”表層”の一枚下を覗き込む〜毎日王冠展望

毎日王冠(G2・東京芝1800)

09:35.8-35.9-33.6=1'45"3
 4カンパニー6-5-5、6ウオッカ1-1-1、3ハイアーゲーム9-8-8 
10:35.5-35.4-35.5=1'46"4稍
 4アリゼオ6-6-6、3エイシンアポロン3-4-3、1ネヴァブション9-8-8 
11:36.1-37.0-33.6=1'46"7
 8ダークシャドウ9-9-9、7リアルインパクト3-3-3、10ミッキードリーム6-7-7
12:34.5-35.1-35.4=1'45"0
 4カレンブラックヒル2-3-3、7ジャスタウェイ10-8-9、8タッチーミーノット5-8-9
13:35.5-37.9-33.3=1'46"7
 6エイシンフラッシュ4-4-4、10ジャスタウェイ5-5-5、7クラレント1-1-1
14:35.4-35.5-34.3=1'45"2
 2エアソミュール6-9-8、6サンレイレーザー1-1-1、8スピルバーグ11-11-10

秋東京開幕週の風物詩、伝統の重賞・毎日王冠
「秋の絶好馬場で逃げ・先行馬有利」「中山→東京の開催替わりで差し・追い込み馬台頭」「大回りコースの開幕週で内枠有利」「秋初戦で休養明け多く枠順より状態重視」「G1前哨戦で一線級参戦するので格重視」などなど…考えるべき要素はそれぞれ矛盾するものまで含めて数多く、逆に言えばレース後の後付けならもっともらしい分析が幾らでもできる、とも言えそうです。

上記をざっと眺めて思いつく"数値"としては「連対馬の75%が4角6番手以内なので先行馬有利」「勝ち馬の83%が1〜6番枠なので圧倒的に内枠有利」「馬券圏内の100%が1〜10番枠なので外枠は圧倒的不利」といったところですが…しかし、仔細に見るとそれではちょっと分析が浅いことが分かります。

まず重要な要素は頭数。上記6回は11・10・11・16・11・15頭立てなので、実は馬券圏内の44%は「真ん中より外」で、少なくとも「外の枠だと馬券圏内に届かない」という訳ではありません。しかも1〜4番枠のシェアは頭数32%に対して馬券圏内39%ですから、何が何でも内枠有利でもなく、更に恣意的に1〜3番枠で切れば頭数シェア24%に対して馬券圏内シェアは22%となるので、なんと「1〜3番枠はやや不利」というデータすら作れるのです。
脚質的にも、実は真ん中より下の単勝人気の馬が馬券圏内に飛び込んだ回数でカウントすると、ハイアーゲーム・アリゼオ・エイシンアポロン・ネヴァブション・ジャスタウェイ(2回)・タッチミーノット・エアソミュール・サンレイレーザーの計のべ9回のうち、5回が「3・4角の通過順がいずれも真ん中より後ろ」。つまり先行有利ならば人気薄の差し馬はバッサリ行きたくなるところ、実際は人気薄の差し馬こそが配当的には馬券の主役とさえ言える状況なのです。
展開やラップを無視して単純なデータを見るだけでも、このように"表層"の一枚下を考えればレースのイメージはガラッと変わってきますよね。

ここにラップへの考察を加えれば、「11頭立て以下+良馬場」だった09・11・13年はレース上がりが全て33秒台なので、特別登録13頭で恐らく良馬場が見込める今回(注:日曜には一時雨予報もあるので現時点では不確かです)はスローの上がり勝負の公算が高くなりそう。その3回の連対馬はカンパニー・ウオッカ・リアルインパクトとキャリアの中でマイルG1を制する馬が半数を占めているので「スローならばマイラー有利」とも言えそうですが…しかしメンバーを見渡せばエイシンヒカリ・グランデッツァ・クラレントと強力な逃げ・先行馬が揃うので敢えて緩まないペースに張ることも可能なのが悩ましいところ。

結局枠順確定後に並びを想定して、ある程度割り切って合理的な流れを決め打つ必要はありそうです。なお枠順に関してはあくまでも展開想定の材料で、結果に関しては極端に「開幕週=内枠絶対有利」にとらわれすぎず、資質面を重視して臨みたいと思います。

【PR】: 「半笑いの予想」

スプリンターズS(G1・中山芝1200)回顧

10:33.3-34.1=1'07"4
 1着(7)ウルトラファンタジー2-1(33.3-34.1=1'07 "4)
 2位入線(2)ダッシャーゴーゴー10-6(33.9-33.5=1'07 "4)55
 2着(14)キンシャサノキセキ9-6(33.7-33.9=1'07 "6)57 
 3着(3)サンカルロ15-12(34.1-33.6=1'07 "7)57
11:33.0-34.4=1'07"4
 1着(10)カレンチャン6-6(33.6-33.8=1'07 "4)55
 2着(3)パドトロワ2-1(33.1-34.6=1'07 "7)57
 3着(14)エーシンヴァーゴウ4-3(33.4-34.3=1'07"7)55
12:32.7-34.0=1'06"7
 1着(16)ロードカナロア8-9(33.3-33.4=1'06 "7)57
 2着(14)カレンチャン5-5(33.1-33.7=1'06 "8)55
 3着(3)ドリームバレンチノ8-9(33.4-33.5=1'06"8)57
13:32.9-34.3=1'07"2
 1着(10)ロードカナロア7-5(33.4-33.8=1'07 "2)57
 2着(7)ハクサンムーン1-1(32.9-34.4=1'07 "3)57
 3着(5)マヤノリュウジン5-5(33.3-34.0=1'07 "3)57
※14年は新潟施行につき割愛 
15:34.1-34.0=1’08”1
 1着×(2)ストレイトガール8-9(35.0-33.1=1’08”1)55
 2着…(4)サクラゴスペル5-6(34.8-33.4=1’08”2)57
 3着×(6)ウキヨノカゼ13-12(34.5-32.8-1’08”3)57
 4着△(13)ミッキーアイル2-3(34.5-33.8=1’08”3)57
 5着▲(12)ウリウリ11-9(35.2-33.1=1’08”3)55
とうとう、スプリンターズSで「テンより速いレースラップ」が出現。同レースがG1になってから24回目、過去23回の平均は「テンより上がりが2.0秒掛かる」前傾ラップで、これまでもっとも”緩流”だった2008年・10年でも「0.8秒」掛かっておりそれ以外の21回は「1.3秒」以上の”前傾”ラップだったのですから、「マイナス0.1秒」という今年のレースがいかに異例だったかよく分かります。
絶対的な数値でも、過去23回でテンが34秒掛かったことは皆無で不良馬場の2回(04・07年)でも「33.1」。今回は騎手の感覚からもかなりのスローだったのではと思われますが…戸崎騎手は勝利騎手インタビューで「(ハナ争いが)なんとなく速くなるイメージはありましたんで、その後についていこうかなという感じでした」と実際ハイペースだったようにも受け取れるコメントを語っていたので、このあたりの感覚には個人差があるのかもしれません。
テンでアクティブミノルがハナを切りかけたところで、内からハクサンムーンが押して行って先頭を奪い、それならばとアクティブミノルは抑えてがっちり溜める方向へシフト(※なかにはアクティブミノルが圧を掛けてペースを上げなかったことを嘆くような論評も見られましたが、唯一の古馬重賞勝ちであるセントウルSはテン34.0のスロー逃げ切りだったのですから、なるべく脚を残す戦略はこの馬自身にとっては考え得るベストのはずで、藤岡康太騎手の判断はむしろ合理的だったと考えます)。その後ろのベルカント・ミッキーアイルらは、アクティブミノルが下げて来たのでこれを抜かずに見る形を取り、その結果残り4Fでハクサンムーンが後続を離す形が完成。流石にあまりのペースの緩さを看取したのかここから好位勢が前を追い掛け始めますが、残り3Fでハクサンムーンの外にアクティブミノルが並び掛け、更に外からミッキーアイルが交わしかけたところで、早めに先頭に立つのを嫌ったのかまたミッキーアイルが抑える挙動を見せます。残り2Fで再度ハクサンムーンが単独先頭、アクティブミノルが外に並び掛けようとして、ミッキーアイルはそこから馬体を離して1馬身半ほど後ろ、ベルカントはその後ろの更に後方でがっちり抑えるという位置取り。これだけラップなのに残り2Fまで後続は前に殺到することもなく、各々脚を溜めているというかなり特殊なレース展開となりました。

