こんにちは、編集チームの伊藤です。
10月2日(金)より京都水族館と食玩・フィギュア制作で熱狂的なファンをもつ海洋堂とのコラボ企画「KAIYODO水族館」が開催されています。
そこで今回は同イベントに参加するというプロカメラマン藤林慶海知(ふじばやし よしみち)氏に同行してフィギュア撮影のコツをお聞きすることにしました。ちなみに8,000点以上の食玩をコレクションしている「海洋堂&食玩大好き」藤林氏にその魅力を尋ねたところ、
「1999年からフルタ製菓から出ていたチョコエッグで【日本の動物シリーズ】というのがあったんですよ。当時アニメなどの有名キャラクターをモチーフにした食玩フィギュアが市場の主力だったのですが、なぜか海洋堂さんだけが『オビトカゲモドキ』とか『リュウキュウヤマガメ』とか、そんな動物見たことねぇよ…!みたいなフィギュアを出してたんです。それが海洋堂フィギュアとの出会いであり、僕の食玩好きの原点でもありますね」
「3秒で誰でもできる」プロカメラマン直伝5つの撮影テクニック
さてそんな「KAIYODO水族館」を撮り尽くす前に藤林氏に今回お願いした縛りルールは3つです。
【縛りルール】
- カメラ本体とマクロレンズ以外の専門的な機材は使わないこと
- 撮影テクニックは「3秒で誰にでも実践できるもの」のみ使用
- スマホ付属カメラやコンデジでも実践できるように「絞り値」や「シャッタースピード」などはなるべく駆使しないこと
(以下、撮影テクニックの解説および撮影は藤林氏)
【3秒でできる撮影テクニック1】目線の「高さ」を合わせる
被写体は上から撮ると小さく写り、下から撮ると大きく写ります。それをうまく使うのもテクニックですが、被写体と目線の高さを合わせるのが撮影の基本中の基本です。
なぜかと言うと、撮影するときは『面』を意識することが大事なんです。それはなぜかと言うと、「ピント」自体が面で成り立ってるからですね。
ピントが面で成り立ってるということは被写体の正面に立つとピントが来やすいということになります。逆に斜めから撮ると、被写体の手前しかピントがきてないなんてことになりがちなので、ビギナーの方はピントを外しにくい被写体の正面に立って撮影するのがいいですね。
【3秒でできる撮影テクニック2】逆光気味から細部を起こす
ドラマチックな表現や被写体の質感を表現をしたいなら「逆光気味(半逆光)」の位置から狙ってみてください。ただ普通に逆光で撮ると、カメラの手前にある面や細部は影になっちゃいますよね?
そこで食玩フィギュアのような小さいものならメモ帳などの「白紙」を使ってください
(※下画像、撮影は筆者)。
白色は光を反射させますので、影になりそうな細部まで反射光でいい感じに起こせます。簡易レフ板という感じですね。
(比較画像)【白紙なし】
(比較画像)【白紙使用】
【3秒でできる撮影テクニック3】色をそのままに出したいなら「順光」で!
一方、順光は逆光に比べて派手さがないので平凡な写真になりがちです。でも例えばカラフルな被写体の色味をストレートに伝えたい場合には順光が一番です。
直射日光が当たっている葉っぱを見るとキラキラと輝いているのですが、葉本来の色味とは違う色になっています(逆光)。でも直射日光が当たっていない葉は本来の色になっていると思います(順光)。カメラでも同じですね。
【3秒でできる撮影テクニック4】背景を考える
これまで紹介してきた「3秒でできる撮影テクニック」の中で、もっとも写真のイメージを変えられるのがこの「背景」です。撮影しているとついつい被写体にばかり意識が向いてしまいますが、背景を変えるだけで亀を空に飛び立たせたりして遊ぶこともできます。
また画面全体縦横それぞれ3等分した交点に被写体を置くのもワンポイントです。基本は目線の先を「空けて」撮るといいでしょう。
【3秒でできる撮影テクニック5】自宅で撮影する場合は「窓際」へ移動
食玩フィギュアを撮影するシーンのほとんどが自宅だと思うのですが、家庭用の照明器具の光は色が混ざってしまいます。電球は橙色っぽくなりますし、白い光であるはずの蛍光灯も色味が緑がかった感じになっちゃうんですよね。
プロの照明器具ならいいのですが、へたな家庭の照明器具を使うくらいなら、晴れた日に窓際に行って日光を光源に使ったほうが断然よくなります。
藤林氏が撮影した「海洋堂フィギュア」画像集
【まとめ】
今回藤林氏から教えてもらった「3秒でできる撮影テクニック」をおさらいしておきましょう。
- 被写体と目線の高さを合わせる
- 質感表現には「逆光気味」から白紙で細部を起こす
- 色をストレートに表現したいときは「順光」で
- 背景を考える
- 自宅で撮影する場合はなるべく「窓際」へ
参考までに筆者が撮影した画像の中で、今日イチの出来の画像はこちら。(▼撮影は筆者)
なぜ「コツを聞く→撮影」ではなく、「撮影→コツを聞く」という段取りにしてしまったのか?自分でも不思議でなりません…
■人物紹介カメラマン 藤林慶海知
連絡先:fujibayashi4437☆gmail.com
(※星印を@に変えてください)