(佐久間)「人間に…」。
「人間に明日はありますか?」。
(お囃子)
(ナレーション)2015年秋。
人間国宝認定が決まった京舞の井上流五世井上八千代さんは京都・園の甲部歌舞練場で芸妓舞妓たちの指導にあたっていました。
(井上)でこうしたらいちばん…はいこうやって次回るときにハルちゃんこれを下げんのを忘れはんねん。
こっちを回りながら下げるねん。
みんなおんなじように聞きなさいや一人だけじゃなくて。
せやないと違うてくるよ。
それからちょっとかぶってる。
(井上)こっちの肩。
いいか?おいどを下ろしてやらんなこれなぁものすごいおいどを下ろさな舞えへん舞やねん。
でおいど下ろしてたらかわいらし見えるしほんまに頑張ってやって。
次の顔はただ後ろへやるだけやから粘ったらいかん。
京舞井上流。
200年以上受け継がれてきた女舞で強さと優美さを兼ね備え人形浄瑠璃や能の金剛流観世流の振りや型も取り入れています。
(井上)どっかで止まるということ。
止まった静止のときにちょっとこう…何に力が入ってるいうたらおなかに力を入れといてということ。
何を見ているかとかどこ見てるかっていうことがはっきりできる方がいいと。
井上八千代さんは2歳で舞の稽古を始め祖母の四世井上八千代を目標としてきました。
まあいうたら宇宙を自分の中に閉じ込めるっていうんですか?そういうやり方の舞ですね。
うちの祖母の舞がそやったと思いますから。
ええ舞台に一人いることの強さと優しさとかわいらしさっていうんですか?人がここにあるっていうことがこんなに見事に見せてもらえるもんなんやなぁと。
目標は大きいですけど口で言うほど易しいことと違ってもうお恥ずかしいかぎりですけれど。
2015年8月15日音舞台本番1か月前。
音舞台芸術監督で指揮者の西本智実さんが泉涌寺へ。
(渡)もともとこのお寺の名前は「仙人の遊ぶ寺」と書いて「仙遊寺」と呼んでたんですけどこういうふうにしたときにすごいきれいな泉が涌き出たというので泉の涌く寺で「泉涌寺」というその名前の由来になったとこなんです。
で800年間一度もかれることなく…。
(西本)うわっすごい。
(渡)いまだにまだ涌いてます。
うわっ…。
(渡)今日はほんとに…。
(西本)ほんとだ。
うわっ。
800年以上かれることなく涌き続ける清泉。
泉は森の命を育んできました。
同じ日の午後西本智実さんは京都・園にある井上八千代さんの稽古場を訪ねました。
どうもようこそ。
(西本)よろしくお願いいたします。
(井上)どうぞよろしく。
(西本)それと人間国宝ほんとにおめでとうございます。
(井上)お恥ずかしい。
そんな…恥ずかしい。
(西本)お家元が「ボレロ」がこちらから…。
井上八千代さんが「ボレロ」を舞う。
(井上)もう少し踏んでもいいかどうか。
つまり2本というのの最後は…最後はこう大きく上げるときはどんな振りかまだ考えてませんけどまあこういうことですよね上がって終わるならば。
それまでのところがね例えば普通ならば鈴を持っている形例えばこういうことしたらそのリズムに合わせて。
こういうようなこういう動きをする。
でこうまあ踏むなら踏むでもいいけど。
鈴を…。
(西本)ぜひ踏んでいただきたい。
本来ならこういうふうに踏むんですよ。
(西本)はいぜひ。
最後のところは…いちばん最後は2本にしてしまってどうかなぁと。
そういうようなイメージです。
「ボレロ」は15分近い長丁場。
1か月後。
京都奈良の名刹に立ち上がる芸術空間音舞台は「東洋と西洋が出合うとき」がテーマ。
1989年金閣寺から始まり今回の泉涌寺で28回目となります。
泉涌寺…御寺の森にようこそお越しくださいました。
今宵お送りする音舞台。
皆様方には森のささやきが森のおしゃべりが聞こえますか?「泉涌寺音舞台」。
森と生命の歌開幕です。
(拍手)
(拍手)
(西本)井上八千代さん一緒に…ご一緒にさせていただきますけれどもやはりこの西洋のものと日本のものと調和それを目指して作りました。
実際目にももちろん見えるわけですけどそれ以上に…気迫とか魂の持っていき方とかそういったものをすごく感じております。
(楽器を調律する音)
(スタッフ)間もなくご登壇願います。
お願いします。
(井上)舞台の上であまりあれこれ考えずにひたむきにできること。
そういうふうに持っていけるようにということ。
子供のようですけど思っております。
私の…目標といたしました師匠というのが本当にいつも申し上げるんですけど…。
併せ持つ芸風というふうに私の師匠はそういう人でしたものでまあそれを目指してと思っております。
(オーケストラの演奏「ボレロ」)ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンシャランドンシャランドンドンシャランドン
(観客)ブラボー!
