(拍手と歓声)世界の頂点に立つ内村が憧れ続ける選手がいる。
それは…。
体操マンガ「ガンバ!Flyhigh」の主人公。
藤巻駿の活躍を描いた「ガンバ!Flyhigh」は1994年から2000年に連載され現在でも選手の間で根強い人気を誇る伝説的な体操マンガだ。
夢を持たせてくれるマンガっていうかマンガと同じ技をやってみたいっていう。
今のこの体操のスタイルの原点。
「ガンバ!Flyhigh」の原作者はなんとロサンゼルスオリンピック鉄棒金メダリスト森末慎二。
体操への熱い気持ちをマンガに込めた!体操が好きでやっぱり皆さんに分かってもらいたい。
体操の中身をもっと分かってもらいたいっていう事で一番はマンガで体操をやるという事を思ったという事ですね。
マンガ家の苦悩もあった…。
「ええ!?」っていう。
読みながら藤巻選手がうまくいった時ちょっとウルッてなりそうになりましたね。
前人未到の世界選手権個人総合5連覇中世界一の体操選手となった内村。
そんな今でも…。
やべこれ止まんねえなあ。
金メダリストと「ガンバ!Flyhigh」。
マンガが後押しした体操ニッポン復活のドラマを追いました。
マンガ「ガンバ!Flyhigh」を熱心に読んでいるのは田中理恵。
美しく表現豊かな演技で人々を魅了した元体操選手。
(実況)「止めました!」。
(拍手)田中理恵です。
好きだった種目は段違い平行棒です。
嫌いだったのはゆか。
ほんとは…あんだけね楽しく踊ってるんですけどすごく苦手だったんですよね。
表現する事を恥ずかしがらない体操選手にならないといけないと思ったのでそこは努力しました。
共にロンドンオリンピックに出場した兄の和仁弟の佑典は今もトップ選手として活躍している。
もう1冊読み始めたら誰の声も聞こえないぐらい集中して見るのでよく怒られてるの見てましたね。
「ガンバ!Flyhigh」見てたらその藤巻駿選手内村君に見えます。
マンガ「ガンバ!Flyhigh」。
物語は主人公藤巻駿が中学生になり平成学園体操部に入部したところから始まる。
逆上がりもできない逆立ちも苦手な藤巻駿。
しかし先輩に教えてもらいながら徐々に体操の楽しさを知っていく。
ひょんな事から亡き息子が元日本代表というおばあちゃんと出会う。
おばあちゃんから基本をたたき込まれた藤巻駿は体操選手として才能の片りんを見せ始める。
そして体操金メダリストのロシア人アンドレアノフと巡り合う。
彼のモットーは「楽しい体操」。
藤巻駿は部の仲間と共に次第に実力をつけていく。
スランプや厳しい練習試合での落下。
気持ちを支えるのは戦うべきは自分自身という「楽しい体操」だ。
オリンピックの金メダルを目指し藤巻駿は日本のトップ選手へと成長していく。
この「ガンバ!Flyhigh」を愛読し金メダルを取った男…。
(実況)「捉えた!鮮やかな着地!」。
(拍手と歓声)それが内村航平だ。
2009年から前人未到の世界選手権個人総合5連覇中。
最も美しい演技者に贈られるエレガンス賞も3度受賞。
強さと美しさを兼ね備えた体操界最強のアスリートだ。
マンガ「ガンバ!Flyhigh」が始まった1994年当時5歳だった内村。
小学生になり親に頼んでコミックスを買ってもらった。
たちまち夢中になった。
「ガンバ!Flyhigh」が終了したのは2000年内村が11歳の時。
体操にのめり込む小学生時代の内村を支えたのがマンガ「ガンバ!Flyhigh」の藤巻駿だった。
(内村)人間離れした技を何個もできてそれをミスなくできるとこ。
特に憧れるのが難しい技に常に挑みどんなプレッシャーもはね返し成功させる藤巻駿のまっすぐな姿。
これは現実ではありえない技だろっていう技が何個も出てくるんですけどすごい…なんかこう夢を持たせてくれるマンガっていうかマンガと同じ技をやってみたいっていう。
藤巻駿と同じように新しい技に挑戦し続ける内村。
今年新たに挑んだ技…世界でも数人しか成功していない跳馬の大技だ。
今のこの体操のスタイルの原点。
今でも読みだすと止まんないですもんね。
連載終了から15年たった今でも「ガンバ!」は体操選手たちに根強い人気がある。
「ガンバ!」は小学校ぐらいの時に初めて見ました。
すごく伝わるようなマンガだなと僕は思いました。
すごい影響されたので。
