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【芸能・社会】

仲間流「放浪記」は側転!! スマホ撮影し演出家に提案

2015年10月15日 紙面から

初日のカーテンコールであいさつする仲間由紀恵(稲岡悟撮影)

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 女優仲間由紀恵(35)主演の舞台「放浪記」が14日、東京・有楽町のシアタークリエで初日を迎え、森光子さんが生涯をかけて演じた名作が6年ぶりに復活した。代名詞ともなった“でんぐり返し”のシーンでは、仲間の提案による“側転”を披露。仲間版の新「放浪記」誕生を鮮烈にアピールした。

 午後2時。森さんの単独主演で2017回という前人未到の記録を打ち立てた現代演劇の金字塔が、ついに新たな歴史の一歩を踏み出した。

 仲間演じる林芙美子が小説「放浪記」の広告掲載を知って歓喜する名場面。森さんが晩年まで挑んだ“でんぐり返し”に代わり、仲間が着物姿のまま鮮やかな“側転”を決めると、約600人で満席の劇場は「ウオォーッ!」という地鳴りのような歓声と拍手に包まれた。

 仲間は側転する姿をスマートフォンで撮影し、演出家の北村文典さんに「こういうこともできます」と提案。いくつかの案が検討される中で側転に決定したのは、開幕直前の10日だった。仲間は「大きな喜びをどんなふうに表現していくか考えた時に、動きが大きく気持ちが伝わるようにみえた」と明かした。

 3時間30分の初演を無事に終え、鳴りやまぬ拍手の中でカーテンコールに立った仲間は「この作品はとても高い山で頂上ははるかかなたにあるよう。半世紀かけて大切に育ててきた大先輩の森光子さん、新生放浪記の誕生を見守ってくださった皆さまに感謝を申し上げます」と満面の笑みを浮かべながらあいさつ。「あと104公演、全力で務めてまいります。まだまだ進化し続けてまいります」と力強く宣言した。

 東京公演は森さんの命日にあたる11月10日まで。大阪公演は新歌舞伎座で11月21日から12月9日まで。名古屋公演は中日劇場で12月18日から25日まで。福岡公演は博多座で来年1月7日から31日まで。

◆仲間は「命がけ」 泉ピン子ら絶賛

 この日、仲間の熱演を観劇した森さんの関係者は「若さがみなぎるいい作品。(森さんが)『永遠に続く』と上から言っていると思う」と最大の賛辞を贈った。

 前日の通し稽古には、かつて「放浪記」に出演した俳優の山本学(78)や、森さんや仲間とも親交のある泉ピン子(68)らの姿も。泉も関係者に「あの子、命がけでやってるね」と演技を絶賛したという。全105公演という長丁場に仲間は「疲れも出ることがあると思う」と話したが、通し稽古も初日も客席で見守った所属事務所の尾木徹社長は「今まで体調を崩したのは『ごくせん』で1回、鼻声で出演した時ぐらい」と仲間の健康ぶりを明かした。

 

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