October 05, 2015
■今日のお題・・・・・・・・・・『ナイトクローラー』(2014年 米)
(監督&脚本:ダン・ギルロイ 出演:ジェイク・ジレンホール レネ・ルッソ リズ・アーメッド ビル・パクストン マイケル・ハイアット他)
現代の米カリフォルニア。孤独な男、ルイス・ブルーム(ジェイク・ジレンホール)は、ある日、ロサンゼルスのハイウェイを走行中、偶然事故現場に居合わせた。その模様をビデオカメラ片手にジョー・ロダー(ビル・パクストン)と彼のクルーは夢中で事故映像を納め、またその映像がTV局に高値で売れるとジョーから聞き、ルイスは衝撃を憶える。自分もニュース映像専門のパパラッチ、通称“ナイトクローラー”としてデビューを飾るべく、ルイスはあの手この手を使って機材を手に入れ、路上を彷徨い始めた。日夜、警察無線を傍受しつつ、事件、事故現場を撮影し続けるルイスは遂にスクープを手にし、TV局のニーナ・ロミナ(レネ・ルッソ)から厚遇されるが・・・
こちらの作品は“ボーン”シリーズ3部作の続編にしてスピンオフ、ジェレミー・レナー主演であった『ボーン・レガシー』(2012年)の脚本家、ダン・ギルロイが監督として演出と脚本を務められ、映画化されている。ニュース映像専門のパパラッチ、通称“ナイトクローラー”として活躍を始めたロサンゼルスに暮らす孤独な男、“ルー”ことルイス・ブルームにはジェイク・ジレンホール、そんなルーから事故&事件映像を入手し、視聴率を稼ごうと企てるTVプロデューサー、ニーナ・ロミナにレネ・ルッソ、そしてルーとコンビを組むリック にはリズ・アーメッドが扮し、他にもビル・パクストン、アン・キューザック 、マイケル・ハイアット等が出演されたサスペンス・スリラー。
で、画像を拾えずに銃器&車ネタ・・・中盤、殺人現場の凶器としてポンプ・アクション式ショットガンが登場する。これはレミントンかモスバーグのショート・モデルにタクティカル・ブリーチャー付きなんだが(imfdbにはモスバーグのM590と書かれている)、物語が異様なせいか、何とも云い難いオーラを醸し出していた。他にはS&W社製らしい大型ステンレス・オート、そしてベレッタかグロックの多弾数オートが登場しておりました。んで、車ネタとして“ナイトクローラー”のデビューした当初がトヨタのターセル(5ドア)、これが貧乏臭くって素晴らしいチョイスだったよねぇ(ワハハハハ)。そして事故映像がTV局に売れるようになり、購入したのがダッジ・チャレンジャーのSRTなんだけど(上画像)、スピード感のあるカー・アクションが素晴らしく、何時ぞやは諦めたこの車、再び欲しくなって参ってしまう。
少し前にWOWOWの映画紹介番組で流され、面白そうだぁ、と思って楽しみにしていました。なので初日に久しぶりの札劇に行き、座席指定だった事にビックリしてしまった(笑)。で、自分はギュッと手堅くまとまったサスペンス・スリラーが好きなので本当に面白かったし、敬愛するハードボイルド作家、大藪春彦的な“準備”シーンが非常に楽しかったよ(笑)。にしても一作毎にスタイルが違うカメレオン俳優、ジェイク・ジレンホールの怪演がマジ物凄いわ、何方か仰られていた『タクシードライバー』(1976年)でのロバート・デ・ニーロを想起させる壊れっぷり、善悪を完全に超越して自己啓発し続ける主人公には唖然呆然っス。うーん、日本でも最近、撮り鉄さんが良い写真を撮る為、逮捕されてしまう事件がありましたが、本作も撮る側に些かの良心などなく、スクープGet!!したいが為に外道に落ちて行く傲岸不遜な主人公、約120分間、可笑しいと云う事に疑いすら持たないんだから圧倒されてしまうよね・・・最近の作品でこれだけクズな主人公は記憶になく(ワハハハハ)、誰もが目を見開いてしまう事、請け合いかと。にしてもピカレスク・ロマンと云うドラマを越え、常軌を逸した視聴率至上主義とそれに群がるゲスいハンター達、結果、その数字と拝金主義は率直に云って胸糞悪いのだけど(笑)、空疎なエリート達を煙に巻いて行く主人公に快感を憶えない事もなく、そんな彼等によるタブーの連続がアメリカン・ドリームに繋がって行くのだから奇々怪々だわな・・・それら全てが連なり、“ダークツーリズム”を体感させた最狂修羅場速報。心からお薦め。