通常スローならば「逃げ・先行馬有利」になりますが、今回は下り坂で加速して直線でトップスピードに乗せられた差し馬がラストに台頭。脚質よりも資質がより決着を規定したと言っていいでしょう。
通常は急流で「スピード+急坂でバテない底力」のハイブリッドな性能が問われるレースで、過去の上位馬の踏破ラップは「テンで33秒台を踏んで(スピード)、上がりも34秒そこそこで粘れる(底力)」というものだったのに対して、今年の勝ち馬は「テン35.0→上がり33.1」と全く違うものになりました。具体的には、上位馬は東京7〜8Fで好走できるタイプで、「絶対的な上がりの速さ」が問われたレース。ストレイトガール(ヴィクトリアマイル3・1着)・サクラゴスペル(安田記念5着・京王杯SC1着)・ウキヨノカゼ(クイーンC1着)と東京7〜8F、特にマイルで実績があるタイプで、”適性の出し入れ”で予想するアプローチからは、ここまで極端な展開自体を予見しないと難しい決着だったのではないでしょうか。
”半笑い”的には、ストレイトガールが前述の「中山6F仕様」から「東京8F仕様」へと適性をシフトさせていると判断して「×」評価まで下げたところ、東京8F得意なタイプが浮上する流れになったために裏目を引いた、と思っています。実際例年のような急流でも勝ち切ったかもしれませんが、この部分は分からないまま国内最後のレースになってしまいました。マイルへと適性がシフトしていると最終戦・香港スプリントでは追走厳しそうですが、同様に適性をシフトさせたかのように見えたロードカナロアは香港スプリントを連覇しましたし、適性が「変化」したのではなく「幅を拡げている」可能性もあるので、日本の競馬ファンとしてはそちらだと祈りたいところです。

今年は桜花賞がテン3F37.1・5F62.5という歴史的超スローで、倍の距離のG1・天皇賞春(コースも性齢も異なるので直接比較はできませんが)の3F36.1・5F61.4と比べてもそれぞれ1秒以上遅いという異例のラップが出現しましたし、NHKマイルCもレース史上20回でテン3Fが2番目に遅いというスロー。どうやら「短距離G1のスロー化」というのが、今年の一つのトレンドと言っても良さそうな状況です。
個人的には過去の例から大きく外れる異例のラップが出現すると、適性的にカバーし切れない結果が続いているのですが、これを単なる「例外」と処理していいものか、とても悩ましいところです。この”トレンド”に明確な理由があるとすれば、むしろ短距離でこそスローに決め打つことで妙味を追うというアプローチも有効になり得そうですが…「例外」もしっかりサンプルとして組み入れつつ、この点は引き続き考慮して行こうと思います。

秋のG1戦線開幕!

今週末はスプリンターズS、いよいよ秋のG1戦線が開幕を告げます。

スプリンターズS(G1・中山芝1200)
10:33.3-34.1=1'07"4
 1着(7)ウルトラファンタジー2-1(33.3-34.1=1'07 "4)
 2位入線(2)ダッシャーゴーゴー10-6(33.9-33.5=1'07 "4)55
 2着(14)キンシャサノキセキ9-6(33.7-33.9=1'07 "6)57 
 3着(3)サンカルロ15-12(34.1-33.6=1'07 "7)57
11:33.0-34.4=1'07"4
 1着(10)カレンチャン6-6(33.6-33.8=1'07 "4)55
 2着(3)パドトロワ2-1(33.1-34.6=1'07 "7)57
 3着(14)エーシンヴァーゴウ4-3(33.4-34.3=1'07"7)55
12:32.7-34.0=1'06"7
 1着(16)ロードカナロア8-9(33.3-33.4=1'06 "7)57
 2着(14)カレンチャン5-5(33.1-33.7=1'06 "8)55
 3着(3)ドリームバレンチノ8-9(33.4-33.5=1'06"8)57
13:32.9-34.3=1'07"2
 1着(10)ロードカナロア7-5(33.4-33.8=1'07 "2)57
 2着(7)ハクサンムーン1-1(32.9-34.4=1'07 "3)57
 3着(5)マヤノリュウジン5-5(33.3-34.0=1'07 "3)57
14:33.7-35.1=1'08"8 ※新潟施行
 1着(18)スノードラゴン11-10(34.9-33.9=1'08"8)57
 2着(9)ストレートガール9-10(34.7-34.2=1'08"9)55
 3着(13)レッドオーヴァル5-5(34.4-34.5=1'08"9)55