マンガ結構あるんですけど…去年全日本学生選手権大会男女アベック優勝をした名門日体大体操競技部。
番組でアンケートを行ったところ回答した選手たち86人中実に7割54人の選手が「ガンバ!」を読んでいた。
でもほんとに男女…女の子も本読んでるっていうのはすごくうれしい事ですよね。
人生で初めて読んだマンガが「ガンバ!Flyhigh」っていう事でやっぱり運命だなって思いましたね。
「ええ!?初めて?なんと田中さん今回人生で初めてマンガを読んだそうです」。
体操を習い始めた子たちが読み始めると体操って楽しいんだなこんな夢があるんだなって思うと思いますね。
でも私も現役の時見とけばよかった。
ちょっと遅かったかな。
(実況)「鬼に金棒小野に鉄棒と申します」。
オリンピックで日本が最もメダルを獲得している競技それが体操。
ローマ東京メキシコミュンヘンモントリオールと体操男子団体は5連覇。
「体操ニッポン」として世界に名をとどろかせていた。
1984年のロサンゼルスオリンピックまでのメダルの数を比べるとその力は圧倒的。
金メダル27個メダル総数では80!しかしライバル国の台頭や次世代育成の遅れなどによってソウルバルセロナと金メダルが途絶えてしまう。
90年代…体操ニッポンは危機を迎えていた。
そんな中で連載が始まったのが体操マンガ「ガンバ!Flyhigh」!原作は森末慎二。
元体操選手。
1984年ロサンゼルスオリンピック。
(実況)「10点!10点!森末やりました金メダル!」。
体操の種目別鉄棒で前代未聞の3連続10点満点をたたき出した金メダリストだ。
マンガを描く事によって底辺が増えてそれで体操教室にみんなが行ってくれればいいかな。
そして子供たちが体操を経験して後々すばらしいオリンピック選手が生まれればいいかな。
たまたま柔道でやわらちゃんっていうのがあってそこで柔道がそんなにメジャーでもないのがあのマンガによってある程度皆さんの認知が広まったという事で体操マンガ。
当時女子柔道を題材にしたマンガ「YAWARA!」がヒット。
10代から活躍した田村亮子選手は「ヤワラちゃん」のニックネームで親しまれ女子柔道に注目が集まった。
森末は「YAWARA!」を生んだ出版社に体操のマンガをやりたいと企画を持ち込んだ。
面白い体操マンガが出来れば体操をやる子供が増えてそこから金メダリストを生み出す事ができるのではないか…。
しかし担当編集者は…。
体操自体がほんとにマンガとして面白いのかどうかがやってみないと分からない。
戦いがあるわけじゃないんで採点競技だって事もあってそれはマンガにどうしたら作れるんだろうっていうのは一番心配したところですね。
半年続いて単行本が出たら成功だと思って下さいと。
始めました。
編集部は森末にある条件を提示した。
それは企画発案者の森末自身が企画だけでなく原作者として「具体的な話を作る」という事。
「はい。
じゃあ原作を…」って。
「えっ原作?」って言って…。
「書いて下さい」。
書くっていうか適当にしゃべれば…。
こんな感じかなみたいな…かなと思ったら「じゃあどういうストーリーか全部書いてきて一回見せて下さい」って。
「は?」。
金メダリストが原作。
では作画はどうするか。
体操は野球や柔道と比べヒットした作品が少なく代表的なマンガ家がいなかった。
ある時編集者福本の頭に浮かんだのが少林寺拳法を題材にしたマンガ「オッス!少林寺」。
描いているのはこの作品がデビュー作新人マンガ家菊田洋之だ。
大学時代少林寺拳法をやっていた菊田。
その経験を生かし25歳で手がけたのが「オッス!少林寺」。
足蹴りのスピード感重心を意識した格闘技の技の切れ味…。
この菊田ならば体操の速くて複雑な動きを絵にする事ができるのではないか…。
最初の打ち合わせの時にもう「原作つきやらない?」って言われたんですよね。
「体操マンガだよ」とか言われて。
体操マンガって言われた時に僕がイメージしたのはなんか全身タイツの…ぴったし全身タイツの男たちが体操するっていう。
「え〜!そんなの描くの?」と思って。
「それギャグマンガですかね?」って。
仲本工事さんがマット運動やるみたいなああいうイメージしかなかったですよ。
ドリフって言ってましたよね。
でも…そうなんだろうなあ。
分かんないですよね。
一般の人が「体操競技」「体操」って言われた時にパッと浮かぶのは全身タイツ。
