翁長雄志知事が、名護市辺野古の新基地建設を阻止するための最大の権限といわれる埋め立て承認の取り消しに踏み切る。知事選で多くの民意を得た経緯から、県民の間には「いよいよ」というより、「ようやく」という印象が強いようだ。これまでの発言をたどると、慎重に作業を進めてきた様子が読み取れる。一方の政府は「法律的な瑕疵(かし)はない」と強気の姿勢を貫いてきた。(政経部・福元大輔、東京支社・大野亨恭)
昨年11月の知事選の公約集で、翁長氏は《辺野古に新基地はつくらせません》と明記する一方で、新基地建設の根拠となる埋め立て承認の取り消し、撤回は盛り込まず、期間中の発言にも慎重さが目立った。
「取り消し、撤回は選択肢の一つ。新基地建設に断固反対し、知事権限を十二分に行使したい」
埋め立て承認した仲井真弘多前知事に約10万票の大差をつけ、当選を果たした。同12月10日の知事就任会見では取り消しが可能かどうか、専門家による検証チームをつくり、判断したいとの考えを示した。
「やっぱりあの美しい大浦湾を埋めて新しい基地ができるというのは、どうしても沖縄の戦後の事情を考えると、やってはいけないと思う。法律的な瑕疵があれば埋め立て承認の取り消しが視野に入る」
防衛局は衆院選の影響を避けるなどの理由で中断していた辺野古沿岸の調査作業を2015年1月15日に再開。現場で座り込みを続ける住民から早期取り消しを求める声が相次ぐ。翁長氏は同26日、埋め立て承認を検証するため、弁護士3人と環境の専門家3人の計6人の第三者委員会を設置した。
「委員会の判断を最大限に尊重する。瑕疵がない場合でも辺野古に基地を造らせない私の政策は変わらないので、どういう対処ができるかあらためて考える」
5月に入って、菅義偉官房長官は「辺野古を断念するのは普天間飛行場の固定化を容認することにほかならない」と述べ、知事が承認を取り消した場合でも、対抗措置を講じ、新基地建設を進める考えを示した。翁長氏は反発する。
「固定化で脅しをかけてきたのではないか。何がなんでも辺野古に基地を造り、普天間を移すこと以外は念頭にない姿勢が表れ、大変憤りを感じる」
翁長氏は5~6月に米国を訪れ、前知事の承認で県民全体が新基地に「ゴーサイン」を出したわけではなく、その後の選挙で政治情勢は大きく変化したと強調。取り消しに向けた検証作業が始まっていることを説明した。
第三者委は7月16日、「承認に法律的な瑕疵が認められる」と結論づけた報告書を提出した。
「工事が次の段階に入る等々を横目でにらみながら、判断したい。公正公平な委員会の報告書を最大限尊重し、私の論拠としたい」
取り消しの材料がそろう中、県と政府は8月11日から1カ月間、集中協議を開始し、防衛局の海上作業とともに、県の取り消しの作業もストップする。
しかし、9月7日の最終会合で協議が決裂。防衛局は同12日に作業を開始し、翁長氏は同14日、取り消しを表明して手続きを始めた。
「残念ながら集中協議の中で私の意見を聞いて取り入れようというのは見えてこなかった。最終協議で私が工事を再開するのかと聞くと、(菅官房長官が)そのつもりだという話があったので、その時点で取り消しの決意は固めた」
取り消しで不利益を受ける防衛局から意見を聞く手続きを今月7日に終え、最終段階を迎えていた。
■県と国、前例なき対立 見通しをシミュレーション
翁長雄志知事が埋め立て承認取り消しの意向を固めた。国の埋め立て事業で、承認した県が取り消すのは前例がないといわれる。その行く末を見通すのは大変難しい。弁護士や行政法に詳しい大学教授らに話を聞き、シミュレーションした。
知事が承認を取り消した場合、沖縄防衛局は辺野古新基地建設に向けた作業ができなくなる。防衛局は対抗措置として、行政不服審査法(行審法)に基づき、国土交通相に無効などを求める審査請求と、その裁決が出るまでの暫定的な執行停止を求めるとみられる。
国交相が執行停止を決定した時点で、知事の取り消しの効力は失われ、防衛局は作業を再開できる。
この場合、県の対抗策は大きく二通り考えられる。一つは総務省が設ける国地方係争処理委員会への不服申し立て、もう一つは取り消し訴訟(抗告訴訟)の提起だ。
▽不服申し立て
国地方係争処理委員会への不服申し立てについては、防衛局が国交相に審査請求をした時点で考えられる。だが、地方自治法245条は審査請求に対する裁決などを申し立ての対象から外している。
この場合、県は、国が私人を主張し、国民の権利・利益の救済が目的の行審法に訴えたことを違法として同委員会に不服を申し立てる可能性がある。執行停止を行政処分だと主張し、同委員会に申し立てる可能性はあるが、執行停止は審査請求の付随手続きなので、認められる可能性は低い。
県が執行停止を行政処分だと主張し、国を相手に取り消し訴訟を提起する場合は大きく二つのハードルがある。
一つ目に県と国の対立は、裁判所法3条が裁判の対象に定める「法律上の争訟」なのかどうかだ。一般的には、私人の権利・利益に関わる争いが「法律上の争訟」に当たるとされる。
▽法律上の争訟
二つ目は、行政事件訴訟法9条が定める裁判を起こす権利(原告適格)が県にあるかどうかだ。一般的に取り消し訴訟は、法律上の権利や利益がある当事者しか提訴できないと考えられている。
この「法律上の争訟」と「原告適格」につき、行政体同士の権限や利益に関わる争いにも当たるかについては、事案によって判例や学説の見解は分かれる。
1989年、那覇市が情報公開条例に基づいて自衛隊那覇基地に建設予定の対潜水艦戦作戦センター(ASWOC)の資料の一部を市民に公開することを決めたのに対し、国が決定の取り消しを求めた訴訟で、2001年の最高裁判決は「法律上の争訟に当たる」と判断したが、国の原告適格は否定した。
また県は、1999年の地方自治法改正後、国と地方が対等関係になったことで定着しつつある地方公共団体の「自治権」を法律上の権利と主張し、その侵害を訴えて提訴に踏み切る可能性がある。(社会部・国吉聡志)
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日米両政府は96年、宜野湾市の米軍普天間飛行場移設返還で合意、99年に名護市辺野古の沖合での代替滑走路建設を決めた。2006年、移設位置を陸側へ寄せ、岬の上でV字形に滑走路2本を建設する計画に変更された。しかしオスプレイの訓練激化や、ステルス最新鋭戦闘機F35の運用、軍港機能整備を米側が想定していることも判明。実態は代替施設ではなく機能強化した新基地の建設であり、米軍基地が沖縄に長く固定化される恐れがあるとして名護市や市民団体が強く反発している。
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