ニュー・オーダーのベストソング10 by 久保憲司

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前回のジョイ・ディヴィジョンに続き、今回のベストソング10は、10年ぶりとなる新作『ミュージック・コンプリート』をリリースしたニュー・オーダー。その前身バンドであるジョイ・ディヴィジョンの、ボーカリストであるイアン・カーティスの悲劇の自殺後、残されたメンバーが結成したニュー・オーダーはいかにして独自路線を作っていったのか。久保憲司さんが選んだ「ニュー・オーダーのベストソング10曲」を是非チェックしてみてください(編集部)

1. Leave Me Alone




誰がなんと言おうがニュー・オーダーで一番切なく美しい曲でしょう。80年代にライブでやられると涙が出てしまいました。

ニュー・オーダーの凄さって、ポスト・パンクに演歌を持ってきたことですよ。このマイナーな感じ、当時は誰もやっていなかったんです。ピーター・フックが髭を生やしていたように。パンクで髭をはやすなんて、えっーーーという感じだったんです。「今のバンドはみんな髭はやしすぎ、おっさんか」とポール・ウェラーお爺さんが怒ってましたが、パンクとは、ポスト・パンクとは若さの象徴だったので。

誰もやっていないことをするのがニュー・オーダーだったのです。こんな泣きのメロディも当時はありえなかったんです。この泣きのメロディがイタロ・ハウスにつながっていくんですけどね。実に正しい流れです。日本でユーロ・ビートが受けた理由ですよ。ニュー・オーダーは受けなかったですが、いや、今もカルト的な人気があるのはそういうことか!?

この曲マイナーかと思ってたら、コードはCとGなんですね。2コードなのもびっくりしました。キーボード/ギターのジリアンのギターメロがマイナーなんですか??? それともバーニーが悲しい顔で歌うからですか? そんなアホな。謎なバンドです。ギター・メロがBから始まるとマイナーになるんでしょうね、たぶん。理論知らなくって、すいません。




2. Age of Consent




ニュー・オーダーで一番かっこよく元気になる曲。




3. Murder




ニュー・オーダーこんなヤバい曲もあるんですよ。ゴス、ポジパンですよね。さすが、元ポジパンの王者。

戦争! アイ・ヘイト・ゼム! 戦争反対、戦争を憎むと言っているのかと思うんですが、どうも戦争だ、ぶっ殺すと言っているような気がしますね。さすが、ジョイ・ディヴィジョン、ニュー・オーダーですね。


4. Ceremony




イアン・カーティスが残した美しい曲。ヴェルヴェッド・アンダーグラウンドの「オーシャン」のような曲を作ろうとして作った曲でしたっけ。「Leave Me Alone」はこの曲を受け継いでますね。ニュー・オーダーの流れとしてこちらの方向に行くというのもあったと思うのですが。




5. Dreams Never End




イアン・カーティスが死んだ次の日にピーター・フックが持ち込んだ曲。イアンを、自分たちを元気づけようとしている感じが泣ける。「このリフがいいリフなのか、どうなのか、それまではイアンが判断していた。そういう存在を俺たちたちは失ったのだ」とピーター・フックは自伝で語っていた。うー、寂しい。




6. Everything’s Gone Green




ジョイ・ディヴィジョンぽい曲ばっかり選んでいても仕方がないので。ドナ・サマーの「アワー・ラブ」みたいな曲を作りたいと作った曲。ほんまそんな感じですよね。それをロックなパワー感でやっているのがすごい。元々はマーティン・ハネットがプロデュースしていたが、マーティン・ハネットがジョイ・ディヴィジョンのようにメローにしていくのが嫌で色々と口出しをしていたら、マーティンが「じゃ、おまえらがやれ」と出て行ったことから、自分らでプロデュースを始めたそうだ。いい話やないか、ここから本当のニュー・オーダーが始まっていったのだ。

歌詞に目が青い、目が緑と出てくるのは、バーナードがLSDをやった時の光景を描写しているからです。




7. Blue Monday




誰もが知っているダンス・クラシック。この独特なグルーブ感は何だとよく言われていましたが、バーナードが自作したシーケンサーとオーヴァーハイムDMXのリズムマシーンのズレが独特なファンキーさを生んでいる、とバーナードが自伝で語っております。




8. Shellshock




ニュー・オーダーの一番の魅力って、クズと思われがちなディスコ、クラブ・ミュージックを高尚なものに見せたことだと思うんです。この曲なんてシャノンの「ギブ・ミー・トゥナイト」にカラオケしてるだけだろと思わず突っ込みたくなるんですけど、ニュー・オーダーがやるとなんかすごく意味があるような気がするんです。




9. Bizarre Love Triangle




でも、この曲とかやりすぎでよね。昔ピーターが「バーニーはメンバーが機械やったらいいと思ってんねん」と言ってましたが、ニュー・オーダーがクラフトワーク化することはないだろうと思ってましたが、この曲なんか聞くとまさにそうですよね。ピーターのベースもっと前に出してあげたらいいのに。バーニーのソロで出すべきですよね。でも、まっ、とにかくヒット曲出さないといけないというプレッシャーが、だんだんとこんな風になってしまっていったんでしょうね。いい曲ですけど。今聴くと悲しいですね。




10. Restless




新曲いいすね。ピーター・フックのブリブリ・ベースが入ってきたらもっと最高だと思うのに、気にせんでいいから、ピーター・フックしたらいいねん。歌詞は凄いすね。ピーターに対する怒りですよ。”お金、なんぼいるねん。なんぼ、なんぼ? いい車が欲しい、尊敬されたい、ロック・スターかおまえは”。ピーターほんま謝ったほうがいいと思うで。

バーニーも「『Bizarre Love Triangle』の頃はやりすぎたと思うごめん。おまえのバンドの名前がリヴェンジ(復讐)だったというときにもっと気づいとくべきだったわ」と言うべきです。



(久保憲司)

久保憲司

カメラマン&ライター。「ダンス・ドラッグ・ロックンロール ~誰も知らなかった音楽史~」発売中。なんとNO2も出ました。「ザ・ストーン・ローゼズ ロックを変えた1枚のアルバム」 電子書籍「ロックの闘争」お仕事の依頼はkenji.kubo@m6.dion.ne.jpまで。

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