こんなせりふから始まるドラマを書いた人は曲がり角で迷う人だった
・こちらです
(中園ミホ)はいどっち?こっち
しれつな視聴率争いにさらされるテレビドラマの世界でヒットを飛ばし続けている
「私の心臓はパルピテーションの嵐です」
朝の連続ドラマ「花子とアン」
「好きです」
中園は多彩なキャラクターを生き生きと描き平均視聴率はここ10年間のトップを記録
フリーランスの女医が難手術に挑んでいく「ドクターX」ではこの決めぜりふが話題に
「私失敗しないので」
取材の初日まずはストレートなリクエスト
お願いしますまぁ限界がありますけどね限界まできれいに撮ってください
(スタッフ)限界まできれいに撮ります美貌に決まってんじゃないですかそんなの
飾らず本音で返すその態度が人を引き付ける
母校の学生たちにもこんなあけすけトーク
こういうとこ座ってたのねそしたら…すいません
この夏数年ぶりに執筆から解放された
中園にとっては充電期間
そんな時は人と会い酒を酌み交わす
こんにちは
親友の人気作家も負けず劣らず本音の人だ
楽しいですよ実は仕事の話よりそっちのが楽しいですね周り見ててさ…だって結婚なんかしてていい人なんて誰もいないじゃんみんなしたいよ
実は中園には息子がいる
結婚できない相手との恋の末未婚の母になる選択をした
人生は曲がり角の連続だ
(店員)はいお待たせしましたはいどうも〜
気が向いたら地元の商店街で明るいうちから1杯
人気の脚本家は料理は苦手だという
(スタッフ)買って帰るんですか?買って帰ります
筆一本で生きてきた女の人生はドラマより面白い
中園は誰より取材をする脚本家として知られている
リアリティーのあるドラマを書くには人と会って話を聞き出すのが一番だ
待っていたのは肝臓外科のスーパードクター…
私あんまりこういうの回さないんですけど高山先生の時だけ回すんですよあら前も回してたんですけど全然気付かなかったですそうですか?何でだか分かります?忘れちゃうんです
(高山さん)そうですかアハハ聞き漏らさないようにと思っていいですか?これ回して
(高山さん)どうぞどうぞ
取材にはお酒が必要不可欠
じゃあよろしくお願いします
後輩の医師も交えて本音や裏話を引き出す
私すごい話聞いたんですけど…
(高山さん)ロボット?
(高山さん)薬とねあぁ薬はそうかもしれない外科っぽいこともするって聞いたんですけどアメリカとかでは内科が全部仕切っていて外科の手術の必要な所だけ…
(高山さん)そんなことないですよそれは日本もアメリカも関係ないんですけどやっぱりまだ外科ですけど究極的にはねお薬で治すのが…あぁそう今はほとんどないでしょ薬で治るわけだから
この高山医師から聞いた話が中園ドラマの骨格になったこともあった
それが向田邦子賞を受賞した「はつ恋」
「掛けてください大事な話があります」「あなたの患者にはなりたくありません」
担当の医師はなんと初恋の人だった
高山医師から聞いた実際のエピソードをヒントに大人のラブストーリーを仕立て上げた
よくああいうネタをあそこまでこう…心を打つ感動物語に変えるかなと思ってやっぱり…「はつ恋」もそうだしいろんなやつ拝見してますけどすごいなと思って
お酒が入れば口も滑らかになる
中園の取材の肝は自分が本音で話すこと
いろいろ取材するんですけど…
(梶原さん)あぁそうですねうんやっぱり内科医とかしゃらくせぇわって感じう〜ん分かりますしゃべらないですね時間かかりますねあぁすいません
(高山さん)内科の先生取材…いやいや…
本音で話せば相手からも際どい話が飛び出す
もうまずいですか?怒られますね内科医の先生も多分同様に遊んでると思うんですけど内科の先生話を聞くと…蹴飛ばしてるね今下で内科の先生のほうがねちっこく口説くらしい…っていうのはよく聞きますねねちっこく口説くってどういうんでしょうねホント取材したいですあとはコメントが分からないですけどよく話を聞くと
今日彼らから聞いた話をどんなドラマに仕立てようか
収穫に満足したのか後ろ姿は颯爽としていた