(観客)ブラボー!
(観客)ブラボー!
(観客)ブラボー!
(拍手)東洋と西洋が出合うとき生まれるのは新しい光。
(拍手)東山三十六峰月輪山のふもと。
泉涌寺は真言宗泉涌寺派の大本山で御寺と呼ばれるとおり皇室の菩提所としてまた諸宗兼学の道場として森の中のいらか幽閑脱俗の仙境にあります。
(サラ)言葉ではなかなか表現できないこう…おっきなものやはりスピリチュアルなものを感じて日本でもすべてのものにスピリッツ…ソウルが…魂が宿ってるっていうふうに言われてると思うんですけれど特に泉涌寺ってシンギングトゥネイチャーっていうよりウィズネイチャー。
こう…自然に向かってっていうより自然とともにこう歌ってるような感じでそうですねまあ野外…泉涌寺はもともと音であふれてるのでほんとにふだん聞いてるはずの虫の音がちょっと違ったふうに聞こえたりあとこのライブ感。
急に風が入ってきて髪だったり衣装がこう動いたりそういう何が起きるか分からないっていうドキドキっていうところも含めてやはりそうですねまさに音の舞台…音舞台だと思います。
・PieJesu,・pieJesu,・pieJesu,・pieJesu・Quitollis・peccatamundi・Donaeisrequiem,・donaeisrequiem・PieJesu,・pieJesu,・pieJesu,・pieJesu・Quitollispeccatamundi・Donaeisrequiem,・donaeis・requiem・AgnusDei,・AgnusDei,・AgnusDei,・AgnusDei・Quitollispeccatamundi・Donaeisrequiem,・donaeis・requiem・Sempiternam・Sempiternam・Requiem
(拍手)
(拍手)
(石丸)もちろん屋根のない突き抜けた空に向かって…森に向かって歌うという意味ではより歌ってる歌詞とかですね曲の内容が発展していく…届いていくそんなふうに思いますし今までにないパワーを何か自分の中から引き出してくれるそんなシチュエーションだなと思いました。
(石丸)私はミュージカルというジャンルの舞台でよく歌っております。
そのミュージカル「ジキルとハイド」からの曲で「時が来た」という曲です。
これは皆さんよくご存じの「ジキル&ハイド」。
ジキル博士が敬愛している父親を救うために新しい試みをする。
そのために今からスタートを切るぞというそういう時が来た歌なんです。
この曲をどうぞお聴きください。
「時が来た」。
(オーケストラの演奏「時が来た」)・闇を抜け・今こそ・光目指し・歩き出そう・これまでの・毎日が・無駄ではない・迷いはない・今夜こそ・今こそ・運命が・動き出す時・積み上げた・全てが・報われる今・ひとつになる・時が来た・今こそ・二度とない果てしない時が・今こそ・見果てぬ夢・手に入れる時だ・この胸・この命が・生きる意味を見つけた・生きる意味を
(石丸)・今時が
(石丸)・今こそ・最後だぞ運命の試練・命をかけても・時が来た・待ちわびた時が・時が来た・逃すな・振り返ることは・もはやない・この日を忘れないぞ・この時に・すべてかけ・素晴らしい時へ
(拍手)女優・佐久間良子さんの登場です。
「森と生命の物語」。
「広大な宇宙の片隅で水の星として誕生した地球は数え切れないほどの時を重ねて豊かな自然と多くの生命をつくり出しました」。
「人間は森に守られ森に寄り添い森に抱かれて生命をつないでおりました」。
「あるとき森に異変が起こります。
木を切り倒し家を造り森を消し去り土地を耕し」…。
「人間は自然に生かされるのではなく自らの力で生きようと思ったのです。
大きくなりすぎた人間の欲望はもう手の施しようがないのですか?人間に…」。
「人間に明日はありますか?」。
「ただ一つの救いがあるとすれば人間が生き物として誕生したときの大自然の子供に戻ること」。
「森に守られ森に寄り添い森に抱かれていたことを思い出すのです」。
「さあ森に帰りましょう。
私たちの心のふるさとに。
すべてを受け入れる勇気とともに」。
(オーケストラの演奏「凱旋行進曲」)
(歌声)
(観客)ブラボー!