クルクル回る。
異色の原作者とマンガ家のタッグが誕生!「新たな金メダリストを生む!」という前代未聞の体操マンガプロジェクトがスタートした。
6種目ある男子体操。
(森末)体操マンガはどっちか言えば個人競技のような感覚なんで…最後に藤巻駿を…話だったんですけど。
…と考えた編集者福本。
逆上がりもできない子がオリンピック選手になるその過程が面白いのではと提案した。
最初苦労しました。
逆上がりができない感覚が分かんなかったんで書くのに大変でしたけどいろいろ話聞きながらできない人の。
フフフフフ。
頂点を極めた森末が体操の原点を改めて見つめ直す…。
目指したのは荒唐無稽になりすぎないストーリー。
スーパーマンになっちゃうとつまらないっていう事でまあでも…更に藤巻駿の周りに3人の個性的な先輩キャラクターを設定。
力技が得意の東。
柔軟性を生かした華のある演技が魅力の真田。
瞬発力があり跳馬が得意な内田。
仲間と力を合わせて戦う団体戦の中で主人公が成長する姿を描く。
このコンセプトが人気へとつながっていった。
一方動きが描けるとはいえ全くの体操素人だったマンガ家菊田。
体操の技のスピードはあまりに速いため1回転も2回転も区別がつかない。
分からない動きをどう描いたらいいか苦労していた。
写真でその静止画で切り取ると「気をつけ」って感じで…マンガ家のさがとしては大きなアクション入れたくなるじゃないですか。
オーバーな。
そうすると実際にはそれは減点になるっていうね。
体操競技においては。
大げさにねこんなんなったりしたらば減点になるっていう。
こう描かなきゃいけないっていう。
菊田のためマンガに出てくる技を原作者森末が目の前で演じてみせた。
これはその時の写真。
更に自らも大会に赴き細かい動きを撮影して選手の動きを徹底的に研究した。
ひねる時目はどこいってるのかとかそういうのを聞いてだんだん積み重なっていくわけです。
自分の中でその情報がね。
これは技を一つ一つ解説した体操競技の採点規則。
この説明用の絵にヒントを得て分解した動きをそのままマンガに取り入れた。
動いてる中の一瞬をリアルに捉え更に目線や髪の毛筋肉の細かい描写を重ねる…。
速すぎる動きをなんとかマンガで表現しようと工夫を続けた。
ひねる時にどういうこう…瞬間的なね。
だんだん後半は「森末さんあのトカチェフいった時の上腕二頭筋ってどういう動き?」「そんな事は分かんねえよ」って言ったり筋肉の動きにだんだん凝り始めましたけどね菊田君は。
森末も原作者として奮闘していた。
これが当時の原作。
森末はセリフや練習方法試合の流れを大学ノートに鉛筆で記していった。
マンガの絵は描けなくても体操経験者の持ち味を生かしたマンガ表現を模索していた。
トーントーントンでは上がんないけどトトーンって行ったら上にパーンと上がるというそのリズムを表現するのにすごく…。
それが浮かんだ瞬間「やった!」と思いましたけどね。
マンガで描かれたこの「トトーン」というリズムの擬音。
踏み切りから手を着く時のリズム…。
勢いを殺さずに高さと距離が出るそのスピード感が表現されている。
こちらが想像で描くよりは全然ひと言ひと言の重みが違うっていうか本人は意識してるかどうかは分かんないですけどやっぱり違うなっていうのは。
「ワーイあのお兄ちゃん空をとんでる。
ママボクもとびたいよ」なんていうのは…金メダリストを生みたいと森末が企画を持ち込み誕生した体操マンガ「ガンバ!Flyhigh」。
体操を知らない読者の人気も獲得し6年という長期連載となった。
全部書いたっていうのも知らなかったのですごいなと思いましたね。
体操すごいっていうのは知ってたんですけどオリンピックで金メダル取ってるっていうのも知ってたんですけど正直…CMの人だったんです。
小さい時。
内村航平のすごさは素早い技の瞬間も自分の位置を把握し続ける「空中感覚」だ。
この感覚を磨いたのもマンガ「ガンバ!Flyhigh」だという。
なんかこう技をやってる時に自分がどういうふうな世界が見えるかっていうのが見える選手なんですよ藤巻駿って。
主人公藤巻駿はある特別な能力を持っている。
他の選手の演技を見てその選手が見ている視界を想像する事ができるのだ。
