よろしくババドック - 『ババドック ~暗闇の魔物~』
ババドック ~暗闇の魔物~
THE BABADOOK
2014/オーストラリア/<未> 監督/ジェニファー・ケント 出演/エシー・デイヴィス/ノア・ワイズマン/他
あのフリードキンが、
「これは『サイコ
と、ツイートした事により、WOWOWでの放送に際し映画ファンの熱視線を集めたオーストラリアのインディーズ・ホラー。ええ、皆様が虚飯を喰らって屁をひって寝たり起きたりしている内にフリードキン御大がそう言ってたんですよ。虚飯を喰らって屁をひって寝たり起きたりしていたからまったく気付かなかった。で、まあ、そんな事はどうでもいいとして、このたび円盤が出たので両掌をこすり合わせながら観た。
ほで、ババドックとは何か? それは1冊の絵本に描かれた魔物の呼び名だ。……と、断片的に記すのには少々含みがあって、本作を最後まで観ていただければ含ませていた理由もお分かりいただけようが、観る時間が無い、或いは、観るのが面倒臭い、という向きも中には居るかも知れんのであって、こしょこしょと説明してみると、ババドックさんはある種の怪異であり、ある種の暗喩でもある……と自分を納得させる事もできるが、その理解では説明し切れぬ演出もある(主にラスト)という七面倒臭い存在で、要するに謎の絵本の中の魔が現実世界に侵食してくるお話なのだけれども、侵食される現実世界も厳しかった、というお話でもあり。
主人公一家がADHD気味の子供を抱える母子家庭、という設定だけでも1本映画を作れそうな程に難儀しているのに、「ババドックの存在を否定すればするほど、その力は強くなる」という設定までもが加わった結果、本作は『シャイニング
また、母親を演じたエシー・デイヴィス、その子供を演じたノア・ワイズマンの顔がとても良い。シングルマザー故のやつれや色気と、不安定な精神を体当たりで演じるその様は文字通り表情豊かで、これが中々姿を見せないババドックと対比を成し、地に足の着いた育児疲れのかたちを提示してくれている。一方そんな母親の表情をも意に介さぬノアの顔は「恐るべき子供たち」の系譜に連なるというか、顔の作りがもううすら不気味なホラー顔で、そのギョロッとした目だけを動かす仕草や問題行動の数々にホラー子役としての優秀な将来性が見える。願わくばこのコンビであと1本と言わず数本くらい撮ってもらいたいものである。
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20151014 │ 映画 │ コメント : 0 │ トラックバック : 0 │ Edit