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2015.10.13 TUE
PHOTOGRAPHS COURTESY OF NASA/JHUAPL/SWRI
TEXT BY NICK STOCKTON
TRANSLATION BY MINORI YAGURA/GALILEO
WIRED NEWS (US)
氷で覆われた冥王星まで約7.5億kmの距離を移動する未来の開拓者たちは、密閉された宇宙船の空気を吸い、着心地の悪い宇宙服に身を包みながら孤独な旅を続けることになるだろう。
長い時間の経過の中で、彼らは地球のことなど、ほとんど思い出さなくなるはずだ。だが、いよいよ着陸して、この準惑星の空を見たときには、望郷の念が和らぐかもしれない。というのも、冥王星の空は地球と同じ青い色をしていることを科学者たちが発見したからだ。
米航空宇宙局(NASA)は10月8日(米国時間)、冥王星の空色の暈を捉えた画像(上)を公開した。この画像は、無人探査機「ニュー・ホライズン」が7月に撮影したものだ。
冥王星の空が青いのは、地球の空の色と同じように、太陽光を散乱させる小さな粒子が大気に含まれているからだ。この粒子の起源はおそらく、(冥王星が絶えず放出している)窒素分子とほかの微量ガスだろう。これらの分子が、太陽の紫外線を受けて分解されてイオン化し、結合してさらに大きな(といっても、顕微鏡でしか見えないほど小さな)粒子になったと思われる。
粒子自体が青いわけではない。この粒子は赤みを帯びた灰色で、十分な重さがあるため、やがて冥王星の地表に落下する。
NASAが公開した画像には、もうひとつ興味深いものがある。上の近接写真で、便宜上青色に色づけされた部分が見えるだろうか? これは凍った水だ。ニュー・ホライズンに搭載された2台の画像装置によって赤外スペクトルと可視光線のデータを抽出し、それらを組み合わせることによって、氷であることが確認されている。
(水が存在するという事実に加えて)科学者が注目せずにいられないのは、この氷がなぜこの場所、つまり、山脈に挟まれたクレーターの近くの岩石露頭にあるのかということだ。
もうひとつの謎は、この水がカラー画像では鮮やかな赤色に見えることだ。ニュー・ホライズンの担当チームはこの色について、冥王星の青空の原因である大気粒子と、地表の氷の組み合わせが関係していると考えている。
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