それを僕も見習って技をやる時は絶対目を開けていろんな世界を見ながらやってったのがその現在の空中感覚につながってると思うんでそこはこのマンガがなかったらやってないとこかなって思いますね。
ハイスピードカメラで撮影した内村の演技。
確かにしっかりと目を開き周りの景色を見ているのが分かる。
この設定はマンガ家菊田に漏らした森末のひと言がきっかけだ。
話を聞いて「ええ!?うん…それはマンガに使おう」って。
「ああいいじゃないの!」っていうそれでいこうみたいな感じじゃないかな。
その「他の人の視界が見える」っていう。
実際にマンガで描かれたシーンを見てみよう。
鉄棒で後ろに2回宙返りしながら2回ひねるという下り技。
選手の視界には…。
離したバーが遠くなるのが見え体の回転に従い壁や床が見えている。
こちらはつり輪の2回宙返り2回ひねり下り。
実際のつり輪の演技を見てみると…。
天井を見て観客席また天井マットが見えて着地点!選手の視界を描くという試みはマンガとしては極めて斬新だった。
分解した写真を一つ一つ見て「これこっち向いてるよなこれこっち向いてるよな」。
僕なんか描く場合には。
言われましたやっぱり体操関係者から「マンガ家の方って体操やってたんですか?」っていうぐらい全部その絵になってるんで。
一流選手は皆激しい回転の中でも目を開けて周囲を見ているという。
そんな時何を感じているのだろう?一瞬なのにすごいゆっくりに感じるんですよ。
だからあんな一瞬…2〜3秒で終わるんですけど体感だと10秒ぐらいなんかこうその空中にいる間を楽しんでるみたいな感覚があります。
鉄棒の離れ技がすご〜くゆっくり見えたりとかバーがなんかこうず〜っと見えててゆっくりゆっくり落ちてくるみたいな感覚とか審判が見えたりとかいろいろありますね。
私は特に長〜く感じるのは落下した瞬間。
この…なんだろう落ちてるのって1秒ぐらいでバンって落ちるんですけどほんと5秒6秒感じている間に反省してるんですよ。
「あ〜やばい…」みたいな。
でもすぐ切り替えて上れるんで次に演技ができるので長くてよかったなって思いましたけどね。
体操競技のルーツとも言える興味深い絵がある。
紀元前2000年頃に栄えた文明の痕跡が残るクノッソス宮殿。
ここから出土した…「牛とび」とは疾走する牛の角をつかみ回転して背に乗り再び回転して下りるという勇気を試されるゲーム。
これが体操のルーツを描いた世界最古のものと言われている。
馬の上であるいは牛の上で何かをやるだとか人をハッとさせるような動きは大昔から多分あったんだろうと思います。
体操競技を中心にスポーツ技術の変化を研究。
体操発祥のドイツにも留学。
中学から体操競技を始め今なお大会に参加し続けているシニア体操選手でもある。
中世の騎士たちの乗馬訓練などを経て1800年代にドイツで確立した体操競技。
跳馬あん馬など「馬」という文字が使われるのもそのためだ。
(市場)後になくなっていって…体操競技の発展を支えているのが器具の進化。
踏み切り板は板のバネからコイルのバネに変わりより高く跳べるようになった。
更に跳馬自体の形も選手の安全性を考慮し2001年から幅の広いテーブル型へと変わった。
ゴムのクッションだった床は1990年代からスプリングが採用されより跳ねやすくなっている。
こうした器具の進化そしてなにより選手たちの飽くなき挑戦が技を発展させてきた。
オリンピックや世界選手権で発表し承認された新たな技にはその選手の名前が付けられる。
空中で体を伸ばす伸身しかなかった1960年代初頭の跳馬。
日本の山下が革新的な大技を生む。
(実況)「グーンとスピードを増します。
山下1回目。
さあヤマシタとび決まった!」。
回転に体を折り曲げる屈伸を組み込んだ「ヤマシタとび」。
当時としては驚きの技だった。
更に山下は1964年の東京オリンピックでぶっつけ本番の新技を繰り出す。
1回転に1回ひねりを加えた「新ヤマシタとび」は当時の最高難度であったC難度を超え「ウルトラC」という流行語を生んだ。
そして体操界に革命的な変化をもたらしたのが…。
(実況)「すばらしい超ウルトラC!」。
塚原光男が1972年に発表した2回宙返り1回ひねりの大技「ツカハラ」通称「月面宙返り」。
(市場)2回宙返りにひねりを入れるという事は塚原選手以前なかったものなのでその意味では…平行棒で森末慎二が編み出したのが…。