「電撃の6ハロン」と表現される、急流のスプリントG1。厳しい流れ+ラスト急坂の中山と来れば、底力を武器にする差し馬の台頭を思わせますが、近年は馬場の高速化を背景にスピード馬の"前残り"が基本となっています。
中山施行の10〜13年の平均ラップは「33.0-34.2=1'07"2」と一応”前傾ラップ”ではありますが、それこそ1990年代は半分の5回が「テン32秒台→上がり35秒台」だった(※注:99年までは12月開催3週目の施行で、馬場条件も大幅に違いました)のと比べると、前傾度合いはかなりマイルドになっている印象。その結果「4角6番手(タイ)以内」の馬がこの4回の馬券絡み12頭中10頭を占め、特にテン32.9以上掛かった10・11・13年の3回に関しては9頭全てがこれの該当馬となっています。更にこの3回は全て「4角先頭馬」が連対していますので、急流+急坂のG1とはいえ今や基本は「前残り」のレースと言っていいのではないでしょうか。

これと同じ文脈でもう一つ見逃せないのは、この間の馬券絡み12頭のうち6頭、特に前述の10・11・13年の9頭のうち6頭が、「3角→4角の間で通過順を上げている」ということです。
即ち「直線一気が難しい」ぶん、コーナーで加速しながらポジションを上げられる器用なコーナリングが重要な武器となっているのでしょう。逆に言えばこの”武器”を持っていれば早めに捲って台頭の可能性があるので、「前残り有利」だからといって差し馬を完全に無視もできないのが悩ましいところ。例えば同じ「最も勝っているのは7F戦の後方差し馬だから基本的には忙しいが、急坂6F重賞も勝っている」ウリウリとサクラゴスペルの2頭では、実際今年の急坂6F重賞2回で「共に3→4角でポジションを上げている」前者と「共に3→4角でポジションを下げている」後者という対比から、資質的にウリウリが優位になるでしょう。

結局「前有利だが、コーナーでポジションを上げられれば捲りも届く」となると、前も後ろも人気馬を総じてカバーすることになりかねないので、馬場傾向もしっかり織り込みつつ、ある程度は”根拠のある割り切り”が必要となりそうです。
例えば「一昨年のこのレース3着の実績があり、その後テンのスピードは落ちて来たが、前哨戦のセントウルSで外を回して3角12番手→4角11番手と僅かにポジションを上げラストもNo3タイの上がりで5着と復活の兆しを見せたマヤノリュウジン」などは、”根拠のある”穴馬として絶好の狙い目だったのですが、残念ながら賞金順でほぼ確実な除外対象。こういう馬を上手く見付けて絡めつつ、秋初戦をしっかり検討したいと思います。


【告知】
今秋も一部の方のご要望に応えまして、「半笑いの予想」 から「秋のG1予想パック」をリリースさせて頂きました。近年レギュラー予想ではマイナスですが、勝手ながら分析自体には自負と自信がありますので、しっかり頑張ります。

予想提供レース:秋華賞・菊花賞・天皇賞秋・エリザベス女王杯・マイルCS・ジャパンC・チャンピオンズC・阪神JF・朝日杯FS・有馬記念

詳しくはこちら→ http://hanwarai.net/g1.php

「秋のG1予想パック」リリースのお知らせ

秋のG1戦線の幕開けですね。
今秋も一部の方のご要望に応えまして、「半笑いの予想」 から「秋のG1予想パック」をリリースさせて頂きます。

予想提供レース:秋華賞・菊花賞・天皇賞秋・エリザベス女王杯・マイルCS・ジャパンC・チャンピオンズC・阪神JF・朝日杯FS・有馬記念 

詳しくはこちら→ http://hanwarai.net/g1.php

レギュラー予想は近年マイナスが続いていますが、分析自体には自負と自信を持って精一杯やらせて頂きますので、よろしければご検討お願いします。頑張ります。

 

神戸新聞杯(3歳G2・阪神芝外2400)回顧

11:37.2-40.0-37.5-33.6=2'28"3
 1着(7)オルフェーヴル5-5-5-5(32.8)56 ※※
 2着(5)ウインバリアシオン7-7-7-5(33.2/0.4)56 ※
 3着(11)フレールジャック8-8-7-7(33.3/0.8)56
12:36.0-37.2-36.2-35.8=2'25"2
 1着(14)ゴールドシップ12-11-8-6(34.5)56 ※
 2着(6)ロードアクレイム11-11-11-10(34.7/0.4)56
 3着(11)マウントシャスタ9-9-8-9(35.1/0.7)56
13:35.3-37.0-38.0-34.5=2'24"8
 1着(10)エピファネイア8-8-9-4(34.3)56 ※
 2着(15)マジェスティハーツ17-17-17-18(33.6/0.4)56
 3着(4)サトノノブレス5-5-5-4(34.8/0.5)56 ※※
14:36.6-36.6-35.9-35.3=2'24"4
 1着(10)ワンアンドオンリー14-14-13-4(35.1)56
 2着(11)サウンズオブアース11-11-11-7(34.9/0.0)56 ※
 3着(2)トーホウジャッカル7-7-7-9(34.8/0.0)56 ※※
神戸新聞杯1・3着馬(エピファネイア・サトノノブレス)が菊花賞で1・2着した一昨年、そして2・3着馬(サウンズオブアース・トーホウジャッカル)が2・1着した昨年。走破時計が2分24秒台の過去2回が”本番”好走馬を複数輩出する結果だったので時計は一応気になりますが、しかし最も時計遅かった11年の1・2着馬(オルフェーヴル・ウインバリアシオン)が菊花賞でもそのまま1・2着と最もリンクしており、時計にはあまり拘泥しないでもいいトライアルとも言えそうです。
なので時計を無視して、ラップと位置取りから強いて菊花賞での好走条件を抽出してみましょう。「3角→4角でポジションを上げ」かつ「上がりNo1or2」で3着以内という”持続力上位馬”は毎年1頭ずついますが、上記の過去4回に関しては本番で全て連対(上記の※印)しています。また「1〜3角通過順が出走頭数の半分以内」で3着以内という”底力上位馬”ルートでも、過去4回で3頭の連対馬を輩出(上記の※※印)という結果が出ています。
これを踏まえて、今年の神戸新聞杯を見てみましょう。

