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 次期米大統領選の民主党候補者指名争いに向け、同党のテレビ討論会が13日あった。首位を走るヒラリー・クリントン前国務長官(67)と左派のバーニー・サンダース上院議員(74)がライバル心むき出しで論戦を展開。ただ、依然出馬を検討中のジョー・バイデン副大統領(72)の動向が今後の情勢を左右しそうだ。

 「私の立場は一貫している。国務長官時代に環太平洋経済連携協定(TPP)が理想的な基準だと言ったのは確かだが、最終の交渉結果を見ると、米国民の雇用を増やし、賃金引き上げによいと私が考える基準を満たしてはいない」

 討論会冒頭、司会者から最近になってTPP反対を打ち出すなど対応が二転三転していると指摘されたクリントン氏はこう強調し、自身の発言を正当化。「学習をすれば、誰でも立場を変える」とも付け加えた。

 これに対し、リベラル派や若者の間で急速に支持を伸ばし、「民主社会主義者」を自任するサンダース氏は、TPPを「破滅的な貿易協定」と切り捨て、クリントン氏がシリア上空に飛行禁止区域の設置を提案したことにも「非常に危険な事態で、深刻な問題を引き起こす」として米軍の関与が泥沼化しかねないと指摘。クリントン氏との立場の違いを強調してみせた。

 一方のクリントン氏も、銃規制を強化するブレイディ法にサンダース氏が何度も反対票を投じたと反撃。上位を争う2人が互いを意識し、激しい政策論争を繰り広げた。

 この日の討論会には2人を含む5人の出馬表明者が登場したが、出馬の可能性が取り沙汰されるバイデン副大統領の姿はなかった。