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「再婚禁止期間の規定は違憲」国を提訴
10月15日 16時56分

離婚した女性に6か月の間再婚を禁止する民法の規定は、不当に結婚を制約するもので法の下の平等などを定めた憲法に違反するとして、静岡県の男女と息子が国に賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、静岡県に住む20代の男女と生後5か月の息子です。
民法には子どもの父親を定めるため、離婚した女性に6か月の間、再婚を禁止する規定があり、2人は女性が前の夫と離婚してから2か月後のことし7月に婚姻届を出したため受理されませんでした。また、2人の息子は予定より早く離婚の成立前に生まれ、民法の規定によって前の夫の子どもと推定されるため、出生届を出すことができず、無戸籍の状態だということです。
訴えを起こした3人はこうした民法の規定は不当に結婚を制約し、子どもの幸せを妨げるもので、法の下の平等などを定めた憲法に違反するとして国に賠償を求めています。
原告の男性は記者会見で「一緒に暮らしていて子どももいるのに、なぜ結婚ができないのか分からない。一日も早く円満に暮らしたいので法律が変わってほしい」と話しています。
女性に6か月の間再婚を禁止する規定については、別の裁判も起こされていて、最高裁判所は、15人の裁判官による大法廷を開き、規定が憲法に違反するかどうか早ければ年内にも判断を示す見通しです。

再婚禁止期間の規定 海外は廃止広がる

離婚した女性に一定の期間再婚を禁止する法律の規定は、海外では廃止する動きが広がっています。
婚姻の制度に詳しい専門家などによりますと、北欧のデンマークやフィンランド、ノルウェー、スウェーデンでは、離婚した女性に10か月の間再婚を禁止する法律の規定がありましたが、1968年から69年にかけて相次いで廃止されました。そして1980年代に入るとスペインやギリシャ、ベルギーなどでも廃止され、その後、1998年にはドイツで、2004年にはフランスで、同様の制限が廃止されました。さらに、日本と同じように6か月の間再婚を禁じていた韓国でも2005年に廃止されました。
一方、イギリスやオーストラリア、カナダ、アメリカなどは、離婚の前に一定の別居期間が必要と定めていることから、再婚を禁止する規定はないということです。日本では平成8年に国の法制審議会が、子どもの父親を定めるには離婚後100日で足りるとして、再婚禁止期間の短縮を答申しています。しかし民法の改正は行われず、政府は国連の自由権規約委員会などから「女性差別にあたる」として規定を廃止するよう勧告を受けています。

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