15:36.5-39.0-37.1-34.1=2’26”7
 1着…(6)リアファル1-1-1-1(34.1)56 ※※
 2着△(5)リアルスティール7-8-8-8(34.0/0.3)56
 3着○(9)トーセンバジル14-13-14-13(34.1/0.7)56 ※
 4着▲(11)バイガエシ3-6-6-3(34.8/0.9)56
 5着…(3)ジュンスパーヒカル11-10-9-13(34.5/1.1)56
仮に前記の「菊花賞での好走条件」が今年も継続すると仮定すると、”持続力上位馬”に該当するのは「3角14番手→4角13番手とポジションを上げ」(並びの問題なので実際は「後ろから2番手→最後方の一団」と下げたとも言えますが、この区間で馬群はグッと詰まっているので一応該当と判断)、「No2タイの上がり34.1を使った」トーセンバジル。そして”底力上位馬”に該当するのは「終始先頭に立って押し切った」リアファルで、ダントツ人気だったリアルスティールは実は馬券圏内で唯一好走条件に該当しない(15頭中8番手というちょうど真ん中の通過順=半分以内にギリギリ足りない)ということになります。
とはいえ、本番はここから一気に距離が3F伸び、しかも直線は平坦になるので、ここでのパフォーマンスが一義的に判断材料となることはもちろんありません。更に言えば、このレース単体の評価でも、4角で一気に馬群が詰まって直線で外に大きく拡がるという展開だったので、各馬の走破距離にかなり差があり、額面そのままは受け取れない状況です。具体的には、道中終始外外を回り、直線では馬場の真ん中を抜けて来た4着バイガエシを基準とすれば、逃げたリアファルは当然ロスがなくかなり走破距離は短い内容。対して道中はバイガエシよりやや内を通ったものの直線ではバイガエシより外に持ち出して最速上がりのリアルスティールの走破距離は長く、これで最速上がりはやはり「額面以上の価値」となるでしょう。

様々な要素を勘案して本番に臨むのは、陣営だけでなく予想をする/馬券を買う側としても同様。しっかり見極めて、納得のいく予想を組み立てたいと思います。

お詫びとお願い

ご存じの通り、最近めっきり不調を託っています。
いえ、正直言うと「最近」どころじゃないですね。直近に明確な好調期があってこその「不調」だとすれば、不調ですらない。ここ数年間トータルの結果が再現される可能性が高いという観点に立てば、私は明確に「実力が期待値マイナスの予想家」ということになると思います
結果に期待して頂いている方には、多大なご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ございません。

これだけ酷い成績の今年に限っても、実は◎本命馬の単勝回収率は100%を超えているので、全く的外れな馬ばかりを推奨しているのではないのですが、それでいてここまで収支が悪いのは、明らかに買い目の組み立てを始めとする戦略面にズレ、或いはブレがあるんだと思います。

「思います」という他人事のような表現で申し訳ないですが、実際に勝っていた時期と比べてスタンスを変えた訳でも、ましてや手を抜いてる訳でもないので、正直ここまで事態が悪化した原因を測りかねているのが現状です。
もちろんこの状況に手を拱いている訳ではなく、現在重賞に関しては全レースの詳細な回顧を配信していますし、そのお陰で取れた馬券もあるので(レパードS予想時点で無印だったダノンリバティを回顧で高評価できたお陰でBSN賞で高評価して大きく勝てた、など)、決して無駄だとは思っていませんが、しかし抜本的な事態の打開には至っていません。

あまり認めたくはありませんが、これが「実力」だと言われればそれまでだと思います。いえ、むしろ潔くそう認めるべきでしょう。

開き直る訳ではありませんが、ベタ買いで毎年(或いはもっと短い・長いスパンを含め)、永続的にプラス収支を続けるのは私の能力ではほぼ不可能だというのが、現時点での個人的な結論です。以前はそれが可能だと思っていた時期もありますが、データやレース映像へのアクセスが誰にでも可能になって、その分析も共有されることで裾野から大きくレベルアップし、あらゆる意味でオッズが所謂「こなれた」状況の現在、独自理論による優位は小さくなり、定常的なマージンが控除率を超えるという状態をキープするのは極めて困難だと思っています。もちろんそれを見事に果たしている方もおられるでしょうし、それが予想を発信する専門家の唯一の価値だと思う方には、私の予想は無価値ということになるのも否定しません。

「半笑いの予想」サイトでも、このブログでも、「過去のある期間の好結果は未来の収支を保証するものではない」ことは再三述べているつもりですし、「必ず儲かる・勝てる」的な表現は絶対にしないように細心の注意を払ってきたつもりではありますが、それでも過去の好成績や高回収率を宣伝文句にしたことが度々ある以上、その種の誤解を与えた可能性は否定できません。少なくとも、その「期待」は持って予想・展望を購入される方が大半だと思いますし、なかには「永続的にプラス収支を続けることが、予想を発信する専門家の唯一の価値だと思う方」が購入してしまったこともあるかもしれません。この点に関して深くお詫び致します。本当にごめんなさい。
そして今後は、この種の販促活動は行わないように、しっかり留意します。
※冒頭で◎の回収率云々ということを書きましたが、これを最後に一切書かないように致します。 

「実力的に期待値マイナス」の予想発信者ですが、もちろん私自身が、自分の予想理論や、それに基づいた予想展望を全くの無価値だと思ってはいません。当然ですが。
 
各馬分析のアプローチや、レース解析の方法、そしてそれが予想として綺麗にハマった時の「ハマり方」自体にも価値を感じていますし、その価値観にシンクロして頂ける方が少しでもいる限りは、求められている範囲で発信させて頂きたいとは思っています。もちろん今後は回収率や数少ない的中を無理に誇ることなく、「実力的に期待値マイナス」であることを明示して。
また的中した時にアピールしたり、外れた時に言い訳したりすることが、「自己顕示」だと批判の的にもなっていると思います。よく「当たった時は幸運のお陰として驕らず、外れた時は勝ち運のなさだけを嘆いて黙っておけ」という種のアドバイスも頂きますが、これに関してはむしろ運のせいにしないで勝因・敗因をなるべく明確に表明するのが礼儀だと本気で思っていますので、ここだけは価値観の相違としてご容赦頂きたいと思います。もちろん今後は回収率云々を誇ることはしないようにしますので、この点はしっかり改善させて頂くつもりです。
これらのことをご理解の上で、予想発信者としての私の存在を求めて頂ける方には、時折お付き合い頂けると幸いだと思っています。

