【球界ここだけの話(328)】
あのときの怒りがまだ収まっていない野村克也氏【拡大】
米大リーグ、マーリンズのイチローが今季最終戦となった5日のフィリーズ戦で、投手としてメジャーのマウンドに上がった。ということで、ピッチャー・イチローといえばこの人。ノムさんこと野村克也さん(80)に感想を聞いてきた。
「見たよ。イチローがやらせてくれと言ったのか? あんなのふざけてるな。天下のメジャーリーグが。何がメジャーだ。あれじゃメジャーじゃなくて、メチャメチャだ」とボヤキ炸裂。「甘やかすからああいうふうになるんだ。すべて仰木(オリックス元監督)が悪い」とバッサリと斬って落とした。
1996年のオールスター第1戦が行われた福岡ドーム(現ヤフオクドーム)の三塁側ベンチ。ノムさんは私に「おい、おまえにネタやるわ」と言って、イチローのピッチャーは許さないと話し始めた。
この話は仰木監督の耳にも入っていたと思うが、翌日の第2戦(東京ドーム)で強行。
「あれには腹が立った。仰木はオールスターなんか出たことがないから(実際は1回出場)、オールスターの意味をわかっていないんだろう。俺がプロに入ったときは、オールスターなんか夢の夢だった。そういう舞台で、遊びじゃないんだ」とノムさんは19年経った今でも怒りは収まらない様子だ。