充電期間は講演依頼にも積極的に応じる
はいふ〜ん
案内人の説明にはどこかうわの空
中園の興味は別なところにあったようだ
(職員)私ですか?割と…朝市…
(スタッフ)土地のこととか以上に人に興味があるんですねそうですねそれはそうかもしれないですね
(スタッフ)しかも恋愛から…
(司会)拍手でお迎えください
キャリア志向の女性たちが集まるセミナー
今中園は各地で引っ張りだこだ
もう何かちゃんとみんなの思ってることとか…その中で恐らく…大阪からですか
自分の経験談が奮闘している女性たちへのエールになればと願っている
はいよろしくお願いします
次にどんなドラマを書こうか
旧知のプロデューサーに相談を持ち掛けるという中園に同行した
(若泉さん)あぁどうもどうもよろしくお願いしますよろしくお願いしますお待ちしておりました現代モノでいうと仕事は今…できないですかねいや面白いと思いますよ
(スタッフ)中園さんの…
(スタッフ)どこがすごいんですかね何か最初にど〜んとテーマを明示しちゃうっていうそこが「何だろう?」っていうところがですね中園さんっていうと数々の名ぜりふがね「私失敗しないんです」とかいろいろありますけれども…そういうものを
(スタッフ)いわゆるうまい脚本家なのかなっていう大変失礼ながら思ったり…いえいえうまいです
(スタッフ)どうなんでしょうかいや本当にそのとおりですねちょっと岡田は友達なんでいろいろ批判もしたいんだけど井上さんはホントご尊敬申し上げていて構成力もあるし何て言うんでしょうねちゃんと整っていて力強いっていう…すばらしいと思いますでももうそれしか書けないから…何であんなに北川悦吏子さんみたいに数字取れないんだろうとかジタバタしたりしたけれどどこかでそれは「もういいんだ」「北川さんはああいうものを書ける」「私は私のものを書けばいいんだ」というふうにどこかで吹っ切ろうと思ってやってますけどもそうじゃないとまたやってられないですね
東京・中野に生まれた
写真家だった父親が少女時代をたくさん撮ってくれた
一体どんな子供だったのか
どうぞ
(スタッフ)すみませんこんにちははい引っ張り出してきました
自宅を訪ねると小学校時代の文集をどっさり見せてくれた
中には担任の先生が中園の詩だけで編んだ文集もあった
(スタッフ)これですか?「陽にやけるのやになっちゃった」「ガスのねつでこんがりやけたお魚を人間がたべて」
(スタッフ)「太陽のねつで」「こげた人間をだれがたべるのかな」「ふといすぎの木を二本ひっこぬいたはしとビルディングのおさらで海のおしょうゆをちょっとつけてアムッて一口だれがたべるのかな」「わたし陽にやけるのやになっちゃった」って何かちょっと…それは父が亡くなったんですよ
大好きだった父の死は10歳の少女には受け入れ難いものだった
母と姉と寄り添うように生きた
その母も19歳の時に亡くした
みたいなことは…
母の死が中園に書くきっかけを与える
大学の卒業制作で初めて書いた脚本
タイトルは…
母の葬儀をモチーフに描いた
ただこの時はプロになる気はなかった
卒業後は広告代理店に就職した
だが事務仕事が全くできず1年余りで退社
その後かねてから興味があり勉強していた占い師になった
その時期に人を見る目を養った
充電期間は続いていた
この日会うのは各界の文化人たち
一番乗りはユニークな歴史の語り部
本当のことを
(磯田さん)下ネタっていうか…そういう話はしますよね
第一線で活躍する文化人もほろ酔い気分になれば興味の矛先は色恋
ちなみにどういうタイプの男性とつきあってきましたか?それは毎回違いますホントに違います
(中尾さん)関連性はない?全くないですね背が高かったり低かったり太ってたり痩せてたりあの〜ホントにあらゆる方だって…いくつからとかそんなこと言っちゃダメですよ私ね本読みだすと止まらないんですよそれでもう開いた瞬間に何にもしなくなってご飯も食べずに最後まで読むまで本閉じられないんですよだから恋愛もそういうふうにしちゃうわけでだけど読み終わると二度と読まなくていいっていう…えっ!
