他人の不幸は蜜の味……
たまたまSNSで見かけた、「矢来町ぐるり」というサイトに掲載された下の記事に関するネット住民のやりとりを見て、暗い気持ちになりました。
「天地真理」が激白! 「柳沢きみお」も瀬戸際! 誰でも危ない「老後破産」の共通項を検証する
この記事は、そこで取り上げられた個々の事例に対して、個人批判する意図で書かれたものではありません。あくまでも我々全員が直面している、厳しい未来を、実感を持って伝えるためのcautionary tale(訓話)に過ぎないと思うのです。
ところが「ガールズちゃんねる」に寄せられたコメントは、容赦がありません。
などなど。
まあ僕の場合、天地真理世代ですけど(笑)
ハッキリ言わしてもらうと「ガールズちゃんねる」で天地真理をボコボコにしている若いひとたちの未来の方が、僕の世代より遥かに暗いんです。www
下は今から10年先の日本の年齢別人口を示したグラフです。
このうち薄い水色でシェードをかけた部分は、人口統計上、「働かない、もしくは働けないひとたち」に分類されます。真ん中の15歳から64歳は「生産年齢」と呼ばれ、働ける人を指します。
2025年の段階で、15~64歳の「生産年齢」は全体の57.6%を占めます。一方、65歳以上の人口は30.8%を占めます。いま最初の数字を二番目の数字で割算すると、1.87になります。
これは何を意味するか? と言えば、65歳以上の老人1人を、生産年齢の1.87人で支えなければいけないことを意味するのです。
国連の人口統計を見ると、2025年の段階で生産年齢比率が60%を切る国は、日本だけです。
これは年金制度をはじめとするあらゆる公的サポートの制度をキョーレツに圧迫する要因となります。言い換えれば、若者は重い岩を結わえた縄を腰に巻いたような状態で、キャリアを積み、資産形成してゆかなければいけないのです。
有り体に言えば、近年、政府は支出の半分しか税収が無いので、足らない部分は全部、国債によって賄っています。これはキミら若者世代にツケを回していることに他なりません。
むかし、未だマーケットハックがLivedoorとのジョイント・ベンチャーだった頃、マケハの企画の言いだしっぺであり、「仕掛け人」だったメディア野郎、田端信太郎氏が「広瀬さん、これからの若者は、皆、金融リテラシーを磨くべきですよね? そういうコトを、書いて呉れませんか?」と言いました。僕はそれを聞きながら:
と心の中で冷笑しました。特に「みんなが……」という横並び的発想に、強い反発を覚えたのです。データを見れば、全員が浮かばれる式の考えが幻想にすぎないことは明らかです。
もちろん、田端さん自身は立派なビジネスパーソンですが、「誰もが知っておくべき○○」とか「常識としての××」などの読者ウケしそうな記事に、本当に読者にとって行動の指針となるような、ためになる記事があるはずないです。
皆が豊かになれる高度成長時代が遠い過去となった今、頼れるのは自分だけです。
ゼロサム社会、いやマイナスサム社会である以上、これからは「喰うか、喰われるか」です。
そういう厳しい現状認識に立脚して、(いま自分にできることは、何だろうか?)ということを毎日、真剣に考えているなら、天地真理をボコボコにしているヒマなど無いと思うのです。
PS:「矢来町ぐるり」の元記事では、「老後破産に追い込まれる人は、一般企業の正社員だった人が多い」という指摘があります。この部分は、僕も大いに同意します。大企業の正社員は、何からなにまで会社に面倒を見てもらってきたので、独りになると、普通、なにもできません。雑草のような生活力が無いのです。そういう人ほど、カイシャという帰属先を離れると、空回りし、はやく潰れます。上のグラフの65歳以上のシェードがかかった部分の大きさを、よく見てください。あなたはこんな長い期間、しのげるだけの蓄えやスキルを、持っていますか?