ここまでさらけ出したので少しだけ個人的な事情を書きますと、現在競馬予想関係の収入のほとんどは、私の手には残りません。縁故ある”とある未成年者”に、大半が送金されることになっています。
綺麗ごとを言えば、現状は「自分以外の人に喜んでもらうためにコンテンツを紡ぎ、その報酬はほとんど自分以外の人の手に届く」という状況で、ごく一部の方に「私利私欲のために人を騙して当たらない予想を売り付けている」と言われるような状況とは程遠いつもりです。もちろんこの状況を自身が望んでいるのだから、広い意味では「私利私欲」になるのでしょうが。

もちろんここから大きなメディアに進出して大きな売り上げや名声をあげることなど夢のまた夢だと理解していますし、今回自ら「実力的に期待値マイナス」であると明言したことにより、もとより紙より薄いその可能性すらも完全に潰えたと思います。あくまでも求めて頂ける方のためだけに発信しつつ、私のことを誰も欲しなくなれば、静かに消え行くのみです。

私に対して、「私が予想発信者としていかに無能で無価値であるか」という説明をされる方が時折おられますが、その文脈では重々承知の上で、それでも価値がある側面について追求したい想いと、そこにシンクロして頂ける方のため、そしてその報酬を送り届ける人のために、必死に頑張っていますので、その説明は徒労になってしまいます。私が少しでも競馬に関して”成功”することが許せないのかもしれませんが、もはやその可能性もなければ、そもそも得るものもさしてありませんので、ご安心ください。
時には、私のことを認めてくださっている方に対して私の無価値さを繰り返し説いたりされている方もあるようですが、同じく放っておいて頂けると嬉しく思います。繰り返しますが、そんなに労力や手間を割いて私の無能さを流布しなくても、既にその意味では私自身「期待値マイナス」を認めていますし、なによりそういう方が最も忌み嫌うであろう「私が報酬を得る」ことにもそもそも繋がりませんので。
これは本当に純粋な「お願い」ですが、その種の干渉は純粋に私の周囲の人たちへの嫌がらせになってしまうので、お止め頂けると幸いです。

お願いついでに申しますと、私が公の場で本名を名乗らずに筆名「半笑い」で通しているのは、自分の事情ではなく、”縁故ある未成年者”への配慮や約束に従ってのものです。「商売に後ろ暗いことがなければ本名を名乗れるはず」という論理で、わざわざ本名とされている名前を記したまとめサイトを作ったりと、なぜかその拡散に手間を掛けている方がいらっしゃいますが、私自身の私利私欲のためでなく、あくまでも他の方のためにやっている措置ですので、その種のものは消して頂けるように切にお願い致します。どれほど私のことが嫌いで責める理由がある方でも、見知らぬ罪のない未成年者を傷付ける動機も権利も根拠もないと思いますので、この点だけは何卒よろしくお願い申し上げます。

ローズS(3歳G2牝・阪神芝外1800)回顧

ローズS
07:35.6-36.9-33.6=1'46"1(5ダイワスカーレット1-1/33.6)
08:34.4-36.7-36.2=1'47"3重(18マイネレーツェル7-6/35.5) 
09:34.5-35.0-35.2=1'44"7(4ブロードストリート7-8/34.2) 
10:34.1-37.4-34.3=1'45"8(6アニメイトバイオ7-7/33.8) 
11:36.7-37.3-34.1=1'48"1(8ホエールキャプチャ2-3/33.8) 
12:36.5-36.9-33.4=1'46"8(6ジェンティルドンナ2-2/33.2)
13:34.6-35.5-37.6=1'47"7重(1デニムアンドルビー18-12/36.0)
14:35.1-36.7-34.2=1'46"0(6ヌーヴォレコルト4-4/33.6)
 
過去のローズSには、レースラップを決める重要な2つの要素がありました。それは、馬場状態実績馬の脚質
 
【馬場状態】
○良馬場ならばスロー上がり勝負(良馬場6回のうち5回までが上がり34.3以内)
●重馬場ならば急流底力勝負(重馬場2回は共に上がり36.2以上)
【実績馬の脚質】
○春G1連対馬が前を取ると中盤が落ち着く(ダイワスカーレット・アパパネ・ホエールキャプチャ・ジェンティルドンナ・ヌーヴォレコルトが先行した5回は全て中盤36.7以上)=※強い逃げ・先行馬に競り掛けるよりは脚を溜めて本番出走権を狙う馬が増える
●春G1連対馬が差し馬ばかりだと急流になる(08年レジネッタ・トールポピー、09年レッドディザイア、13年レッドオーヴァル・エバーブロッサムは重馬場でも「テン+中盤」71.1以内)=※外回りや東京で実績のある強い差し馬にキレ勝負で敵わないので先に動いて出し抜きを狙う馬が増える

といった状況。ただもう一つ、実は上記の「●」を付した”急流化”の要因がある08・09・13年は、18頭立てフルゲートという要因もありました。このうち過去の顕著な08・13年の2回は「重馬場+春G1連対馬が差し馬+フルゲート」という全要素が揃い踏みしていたということで、逆に言えばそこまで揃わないと速くはならない、3着権利のトライアルはそれほど「急流が珍しい」とも言えるでしょう。
これを踏まえると、基本は例年スロー上がり勝負を決め打った方が効率はいいレース。しかも今年は「フルゲートには届かず・良馬場必至で・春G1馬=レッツゴードンキが前を取りそう」と三拍子揃った”緩流フラグ”ではありましたが…しかし17頭立てという多頭数で、もう1頭の春G1馬=ミッキークイーンを筆頭に人気上位馬が差し馬ばかり(トーセンビクトリー・クイーンズリング・アンドリエッテ・ディープジュエリー)なので、逆説的に急流を本線に決め打ってみることにしました。もちろん敢えて珍しい”裏”の流れに張ったのは、その方がオッズ的にも期待値が高い、という都合のいい妙味狙いの意味も大きかったです。

15:35.1-35.2-34.9=1’45”2
 1着…(15)タッチングスピーチ16-15(33.9)54
 2着×(8)ミッキークイーン17-17(33.8/0.2)54
 3着×(13)トーセンビクトリー13-9(34.6/0.4)54
 4着△(10)レッツゴードンキ1-1(35.6/0.7)54
 5着×(16)クイーンズリング5-5(35.4/0.9)54
 6着▲(3)アンドリエッテ13-12(35.1/1.0)54
 10着◎(2)テルメディカラカラ7-5(35.9/1.4)54
 15着○(6)ライトファンタジア7-9(37.4/3.2)54
 