(茂木)この人読み終わったから捨てるか古書店に出すか…
中園の本音に男性陣もつられていく
人生で嫌な人って会うでしょ?うんうん会いますね僕も会うんですよ時々すごく嫌な人性格悪いとかひとの悪口言ったりとか前どうしたらいいか分かんなかったんだけどそう!それやってる?やってますよやっぱり!ものすごく気になる嫌な奴に会うと前はホントにこう横向いて避けて通りたかったけど今はもう後ろ回り込んで
(茂木)著名人だとどの辺り?フフフ…
飲み過ぎた翌日はプールへ
(スタッフ)あら?フフフ…いつもそうですそういう時に…泳ぐと真っ白になるんですっきりしてますね
敬愛する橋田壽賀子を見習って8年前から始めた水泳
体だけではなく頭のリフレッシュにもなるそうだ
脚本家になろうと一念発起したのは当時恋をした男性が脚本家だったから
28歳でデビューするも単発ドラマの仕事を細々とこなすだけで生活はギリギリだった
転機は34歳
結婚できない相手との恋の末みごもった中園は未婚の母となる決心をした
産休取ってたんですけれども3か月ぐらいですね息子産んでからやっと連ドラ…じゃあつらいけど大変だけど書こうっていうふうに腹をくくったんですけどそれはもう明らかに…そんな仕事を選んでられないと思ってそこから人生にも仕事にも馬力が掛かったので「ごちそうさま」「は〜い」
初めて書いた連続ドラマ…
主役は未婚の母
シングルマザーの話ならエピソードに事欠かないと自分の境遇をドラマに重ねた
「ゴミOK」「戸締まりOK」「はい…OK!」
養育費を稼ぐために連ドラを書き続けた
主人公はいつも不器用でどこか欠落した女性たち
それは中園自身の姿でもあった
髪を振り乱して書く姿を息子だけが見ていた
その息子もようやく一緒にお酒を飲める年齢になった
こんばんは・こんばんは
この日息子とその友人たちを行きつけのスナックに誘った
未婚の母の話を親身に聞いてくれたママに成長した息子を初めて紹介する
周作さんは今慶應大学の3年生
ママが…って言ってくださってホントにそういう時そうですよね男前だし
(スタッフ)周作君はお母さんと2人で飲みに行ったりするの抵抗ない?ああそうちょっと…若いです申し訳ございません
ふだんは無口だという周作さんがとつとつと母のことを語った
(スタッフ)まぁダメなところもよく知ってるから一番知ってましたよねホントに申し訳ないと思っていますよ周作を産んでなかったら私は連ドラも書いていないし脚本家も多分辞めていたと思います
女手一つ筆一本で何とかここまでやってきた
息子が独り立ちする日はもうすぐだ
さあ充電期間が終わる
脚本家・中園ミホは新しいドラマの仕事に取りかかろうとしていた
執筆を始めるとデスクにはいつもおまじないのように用意するものがあった
これはあれです…ちょっと振り払わないといけないいつも臆病な人間なので失敗したらどうしようとか怖いですね書くのは
曲がり角を曲がる前はいつだって怖かった
でも曲がった先に一番よいものがあると信じて書き始める
では揚げます
「情熱大陸」の新イベント11月開催
一流シェフの料理講座脳科学で恋愛を分析など貴重な体験がいっぱい
次回は…
風船で宇宙を撮影する
2015/10/11(日) 23:00〜23:30
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【中園ミホ/高視聴率ドラマ生み出すヒットメーカー脚本家として飲み歩く】
脚本家/中園ミホ▽『ハケンの品格』『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』『花子とアン』を生んだのは本音が飛び交う飲み会=取材▽波乱万丈な人生…逆境をバネに
詳細情報
番組内容
中園の、痛快なストーリーと、人の本音を描くリアルな描写の脚本は、女性たちを中心に深い共感を得ている。これらのドラマ、実は関係者への徹底した取材から生まれている。しかも本音を引き出すために、必ずお酒を飲みながら行うのが決まりごと。“取材の中園”と称され、こうした飲み会に時間とお金(自腹!)をつぎ込むことで、個性的なキャラクターを生み出してきた。番組は、そんな中園のさまざまな飲み会と創作の秘密を追う。
プロフィール
中園ミホ
脚本家。1959年東京都生まれ。
日本大学卒業後、広告代理店に勤務。
その後占い師を経て、88年『ニュータウン仮分署』で脚本家デビュー。
『For You』『やまとなでしこ』『anego』『ハケンの品格』『ナサケの女〜国税局査察官〜』と個性的な女性を描いた作品で、次々とヒットを飛ばす。
プロフィール続き
近年では、『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』の大ヒットや、2014年上半期、NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』が過去10年間の最高視聴率を達成するなど、日本を代表する売れっ子脚本家として益々注目を集めている。
2013年に向田邦子賞、橋田賞をダブル受賞。
昨年末、輝かしい活躍を見せた働く女性に贈る「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2014」特別賞受賞。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作著作】ネツゲン
関連公式URL
【ツイッター】@jounetsu
番組の感想に#jounetsuをつけてください!
http://twitter.com/jounetsu
【フェイスブック】
番組公式ページへの「いいね!」もぜひ!
http://www.facebook.com/jounetsutairiku
おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32722(0x7FD2)
TransportStreamID:32722(0x7FD2)
ServiceID:2064(0x0810)
EventID:9039(0x234F)