たまたまSNSで見かけた、「矢来町ぐるり」というサイトに掲載された下の記事に関するネット住民のやりとりを見て、暗い気持ちになりました。
「天地真理」が激白! 「柳沢きみお」も瀬戸際! 誰でも危ない「老後破産」の共通項を検証する
この記事は、そこで取り上げられた個々の事例に対して、個人批判する意図で書かれたものではありません。あくまでも我々全員が直面している、厳しい未来を、実感を持って伝えるためのcautionary tale(訓話)に過ぎないと思うのです。
ところが「ガールズちゃんねる」に寄せられたコメントは、容赦がありません。
「ただの汚らしいおばさんになってしもたな」
「考えずに金を使った婆さんが悪い」
「お願いします、出てこないで。見るこっちが苦しくなる。」
「自業自得」
などなど。
まあ僕の場合、天地真理世代ですけど(笑)
ハッキリ言わしてもらうと「ガールズちゃんねる」で天地真理をボコボコにしている若いひとたちの未来の方が、僕の世代より遥かに暗いんです。www
下は今から10年先の日本の年齢別人口を示したグラフです。
このうち薄い水色でシェードをかけた部分は、人口統計上、「働かない、もしくは働けないひとたち」に分類されます。真ん中の15歳から64歳は「生産年齢」と呼ばれ、働ける人を指します。
2025年の段階で、15~64歳の「生産年齢」は全体の57.6%を占めます。一方、65歳以上の人口は30.8%を占めます。いま最初の数字を二番目の数字で割算すると、1.87になります。
これは何を意味するか? と言えば、65歳以上の老人1人を、生産年齢の1.87人で支えなければいけないことを意味するのです。
国連の人口統計を見ると、2025年の段階で生産年齢比率が60%を切る国は、日本だけです。
これは年金制度をはじめとするあらゆる公的サポートの制度をキョーレツに圧迫する要因となります。言い換えれば、若者は重い岩を結わえた縄を腰に巻いたような状態で、キャリアを積み、資産形成してゆかなければいけないのです。
有り体に言えば、近年、政府は支出の半分しか税収が無いので、足らない部分は全部、国債によって賄っています。これはキミら若者世代にツケを回していることに他なりません。
むかし、未だマーケットハックがLivedoorとのジョイント・ベンチャーだった頃、マケハの企画の言いだしっぺであり、「仕掛け人」だったメディア野郎、田端信太郎氏が「広瀬さん、これからの若者は、皆、金融リテラシーを磨くべきですよね? そういうコトを、書いて呉れませんか?」と言いました。僕はそれを聞きながら:
(こいつ、なにヌルイこと、ほざいてんだ)
と心の中で冷笑しました。特に「みんなが……」という横並び的発想に、強い反発を覚えたのです。データを見れば、全員が浮かばれる式の考えが幻想にすぎないことは明らかです。
もちろん、田端さん自身は立派なビジネスパーソンですが、「誰もが知っておくべき○○」とか「常識としての××」などの読者ウケしそうな記事に、本当に読者にとって行動の指針となるような、ためになる記事があるはずないです。
皆が豊かになれる高度成長時代が遠い過去となった今、頼れるのは自分だけです。
ゼロサム社会、いやマイナスサム社会である以上、これからは「喰うか、喰われるか」です。
そういう厳しい現状認識に立脚して、(いま自分にできることは、何だろうか?)ということを毎日、真剣に考えているなら、天地真理をボコボコにしているヒマなど無いと思うのです。
PS:「矢来町ぐるり」の元記事では、「老後破産に追い込まれる人は、一般企業の正社員だった人が多い」という指摘があります。この部分は、僕も大いに同意します。大企業の正社員は、何からなにまで会社に面倒を見てもらってきたので、独りになると、普通、なにもできません。雑草のような生活力が無いのです。そういう人ほど、カイシャという帰属先を離れると、空回りし、はやく潰れます。上のグラフの65歳以上のシェードがかかった部分の大きさを、よく見てください。あなたはこんな長い期間、しのげるだけの蓄えやスキルを、持っていますか?