D難度の大技「モリスエ」。
グルグルッと後ろに2回転したあと両脇で平行棒を受ける。
鉄棒のように回転の勢いをつけにくい平行棒。
1回転が限界だった中で生まれたこの技は現在でもD難度に指定されている。
グシュンとこう上から落ちた瞬間まずこの脇の下をギュッてつねられるんですよ。
バーとあれでギュギュッてこう…。
ここがもうドロドロになってるのがある。
それが今の選手を見たらサポーターがあるんですよみんな。
新技「モリスエ」が生まれる前は誰もはめていないサポーター。
ところが現在の選手を見てみると平行棒では確かにサポーターをしている!現在日本人の名前が付く体操技は30。
2013年当時17歳だった白井健三。
後方伸身宙返り4回ひねりなどを成功させ3つの技に名前が付いている。
マンガ「ガンバ!Flyhigh」にも新技が登場する!例えば藤巻駿の最初の新技…「トカチェフ」とは鉄棒の手放し技の一つ。
開脚し鉄棒のバーを後ろに越える。
「トカチェフ前宙」はそこで1回転するという技。
関係者にもありえないと思われた技だが原作者森末には一つの計算があった。
4回宙返りに1回ひねり加えようとか離れ技でもっとすげえ…。
何回回ったってマンガなんだからいいじゃないですかっていう部分では「いやこれは違うよ」って。
「絶対に現実的にできる技を絶対やろうよ」という事でまあうそをつかない状態で僕たちは技を作ってたんですけど。
相当難しいが可能性がゼロではないと考えた新技の一つ「ローチェ1/2ひねり」。
「ローチェ」とは跳馬の技でかかえ込んで3回前に回るというもの。
マンガではこれに1/2のひねりを加えた。
ところがこの技をやってしまう選手が現れた!2000年のシドニーオリンピックで発表されたこの技には「ドラグレスク」という名前が付いた。
一度は引退したものの現在は現役復帰に向けてトレーニング中というドラグレスク。
「ガンバ!Flyhigh」の話を伝えてみたところなんと本人からメッセージが届いた。
「マンガにドラグレスクジャンプが描かれていた事は知らなかったよ。
考えた技を実際に実現する道のりはとてつもなくハードだ。
いやあ私の国にもマンガがあったらよかったね。
想像は自由!その想像が選手の目標にだってなるんだ」。
実は内村にはやってみたいマンガの新技がある。
藤巻駿が披露した新技…「ゲイロード」は「前方かかえ込み宙返り懸垂」という技。
前方に回転しながら宙返りをし再び鉄棒をつかむ技。
鉄棒の手放し技で現在主流になっているのは後方系後ろ回りの技。
これは後ろ回りをしながらバーを跳び越える「コバチ」という技。
つまり前に回ればゲイロード後ろに回ればコバチとなる。
後方系の技コバチにひねりを加えたのが…更に体を伸ばして行う「伸身コールマン」は2001年イタリアのカッシーナ選手が実現させた。
この技を前方系にしたのがマンガで藤巻駿の新技として描かれ内村が挑戦したい「伸身ゲイロード1回ひねり」!相当ちょっと現実離れしすぎてるんですけどいつかやってみたいなと思いますけどね。
バーをこうやって持つ…。
みんなこうやってこう…そう。
後方系はちゃんとバーをこう持てるんですけどこう持ちますから…こう回ってくるって事ですよね。
こっから行ったら。
キュルキュルキュル…。
こうやって持つというのがすごく難しいんですよね。
難しい。
自分も今想像できてない。
絶対名前が付く技なんでそれはちょっと目指したいなとは思ってますけどね。
自分の名前が付くってすごくいいなって思います。
私だったら「リエ」だったのかな?何にしよう?どんな技だろう?内村選手も名前付けたいってよく言ってるので「ウチムラ」っていう名前の技ができたらもう最強…最強にも程があるぐらいの選手になるんじゃないですか?体操ニッポン復活の願いを込めてスタートした「ガンバ!Flyhigh」。
連載開始から数えると既に20年が経過した。
マンガと共に育った若手選手たちに好きなセリフを聞いた。
体操ってやっぱ決まるだけじゃなくて決めるって事も大事だと思うんでそこにすごい共感しました。
自分も大学から始めたんでちょっと通ずるものがあるような気がして。
連載終了は2000年。
ちょうどシドニーオリンピック開催の年だった。