(拍手)
(観客)ブラボー!
(観客)ブラボー!
(観客)ブラボー!
(拍手)
(拍手)「泉涌寺音舞台」。
(拍手)森の中のいらか。
800年以上涌き続ける泉。
(拍手)人間の明日は森と泉とともに。
(拍手)
(オーケストラの演奏「ボレロ」)
(ナレーション)
この物語の主人公小雪は実は妖怪・雪女。
人間界で消息を絶った姉の行方を追って2015/10/12(月) 00:30〜01:24
MBS毎日放送
泉涌寺音舞台[字]【石丸幹二×サラ・オレイン▼ボレロを京舞で…圧巻15分ノーカット】
▼指揮・西本智実「ボレロ」×京舞井上流五世家元・井上八千代が舞う奇跡のコラボ▼3オクターブ癒しの波長と迫力の美声▼佐久間良子が朗読「森と生命(いのち)の物語」
詳細情報
出演者
石丸幹二
井上八千代
佐久間良子(語り)
サラ・オレイン
西本智実(芸術監督・指揮)
ほか
(50音順)
◎この番組は…
2015年9月12日(土)京都・東山にある、静かで深い森に囲まれた皇室の菩提寺と呼ばれる京都・御寺泉涌寺で開催された、『音舞台』。
『音舞台』とは、1989年から京都・奈良の名刹で開催してきた音楽イベントで今回で第28回を迎えた。
今年は美しい仏殿の前に設えられた特別な舞台で「東洋と西洋が出会うとき」をテーマに迫力のあるステージが繰り広げられる。
番組内容
3オクターブを越える音域に“f分の1ゆらぎ”という癒しの波長を持つ稀有な美声で聴く人を魅了するオーストラリア出身のサラ・オレインや、劇団四季で培った端正で迫力のある歌声を披露する石丸幹二らが登場。サラ・オレインと石丸幹二はミュージカル「オペラ座の怪人」より「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」のデュエットを披露します。
番組内容2
語りとして女優の佐久間良子が登場し“人間の素晴しさと愚かしさ、自然と生きる命の大切さ”をテーマとした泉涌寺音舞台オリジナルの「森と生命(いのち)の物語」を朗読。
その世界観をイルミナートバレエやイルミナート合唱団らが表現し、最後には西本智実が指揮するラヴェルの名曲「ボレロ」に合わせ、人間国宝認定予定の京舞井上流五世家元・井上八千代が舞うという奇跡のコラボレーションをノーカットでご堪能いただきます。
番組内容3
このほか、井上の京舞の稽古現場に西本が訪問するなど、「泉涌寺音舞台」の裏側や、各アーティストのインタビューなどを交えてお送りいたします。
おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。
ジャンル :
音楽 – ライブ・コンサート
音楽 – クラシック・オペラ
福祉 – 文字(字幕)
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