そして実際に急流で差し決着!…だったんですが、予想の上位馬はことごとく伸びず、逆にケチを付けて狙い下げた馬に軒並み走られてしまいました。ちなみに勝ったタッチングスピーチは「チューリップ賞で追い込みハマり・忘れな草賞ではスロー先行ハマって共に完敗と急坂適性が大いに疑問、札幌での好タイム完勝は厳しい流れゆえに小型馬に52キロが効いたものと見て過大評価せず」という”ケチ”で、オークス馬ミッキークイーンにも「忘れな草賞もオークスも前半に明確な緩みがあるので、距離短縮には半信半疑」といった具合でした。
 
逆に言えば今回その”ケチ”を覆して厳しい流れ+好時計で結果を出した上位馬は、資質の幅を証明したと言えそうで、本番へ向けて大きな収穫があったということになります。良馬場で急流好時計と言えば、過去には09年(ブロードストリート→レッドディザイア)しかなく、本番へのリンクもある程度見込めそうです。但しそのぶん、当然消耗も大きかったはずなので、本番までの調整過程も注視しつつ、しっかりと狙いを絞って行きたいと思います。

京成杯AH(G3・中山芝1600)回顧

11:34.0-22.6-35.3=1'31"9
 1着(8)フィフスペトル6-7-7(34.7)57
 2着(14)アプリコットフィズ9-9-7(34.6/0.1)54
 3着(7)レインボーペガサス6-6-5(35.2/0.3)57.5
12:34.0-22.2-34.5=1'30"7
 1着(3)レオアクティブ12-12-10(33.1)54
 2着(1)スマイルジャック8-9-6(33.6/0.2)57.5
 3着(11)スピリタス8-7-6(33.9/0.4)55
13:34.0-22.7-35.1=1'31"8
 1着(7)エクセラントカーヴ6-5-4(33.9)52 
 2着(8)ダノンシャーク9-8-7(33.8/0.2)58
 3着(9)ゴットフリート2-3-3(34.8/0.6)53
15:35.4-23.3-34.6=1’33”3
 1着△(12)フラアンジェリコ15-15-15(33.6)53
 2着×(8)エキストラエンド9-4-4(34.3/0.0)57
 3着▲(13)ヤングマンパワー6-9-9(34.1/0.0)54
 4着×(6)グランシルク12-11-9(34.0/0.0)54
 5着×(16)ショウナンアチーヴ12-12-12(33.9/0.0)56
 6着○(15)シャイニープリンス9-12-12(34.0/0.1)56
 9着◎(5)ブレイズアトレイル12-12-12(34.2/0.3)55
※14年は新潟施行につき割愛

中山秋開幕週の風物詩・京成杯AHは、2010年以来5年ぶりにテンが35秒掛かるスローペースに。テンより上がりが掛かるというレースラップもこれまた5年ぶりで、それなのに1〜6着馬は全て「通過順に9番手以降がある」馬ばかりなのは特徴的な決着でした。一般的に言われる「スロー=先行有利」とは真逆の結果、そして同じく一般的に言われる「開幕週=内先行有利」とも真逆の結果となったのは、実は近年の中山秋開催の新しい特徴と言っていいでしょう。
この”新しい特徴”に関して、「半笑いの予想」からの予想配信では、序文として以下のような分析を記載していました。
緩急問わず、「序盤4番手以内」の先行馬が馬券圏内の大半を占めていた「スピード重視」時代は今は昔。11年を境に、「序盤6番手以降」の好位〜後方の幅広い差し馬が長くいい脚を使う「持続力重視」のレースへとすっかり変貌を遂げている。このため、開幕週=内有利という基本はあるものの、捲りタイプは中〜やや外の枠から動き出せる方が総じて上位を占める結果に。この点に留意しつつ考えて行こう。
ここまで看破しておきながら、結局◎(5)ブレイズアトレイル・○(15)シャイニープリンス・▲(13)ヤングマンパワーのうち2頭が絡まないと取れない3連複を推奨馬券しており、買い目はとして完全なハズレ。×印は4頭もおり、かなり手広い買い目での抜けではありましたが、1番人気アルビアーノ(7着)・4番人気レッドアリオン(16着)・6番人気スマートオリオン(15着)を全て消していましたし、仮に0.1差以内で入線の○(15)▲(13)△(12)が来ていれば200円×1669.9倍=33万円超にはなっていたので、個人的には”もう一歩”という感触はありました。

…などという恒例のタラレバは無視して頂いて(すみません、言わずにいられない病気なんです)、ここで明らかになったことの一つとして、マイル路線の3歳馬の序列、特にNHKマイルCの見立てが挙げられるのではないでしょうか。

NHKマイルC(3歳G1・東京8F)
13:34.4-23.4-34.9=1'32"7(8マイネルホウオウ16-14/33.7)
14:34.6-23.8-34.8=1'33"2(10ミッキーアイル1-1/34.8)
15:35.3-24.0-34.2=1'33"5(7クラリティスカイ5-5/33.9)
  2着(9)アルビアーノ2-2(34.4/0.2)55 
  5着(2)グランシルク9-9(34.1/0.4)57 
  6着(14)ヤングマンパワー12-9(34.0/0.4)57 
今年のNHKマイルCのテン3F「35.3」は、20回のレース史上で2番目に遅いもの。こちらは完全な先行有利で、しかも好馬場東京らしい内枠有利の決着だったので、これを覆した順に価値があるという評価が可能でした。特に「後半の持続力勝負」を前提にすれば、今回は明らかに「内を先行した超恵まれのアルビアーノ」より「内を差して来たグランシルク」、それより更に「外を差して上がり上回ったヤングマンパワー」を上に取ることができました。もちろん、NHKマイルCの展開が再現されれば同様の並びになることはあり得ますが、古馬重賞ではあまり再現性がない内容だったと見ています。
ちなみに新潟記念でも同様の判断で、NHKマイルCで外に持ち出して3着まで差したミュゼスルタンが優秀と評価。最内枠のアヴニールマルシェ(4着)と同等の上がりならば明確に上に取れると見て評価に差を付けたのですが、結果はなんとアヴニールマルシェの15着よりの下の16着。これにはビックリしましたが、後になってレース中の骨折が判明し、とても残念であると同時に敗因が分かってようやく合点がいきました。

