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ノムさん、投手イチローにボヤキ炸裂「メジャーじゃなくてメチャメチャだ」

サンケイスポーツ 10月14日(水)15時0分配信

 【球界ここだけの話】

 米大リーグ、マーリンズのイチローが今季最終戦となった5日のフィリーズ戦で、投手としてメジャーのマウンドに上がった。ということで、ピッチャー・イチローといえばこの人。ノムさんこと野村克也さん(80)に感想を聞いてきた。

 「見たよ。イチローがやらせてくれと言ったのか? あんなのふざけてるな。天下のメジャーリーグが。何がメジャーだ。あれじゃメジャーじゃなくて、メチャメチャだ」とボヤキ炸裂。「甘やかすからああいうふうになるんだ。すべて仰木(オリックス元監督)が悪い」とバッサリと斬って落とした。

 1996年のオールスター第1戦が行われた福岡ドーム(現ヤフオクドーム)の三塁側ベンチ。ノムさんは私に「おい、おまえにネタやるわ」と言って、イチローのピッチャーは許さないと話し始めた。

 この話は仰木監督の耳にも入っていたと思うが、翌日の第2戦(東京ドーム)で強行。

 「あれには腹が立った。仰木はオールスターなんか出たことがないから(実際は1回出場)、オールスターの意味をわかっていないんだろう。俺がプロに入ったときは、オールスターなんか夢の夢だった。そういう舞台で、遊びじゃないんだ」とノムさんは19年経った今でも怒りは収まらない様子だ。

 この件については、賛否両論あるだろう。もしも全セの指揮官が巨人の長嶋茂雄監督だったら、そのまま松井秀喜を打たせていたと思う。しかもイチローが登板したのは九回表の二死。「6番・右翼」で出場していた松井が途中交代していたら、あんな状況にもならなかったのだから、今となっては運命のいたずらとしか言いようがない。

 そのノムさんは13日に新刊「野村の真髄 『本当の才能』の引き出し方」(青春出版社刊、税別830円)を発売。東京・有楽町の三省堂書店で出版記念サイン会を開催した。

 サイン会は1年ぶりとあって、100枚用意された整理券はあっという間に配布終了。終了後には地下駐車場にまでファンが押し寄せ、約20分も異例の延長戦に突入した。

 「野球と同じで字にも調子がある。今日は調子が悪い」と納得のいくサインを書けなかったようだが、1枚1枚丁寧に筆ペンで書いた力作をもらったファンが大喜びだったのは言うまでもない。

 CSファイナル、日本シリーズとシーズンも大詰めに入ってきたが、これからもノムラ節でファンを楽しませてもらたい。(塚沢健太郎)

最終更新:10月14日(水)15時0分

サンケイスポーツ

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