参院・安保法案:採決委員長発言「聴取不能」 議事録公表
毎日新聞 2015年10月13日 20時53分(最終更新 10月13日 22時16分)
◇鴻池委員長判断で「可決すべきものと決定」の補足説明記載
参議院は、安全保障関連法を採決した先月17日の参院平和安全法制特別委員会の議事録を11日付でホームページで公表した。与野党議員が委員長席に詰め寄り混乱する中で採決が行われたため、委員長発言を「聴取不能」としながら、鴻池祥肇委員長(自民)の判断で「いずれも可決すべきものと決定した」などと補足説明を記載した。
議事録は採決場面を「発言する者多く、議場騒然、聴取不能」としているが、末尾に「委員長復席後の議事経過は次の通りである」と追記。追記部分で、関連法案の採決と付帯決議を実施したとし、「いずれも可決すべきものと決定した」「付帯決議を行った」などと記載した。
参院委員部によると、補足説明の記載は参院規則に基づき鴻池氏が指示した。理事会の同意などは不要。同様のケースは、参院国家安全保障特別委員会で特定秘密保護法を採決した際など過去にも例がある。
野党議員は「委員長の声が聞こえず、何を採決しているか分からなかった」と反発していた。自民の谷垣禎一幹事長は「物事を進めていくにはやむを得ない手法」としているが、民主党の細野豪志政調会長は「国会のあり方としてありえない。与党だけが勝手にやるのは認めがたい」と批判している。【高橋克哉】