勝ち馬・クラリティスカイの登場はもう少し先、富士Sになりそうですが、果たしてこれがどのような結果になるでしょうか。今年は桜花賞・NHKマイルCと3歳G1が空前のスローペースになった世代なので、「G1の並びを絶対視しないこと」に妙味の”種”があるということを意識して、今後もしっかり追い掛けて行きたいですね。

札幌2歳S(2歳G3・札幌芝1800)回顧

札幌2歳S(2歳G3・札幌9F)
08:36.0-36.3-36.8=1'49"1
 4ロジユニヴァース7-7-6-5、7イグゼキュティヴ2-2-2-1、2モエレエキスパート2-4-5-4 
09:36.2-38.1-35.4=1'49"7
 3サンディエゴシチー3-2-5-5、11モズ2-2-2-1、9アーバンウィナー14-14-13-8 
10:36.1-37.2-36.5=1'49"8
 13オールアズワン4-5-6-4、11アヴェンチュラ9-8-8-7、2アドマイヤセプター9-8-8-5 
11:36.4-37.8-36.6=1'50"8
 11グランデッツァ2-3-3-2、6ゴールドシップ13-12-12-10、7マイネルロブスト10-9-9-4 
12:36.3-37.3-34.9=1'48"5
 3コディーノ3-4-4-4、11ラウンドワールド10-10-10-5 5エデンロック10-10-10-9
※13年は函館施行につき割愛
14:36.5-36.9-36.6=1'50"0
 2ブライトエンブレム13-14-11-8、11マイネルシュバリエ3-3-3-3、13レッツゴードンキ6-7-6-4
「中盤36秒台の08・14年は、それぞれ上位馬からクラシック馬が誕生(ロジユニヴァース=翌年ダービー馬、レッツゴードンキ=翌年桜花賞馬)し、37秒台の10・11・12年も上位馬から三冠レース馬券絡みの活躍馬が出現(アヴェンチュラ=翌年秋華賞馬、ゴールドシップ=翌年皐月賞&菊花賞馬、コディーノ=同年朝日杯2着&翌年皐月賞3着馬)。超スローの年以外は、軒並み相当な”出世レース”となっている」
…というのが、札幌2歳S配信予想でのレースラップに関する序文でした。ちなみに施行時期は、08・10・11年が10月頭で、09・12・14年は今年と同じ8月末〜9月頭。当然10月施行の方が年齢的に成長するので本来時計は速くなるはずですが、当時は開催期間も長い&夏よりも秋の方が馬場悪化のペースが上がる傾向があり、その結果ラップ・時計的な価値は大差ないという見立てとなるので、前述の通り一義的なラップ分析で大まかな出世傾向が予見できる図式だと把握しています。
これを踏まえて今年のラップを見てみましょう。

15:37.0-37.0-36.8=1’50”8稍
 1着…(11)アドマイヤエイカン10-10-9-4(35.9)54
 2着△(10)プロフェット4-7-6-4(36.2/0.0)54
 3着○(4)クロコスミア7-8-9-8(36.2/0.2)54
 4着△(5)ラヴアンドポップ13-13-12-6(36.0/0.3)54
 5着…(3)アラバスター13-13-14-13(36.3/0.7)54
 6着◎(13)スパーキングジョイ11-11-12-9(36.4/0.7)54
 12着▲(1)リアルキング7-8-9-13(38.2/2.2)54
今年は中盤37.0ですが、前日の降雨の影響が僅かに残る稍重馬場だったので、実質は36秒台に突入している見立て。即ちここからクラシックホースの誕生も期待できるということになりますが…但し「外差しが決まる馬場」+「テンが緩く前有利なラップ」という相反する要素がレースにそれぞれどのような影響を与えたか、なかなか解釈が微妙な決着となりました。
通常「テン緩いのに中盤速いラップ」だと前が楽して後続は発進しづらいので、外を回して差し伸びた馬の評価を上方修正、距離延長でも期待することになりますが、この日は内が荒れて来た上に雨の影響もありかなり外差しが有利な傾向の馬場で、額面よりは差しやすかったはず。後ろから3〜4角間は外を回し続けて4角でまだ最後方の5着(3)アラバスターは、完全に届かない挙動で0.7差の完敗5着でしたが、1〜4着馬は上がりだけでもこれを上回っていたので、やはり高評価の対象は上位馬ということになります。
結果的に昨年の同レースとラップも馬場もよく似ていたので、これを参考に暫定的な評価をしておくと、(11)アドマイヤエイカンはブライトエンブレム級の持続力。これには劣りますが牝馬の(4)クロコスミアと合わせて、それぞれ牡牝のクラシック戦線で期待できるとしておきます。そして挙動としては昨年レッツゴードンキと酷似している(10)プロフェットは、新馬勝ちが超スローで瞬発力頼みの内容だっただけに、ここでの底力との合わせ技で資質の幅の意味では最も大きな収穫があったと評価します。

※その他の細かい分析や、重い印を打った馬の敗因などは、「半笑いの予想」会員さんには別途回顧を送付・「note」での購読者さんにはマガジン内に回顧をUPする予定です。なお「note」では9月の全重賞分をまとめて回顧のみの販売もしております。

※当ブログではコメントを受け付けておりませんので、ご意見ございましたらtwitterにてリプ頂けましたら幸いです。→twitter「半笑いの競馬予想」 ( https://twitter.com/hanwarai_keiba )

新潟芝直線1000m、有利なのは外枠、では圧倒的に不利なのは…?

いよいよ9月、秋の空気が色濃くなって来ましたね。
競馬開催も、新潟・小倉・札幌が今週一気に最終週を迎え、来週からは完全な”秋競馬モード”に突入します。ローカルの最終週と言えば”外差し”のバイアスが発生するのがデフォルトですが、近年は馬場管理の良好さから、比較的フラットな場合もあるのが悩ましいところ。
そんななか、開催前半から「外枠有利」の傾向が知られているのが、新潟芝直線5F(1000m)戦でしょう。

実際今夏の同舞台戦ではどのような決着になっていたのか、結果だけをシンプルに見てみましょう。
 
2回新潟・芝直5F戦の着順
内枠(内から6頭):【3,2,0,54】=勝率5.1%、連対率13.6%。複勝率13.6%
中枠(内枠&外枠以外):【2,0,0,36】=勝率6.4%、連対率6.4%、複勝率6.4%
外枠(外から6頭):【4,8,10,37】=勝率6.8%、連対率20.3%、複勝率37.3%
※10頭立ての稲妻Sだけは「内から5頭=内枠、外から5頭=外枠、中枠はなし」に分類

