2015.10.14 16:30
10月8日、CEATEC・NEXTイノベーションエリアにて行われたパネルディスカッション「スタートアップの成長・イノベーション創出のために大企業ができること」。大企業とスタートアップによるオープンイノベーションは男性と女性の恋愛、ひいては結婚に似ているというランサーズ代表の秋好氏。両者のコミットメントが引き合わさって、イノベーションは初めて達成される。大手とベンチャー双方の立場のプレイヤーが語り合ったオープンイノベーションの本質とは?
世界的に見ても、UberやAirbnbといった新興企業がグローバルスケールで破壊的イノベーションを起こし、既存産業は根本的な事業の見直しや新規事業の創出を迫られている。
そのための方法論として、"オープンイノベーション"が大企業・スタートアップ双方から注目を浴びている。自社のリソースやアセットを閉じることなく、オープンにし、他者のそれと掛け合わせることで新たなサービス開発へと生み出すイノベーション手法である。
今回のパネルディスカッションではクラウドファンディングプラットフォーム・Makuakeを提供し、大企業・スタートアップ双方のプロダクト実現の支援をしているサイバーエージェント・クラウドファンディングCEOの中山亮太郎氏がモデレーターとして登壇。さらに大企業/ベンチャー双方からオープンイノベーション推進に従事するプレイヤー、進藤洋一郎氏(アサヒグループホールディングス)、伊地知天氏(Creww株式会社CEO)、秋好陽介氏(ランサーズ株式会社 代表取締役社長)、そして佐渡島隆平氏(セーフィー株式会社代表取締役社長)が実体験を踏まえて語り合った。
(SENSORSでは以前に佐渡島氏にインタビューを実施している:IoT時代の映像プラットフォーム「Safie」はライフスタイルをどう変えるか)
【登壇者 左より】進藤洋一郎氏(アサヒグループホールディングス)、伊地知天氏(Creww株式会社 Founder & CEO)、秋好陽介(ランサーズ株式会社代表取締役社長)、佐渡島隆平(セーフィー株式会社代表取締役社長)、中山亮太郎(サイバーエージェント・クラウドファンディング 代表取締役社長 CEO)
ここ1, 2年の動向としてソニーや日産が支援するベンチャー投資ファンド「WiL(ウィル)」、UNIVERSALが家電メーカーamadanaと組んで開発したスピーカー、最近話題になったIoTプロダクト「まごチャンネル」などハードウェアプロダクトに関する話題が多い。
シリコンバレーと比較したとき、よく引き合いに出される日本のベンチャー投資の規模の小ささ。たしかに米国と比べればまだまだ国内ベンチャーキャピタルは未成熟かもしれない。
ただし、今のIoTが活況な市場において必要なのは必ずしもVCからの支援という形に限られないはずである。中山氏が言うように、日本には世界的なハードウェアメーカーが多数存在している。そんな彼らもゲームチェンジの岐路に立たされている最中、イノベーションのジレンマから脱却するための有効な手段の一つに"オープンイノベーション"があることは間違いない。"結婚"のあり方がグローバル/ナショナルで様々あるように、日本におけるオープンイノベーションのあり方もより活発に議論と実行がなされることを望みたい。