「大変だったでしょう」「体に気を付けてね」。８日、広野町のふたば未来学園高を訪問された皇太子さまと雅子さまの温かい励ましのお言葉に、生徒たちは東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興の担い手となる決意を新たにした。震災で大きな被害を受けた、いわき市の「とまとランドいわき」の関係者も「風評に負けない」と誓った。

　ふたば未来学園高では、双葉郡の復興をテーマに授業が行われた。皇太子ご夫妻は、学習の成果を説明する日下雄太君（１６）の話に熱心に耳を傾けられた。日下君は「緊張したが、僕の話をしっかりと聞いていただいた。自分たちのやるべきことに自信を持てた」と感激した様子だった。
　３人の生徒がご夫妻と懇談した。生徒会長の鯨岡洋星（ひろせ）君（１５）は小さいころから医師になるのが夢だったが、震災後は建築士になる夢も抱き始めたことを話すと、お二人から励まされ、古里への思いを強くしたという。鯨岡君は「まだ絞りきれないが、福島の復興に貢献できる大人になりたい」と話した。
　避難生活について語った松本みうさん（１６）に雅子さまは「もう落ち着かれましたか」と優しく声を掛けられた。松本さんは「温かいお人柄を感じた」と印象を語った。
　ＯＥＣＤ地方創生イノベーションスクールに参加している山田拓甫（たくと）君（１６）は２年後の開催を目指している国際シンポジウムに触れ、「ぜひ、両殿下においでいただきたい」と呼び掛けた。雅子さまは「素晴らしい発表ができるといいですね」と声を掛けられたという。
　ふくしま復興大使を務めている井出大雅君（１５）は全校生徒や教職員とともにご夫妻を見送り、「被災した自分たちの思いを受け止めてくれたことに感激した」と話していた。

（ 2015/10/09 08:48 カテゴリー：主要 ）