ご覧の通り、かなり面白い結果が出ています。フルゲート18頭立て以外は「中枠」の頭数が減るので、勝利「数」など上位の頭数が内外に比べて少ないのは当然なのですが、しかし勝「率」など上位の比率が内外に比べて極端に低いのは見逃せません。勝ち馬は1頭しかいない(同様に連対馬は2頭・複勝圏内馬は3頭しかいない)ので、実は「率」で言えば頭数が少ない方がむしろ有利なはずで、それでいてここまで差が出るのならば、もう明らかに「中枠不利」と言っていいのではないでしょうか
複勝率で圧倒的に「外枠有利」なのは想像通りの結果ですが、更に「中枠」の2・3着馬は皆無であること、そしてなんと10鞍の3着馬が全て「外枠」であることは、ちょっと意識しておいて良さそうです。

これを更に掘り下げて、開催を前後半で分けてみましょう。
 
開催前半(第1〜6日)
内枠:【2,1,0,33】=勝率5.6%、連対率8.3%、複勝率8.3%
中枠:【2,0,0,21】=勝率8.7%、連対率8.7%、複勝率8.7%
外枠:【2,5,6,23】=勝率5.6%、連対率19.4%、複勝率36.1%
開催後半(第7〜10日)
内枠:【1,1,0,21】=勝率4.3%、連対率8.7%、複勝率8.7%
中枠:【0,0,0,15】=勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%
外枠:【2,3,4,14】=勝率8.7%、連対率21.7%、複勝率39.1%

開催が進むほど「外枠有利」が進むのはイメージ通りですが、それよりもずっと「中枠不利」の度合いが後半高くなっているのが印象深いデータです。中枠は頭数が少ないのでデータが偏るのは否めませんが、しかし人気と着順の関係で集計しても、開催後半の中枠の”分の悪さ”は明らかとなります。
 
開催後半(第7〜10日)の「人気より着順が上/同じ/下」の頭数
内枠:11/4/8=47.8%/17.4%/34.8%
中枠:4/2/9=26.7%/13.3%/60.0%
外枠:12/6/5=52.1%/26.1%/21.7%
 
この舞台の「外枠有利」は広く知られているにもかかわらず、それでも人気より着順が上となる割合は5割超え、着順”以上”まで含めば78.3%にも達します。これに対して、中枠はなんと6割が人気より着順が下なのですから、どういう切り口でも「中枠不利」ということになります

最終週はこの傾向を忘れずに臨みたいものですね。
 
「半笑いの予想」からの予想配信および「note」での展望販売にて、日曜日は東西重賞はもちろん、新潟芝直5F戦・雷光特別も予定しています。この傾向は踏まえつつ、独自の分析を行いますので、是非ご期待ください。
※当ブログではコメントを受け付けておりませんので、ご意見ございましたらtwitterにてリプ頂けましたら幸いです。→ twitter「半笑いの競馬予想」 ( https://twitter.com/hanwarai_keiba )
Profile
にがお
半笑い
人生いろいろあるけれど、
半分くらいは笑っていたい。
hanwarai_ver2【@】yahoo.co.jp
↑メール大歓迎です♪
(【 】を外して下さい)

Twitter
競馬予想関連:
「半笑いの競馬予想」(@hanwarai_keiba)
その他プライベート:
「半笑い」(@han_Warai)

詳しいプロフィールはこちら
半笑いの予想
予想提供は↓こちら。
半笑いの予想
http://hanwarai.net/


半笑いの予想【モバイル】
モバイル版
QRコードは
←こちら



http://hanwarai.net/mob/
土曜2鞍・日曜3鞍の展望・予想を配信します。
【おことわり】
当Blog内の全文章及び全画像の著作権は、 執筆者である"半笑い"本人に帰属します。 理由の如何に関わらず、 無断転載は一切お断りしますので、 あしからずご了承ください。
Counter
いつもありがとうございます
↑テンパってると今日はラッキー!

↑現在のお客さま数
”半笑い”的ラップ理論の到達点

「競馬で喰うための
ラップタイムの参考書」

現時点での半笑い的ラップ理論の集大成!
ハッキリ言って自信作ですっ!

Chapter01:ラップタイムの基礎知識
Chapter02:ラップで分かる能力・適性
Chapter03:ラップ分析を馬券に生かす
Chapter04:ラップで馬券を獲る 実践編
特別収録1:JRA 10競馬場ラップデータ
特別収録2:JRAGI 分割ラップデータ&ワンポイントアドバイス
Column:ラップで読み解く名馬論4編(タップダンスシチー/ダイワスカーレット/エイシンフラッシュ/ウオッカ)
初の共著

「半笑い×夏目耕四郎の
ラップ思考だけで
馬券が当たるメカニズム」

同じ【ラップ】をツールとする
夏目氏と主張を戦わせ対談を交え
競馬を立体的に把握する
【ラップ思考】を提案!
ダート中距離攻略

「人生が変わる競馬
〜ダート中距離があれば
永遠に飯が食える〜」

単行本第3弾は
緻密なラップ分析を駆使した
ダート中距離戦攻略法!
●なぜダート中距離は
稼げるのか
●ラップ分析の基礎と応用
●儲かる11コース
完全攻略法
など
ダート短距離攻略

「当たり前なのに
まだバレていない
競馬で勝つためのルール」

単行本第2弾は
ダート短距離戦攻略法!
●ダ短距離を制す「5大要素」
●全コースラップデータ
●具体的な狙い方・馬券構築法 
など
「WIN5」も攻略!

「半笑いの馬券定理
競馬で勝つための本質」

「WIN5」攻略をメインに、データ分析から従来馬券の購入に必要な考え方も詳しく解説!
半笑いの馬券術

「半笑いの馬券術」
超欲張ってみました!
渾身の馬券攻略本、完成!!
  1)中盤ラップ分析テクニック
  2)皐月賞◎○への道程
  3)上田琢巳氏対談
  4)競馬場ラップデータ
  5)G1&重賞ラップデータ
  袋とじ)騎手データ/お宝レース
「ROUNDERS」Vol.2
R2


「ROUNDERS」Vol.2
2011/11/12発売
第2号・騎手特集
半笑いの寄稿内容は
「ラップで読み解く騎手の資質」
1,995円(税込)
http://rounders.biz/
Weather


-天気予報コム- -FC2-
free mail magazine
競馬関係のブログ内容を
無料メールマガジンとして
配信しています!
ブログでは書かない「+α」も?!
メルマガ購読・解除
 
  • ライブドアブログ