「楽しい体操」を胸についにオリンピック選手に成長した藤巻駿の最後の戦い。
個人戦ではなく6人の仲間と挑む体操男子団体決勝だ。
エース堀田が信頼に応えるこん身のゆかの演技を見せる。
藤巻駿の平成学園時代からの先輩内田。
努力に努力を重ね跳馬のスペシャリストになった。
新技ローチェ1/2ひねりが決まる!金メダルを目指し奮闘する日本チーム。
5種目を終え中国ロシアに続き日本は3位。
藤巻駿最後の鉄棒の演技に全てが懸かる。
新技伸身ゲイロード1回ひねりが成功!夢の大舞台…体操を心から楽しむ駿。
そしてラストの下り技は…。
前代未聞の4回転!奇跡の10点満点をたたき出し逆転の団体金メダル!あんぐらい人間離れした事して結果がついてくればほんとに最高なんですけどね。
なかなか最後に4回は回れないですね。
(実況)「栄光への架け橋だ!」。
「ガンバ!」連載終了から4年後の2004年アテネオリンピック体操男子団体で日本は28年ぶりの金メダル。
そして2012年内村航平がロサンゼルスオリンピック以来24年ぶりの体操男子個人総合金メダルに輝いた。
ほんとかと思いましたよ。
内村選手が金メダリストがね…。
いや例えば読んでてくれてたとしてもそれを別に言う必要はないわけじゃないですか。
それをね言ってくれたって事はもううれしいですね。
めったにない経験ですよ。
マンガ家冥利に尽きるっていうんですかね。
そんな菊田が内村の金メダルの演技をマンガにしてくれた!「ガンバ!」15年ぶりの新作だ。
ロンドンオリンピック個人総合鉄棒の演技…。
でもちょっとうれしかったですね。
ほんとに見えたかどうかは分かんないですけど。
マンガが金メダリストを生んだ。
「体操マンガ人気が出る事はないんじゃない?」と言われてるその体操マンガが34巻までの単行本が出来てそれが全て完結できたという部分ではすごくうれしいですね。
自分の憧れの選手がマンガの主人公を言ってくれたっていう部分を考えていくとまあ間違いではなかったのかな。
内村さんに是非原作してほしいですね。
多分また今違う世界が見えてるでしょうから。
マンガもね手がけてもらえると盛り上がると思いますけどね。
マンガでぼくらは強くなる!なんか自分の体操の原点っていうかすごく大事にしてるとこをこのマンガで教えてもらったのでやっぱりこれがないと長く競技は続けられないかなっていう。
好きなセリフでもあるし心掛けてる事でもありますね。
幼少期から「ガンバ!Flyhigh」を読んで育った世代が今体操ニッポンをけん引している!内村には彼らと共に成し遂げたい事がある。
それは…オリンピック団体での金メダル!うれしさも相当すごいもんだと思うんで。
北京も銀ロンドンも銀って味わったのは内村航平選手しかいないのでそろそろ団体でみんなで取らせてあげたい。
マンガのように最後はみんなで取る金メダル。
1人じゃなくて6人での金メダルっていうのが現実になってほしいなって今すごい改めて強く思いましたね。
リオの空にニッポンの翼が広がる…。
・内村ガンバ!2015/10/12(月) 14:00〜14:49
NHK総合1・神戸
ぼくらはマンガで強くなった「体操・内村航平 金メダルの秘密」【スポーツ・ラボ】[字]
体操マンガ「ガンバ!Fly high」が、金メダリスト・内村航平を生んだ!?▽今も体操選手に読み継がれる伝説の作品誕生の舞台裏▽体操ニッポン復活の影にマンガが!
詳細情報
番組内容
【スポーツ・ラボ】は「ぼくらはマンガで強くなった」▽マンガで空中感覚を磨いた内村選手の秘密▽10点満点金メダリスト!森末慎二がマンガ原作を手がけた理由とは?▽マンガ家・菊田洋之が明かす作画奮戦記▽主人公・藤巻駿はこうして生まれた▽演技中の選手の目から見える景色とは?▽ワザの急激な進化の歴史▽元体操選手・田中理恵の意外な得意種目?▽新技に自分の名前を付けたい!▽マンガの技を実現した男たち!
出演者
【出演】内村航平,田中理恵,森末慎二,マンガ家…菊田洋之,元編集者…福本和紀,中央大学教授…市場俊之,【語り】阪口大助,石川界人
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ
アニメ/特撮 – 国内アニメ
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