生存している元島民の方々は6400人余りとなっています。
高齢化が進み、返還運動の継承が大きな課題なんです。
元島民の中には北方領土の語り部として、さまざまな集会に参加している人もいます。
色丹島出身の得能宏さんもその1人です。
島に日本人が住んでいたことを若い世代に伝えていかなければならないと思っています。
こうした元島民の方々は北方領土返還交渉についてどのように感じていらっしゃるんでしょうか。
大変厳しく現状を見ています。
NHKでは、ことし元島民とその子ども、孫の2世3世の方々にアンケート用紙を送り31%に当たる方から回答を得ました。
領土交渉についての答えです。
これまでの交渉への評価です。
ほとんど進んでいないということなんですね。
期待は残っていますけれどこれまでの交渉には失望している気持ちが表れています。
そして北方四島が日本に返還されるかどうか聞きました。
されないと思う人がされるという人の3倍以上にも上っているんです。
NHKでは24年前にも同様の調査を行ったとき全く逆の傾向だったんです。
返還の可能性についてこの20年余りの中で非常に厳しい見方をする人が増えたことが分かります。
重いことばですね。
島にはロシア人が住んでいることに対して、元島民の方々はどのように感じていらっしゃるんでしょうか。
北方四島ではロシア政府によるインフラ整備が着々と進んで首相や閣僚の訪問も相次ぐなどロシア化が進んでいるんです。
それには複雑ですけれどもその一方で北方領土の間では1992年以来、ビザなし交流という形で元島民と今住んでいるロシア人の現島民との交流が行われ心が通い合うようにもなっているんです。
ビザなしに参加する元島民がロシア人の現島民との交流の絆になりつつあります。
先ほど出てきました色丹出身の得能さんは終戦のとき10歳で強制送還されるまで2年間ロシア人とともに住んだ経験があります。
ロシア人と人間としての友情も体験したんです。
その話をもとに「ジョバンニの島」という映画のモデルにもなりました。
ビザなし交流の中で故郷の色丹島の指導的なロシア人の方日本人とロシア人が混住する島にしようとモデルケースとして世界に示そうと話したというんです。
ふるさとを奪われたわけじゃないですか。
ロシアに対する恨みのような感情は残っていませんか。
もちろんロシア人に複雑な感情というのは残っています。
択捉島出身の鈴木咲子さんは占領や強制送還のつらい体験をまざまざと記憶しているんです。
ロシア人とのわだかまりは残り1992年、最初のビザなしには参加したんですけれど去年までは参加することができなかったんです。
ただ家庭訪問でソビエトが日本人の家や墓を壊したと鈴木さんが訴えたときにロシア人の主婦が、どこの国でも祖先を敬うのは当然のことで本当に申し訳ないことをしたと涙を流したのを聞いて敵がい心が少し薄れたというんです。
鈴木さんは、今はロシア人に直接元島民としての気持ちを伝えたいということでロシア語を習い始めているんです。
複雑な思いもありますけれど少しずつ変わってこられましたね。
こうした元島民の方の思いですとか心を受けて今の領土の交渉は、現状はどうなっているんでしょうか。
先週1年9か月ぶりに平和条約を話し合う日ロ次官級協議がモスクワで開催されました。
7時間にわたって議論が行われましたが双方の主張は全くの平行線でした。
日本は北方四島は法的にも歴史的にも日本に帰属するという主張を述べたんですけれどロシアは第2次世界大戦の結果ロシア領となったという立場で双方の主張は正反対のままでした。
こうした道を打開する方法は何かないんでしょうか。
安倍総理は北方領土交渉の打開に強い意欲を持っています。
先月も国連総会でプーチン大統領と首脳会談を行い今後こうした首脳会談を重ねることで信頼関係を強め訪日を実現して領土交渉を動かしたいと安倍総理は考えているんです。
ただウクライナ危機での米ロ対立の中で北方領土交渉を動かすのは難しいのも現実です。
現状に元島民の方はどのように動こうとしているんでしょうか。
元島民の児玉泰子さんは歯舞群島の出身で北方領土返還要求連絡協議会の事務局長として返還運動の中心なんですが、ことしもモスクワを訪れロシアの国会議員や知識人に日本とロシアの間で平和条約締結の重要性を訴えているんです。
児玉さんは四島の返還を求めつつも日ロ関係を広げる中で領土問題解決の道筋を見つけたい。
見つけるためにもプーチン大統領の訪日を実現してほしいと訴えているんです。
本当にいろんな思いを元島民の方々は持っていらっしゃるんですね。
そうですね、70年たってまだ帰らないとだけれどもロシア人との交流もし続けているとその中でいろんな思いがあると思います。
そういうことで元島民の方々にプーチン大統領に訪日して、元島民と会うことができたら何を言いたいか聞いてみました。
やはり島を返してほしいということを訴えてきたということなんですね。
70年待っていらっしゃいますね。
日ロ交渉はまだまだ続くわけなんですね。
今後、来月も日ロ首脳会談があるでしょうし次官級協議も行われると思います。
元島民の島に帰りたいという気持ちを大切にして交渉してほしいと思います。
次回は、合瀬宏毅解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
2015/10/15(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「停滞する北方領土交渉と元島民の思い」[字]
NHK解説委員…石川一洋,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…石川一洋,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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