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【社会】

秘密保護法「完全施行」って? 職員ら「適性」チェックに時間

 特定秘密保護法が十二月一日に完全施行されることが決まった。完全施行とはどういうことか。

 Q 特定秘密保護法は昨年十二月十日に施行されたはずだけど?

 A 特定秘密は、秘密を漏らす恐れがないか調べる「適性評価」を受け、恐れがないと認められた職員でなければ取り扱ってはならないと法律で決められている。ただ、対象者が多く、昨年の施行までに適性評価が間に合わないので、一昨年の公布から二年を超えない範囲で、従来の特別管理秘密などを取り扱っていた職員が取り扱えるという経過措置を設けていた。十二月一日以降は適性評価で問題ないと判断された職員しか取り扱えなくなる。

 Q 特定秘密を取り扱う公務員だけの話なの。

 A いえ。防衛産業など特定秘密を持つ民間企業(適合事業者)の社員なども対象で、十二月から民間企業でも適性評価を受けた人しか扱えなくなる。

 Q そもそも適性評価は何を調査されるの。

 A 対象者本人について、スパイ活動やテロと関係があるか▽犯罪や懲戒の経歴▽情報の取り扱いに関する規則を順守しているか▽薬物の乱用や影響▽精神疾患の病歴▽酒癖▽クレジットカードによる商品購入の借り入れや借金などの経済的な状況−が調べられるだけでなく、配偶者や親、子、兄弟姉妹、同居人の国籍や住所、氏名、生年月日も調べられる。民間企業の社員も同じ。プライバシー侵害だけでなく、内部告発がしにくい組織体質の強化につながりかねないと批判されている。

 Q 誰が調査するの。

 A 特定秘密を指定できる防衛省や外務省、警察庁など二十行政機関(十月一日発足の防衛装備庁が加わる)がそれぞれ調査する。当初は警察による調査の代行が危惧されたが、運用基準で「他の行政機関の職員や他の行政機関が契約する民間業者の適性評価の調査を代行してはならない」と明記された。将来、この方針が変えられないようチェックする必要がある。

 Q 適性評価の対象者って何人ぐらいいるの。

 A 事務担当の内閣情報調査室(内調)もまだ具体的な人数は集計していない。内調によると、従来の特別管理秘密を取り扱う国の機関の職員は約六万六千人、自衛隊法の防衛秘密を扱ってきた防衛産業などの民間人は約三千三百人で、これが目安になる。都道府県警察の警備部門の職員数は約二万九千人で、このうちの一部も対象になる。

 

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