■家族全体が受賞者のキュリー家
ノーベル賞の歴史に最も多く名を残しているのは、キュリー一家だ。「キュリー夫人」の名でよく知られるマリー・キュリーは、1903年に夫のピエール・キュリーと物理学賞を共同受賞し、11年には化学賞を単独受賞した。キュリーの長女イレーヌと夫のフレデリック・ジョリオもまた、35年にノーベル化学賞を共同受賞した。次女の夫、ヘンリー・リチャードソン・ラブイス・ジュニアが65年にユニセフ(国連児童基金)代表としてノーベル平和賞を受賞したのも含めると、一家はノーベル賞受賞者を5人も輩出した。
キュリー一家ほどではないものの、夫婦や父子で受賞したケースも多い。ゲティ・コリとカール・コリ(1947年、医学生理学賞)、エドバルド・モーセルとマイブリット・モーセル(2014年医学生理学賞)など、計5組の夫婦がノーベル賞を共同受賞した。
02年にノーベル物理学賞を取った小柴昌俊・東京大学名誉教授と、今年の物理学賞を取った梶田隆章・東京大学宇宙線研究所長のように、師弟受賞はノーベル賞史上しばしば見られる。時代の先駆けとなった研究者の下から優れた弟子が出てくるのは、ある意味当然のこと、というわけだ。
■韓国生まれの自然科学系受賞者も
現代世界が形成された第2次大戦以降のノーベル賞受賞者の数は、米国が326人で圧倒的トップ。英国が86人で続き、以下ドイツ(56人)、フランス(36人)、日本(25人)の順だ。
出生国でいえば、韓国も2000年の金大中(キム・デジュン)大統領の平和賞受賞に先駆けて、化学賞の受賞者を出している。1987年にノーベル化学賞を受賞した米国デュポン社のチャールズ・ジョン・ペダーセン博士は、大韓帝国時代の1904年に釜山で、ノルウェー人エンジニアと日本人の母親との間に生まれた。