トップページスポーツニュース一覧ラグビー代表帰国会見 「選手は新しいヒーロー」
ニュース詳細

ラグビー代表帰国会見 「選手は新しいヒーロー」
10月13日 19時10分

ラグビー代表帰国会見 「選手は新しいヒーロー」
k10010268491_201510131806_201510131806.mp4
ラグビーのワールドカップ、イングランド大会で1次リーグで3勝を挙げる快進撃を見せた日本代表が、13日帰国し記者会見でエディー・ジョーンズヘッドコーチは、「ここにいる選手たちは新しいヒーローだ。ハードワークし続け、さらに勇気を持って戦った」とメンバーをたたえました。
日本代表の選手たちは、13日午後帰国し、夕方5時すぎから東京都内で記者会見に臨みました。ジョーンズヘッドコーチは、初めに日本語で、「新しいラグビーの歴史を作りました」と話したうえで、選手一人一人のプレーの特徴を挙げながら、「ここにいる選手たちは新しいヒーローだ。ハードワークし続け、さらに勇気を持って戦った」とメンバーをたたえました。そのうえで、「今回の成功は、次が大事だ。新しい能力ある選手を発掘し、ここにいる選手も向上しなければいけない」と今後の日本代表に期待を寄せました。
キャプテンのリーチマイケル選手は、「ここにいる男たちは、毎試合、体を張り、日本の皆さんに勇気を与えた。このチームのキャプテンを誇りに思う」と話しました。
安定したキックを武器に活躍した五郎丸歩選手は、「19歳で日本代表に入り、ワールドカップ出場まで10年かかったが、非常に楽しく最高の時間だった。日本や世界の皆さんとその時間を共有できたことをうれしく思う」と笑顔で話しました。またフォワードで活躍した堀江翔太選手は、「日本代表はこれでおしまいではなく、これからどう盛り上げるかが大切だ。国内のトップリーグ、さらにスーパーラグビーと1歩ずつ成功しないといけない。この人気をさらに上げていけるように頑張りたい」と今後を見据えました。

最年長・大野「今の盛り上がりを文化に」

日本代表の中で最年長の37歳、大野均選手は「ここにいる31人全員が日本の皆さんが誇りに思うようなパフォーマンスをしたことをうれしく思う。自分自身、人生でいちばん、おいしいお酒を飲むことができた」と話しました。そして大野選手は「決勝トーナメントに行けなかったのは残念だが、3勝することができて、日本代表になって12年間、ずっとほしかった勝利を勝ち取ることが出来た。羽田空港で多くの人たちが出迎えてくれたことは、代表でプレーしてきてずっと見たいと思ってきた光景だったのでうれしかった。今の盛り上がりを文化として根付かせるように来月から始まるリーグ戦に臨みたい」と感慨深い表情で話していました。
また、スクラムハーフの田中史朗選手は「4年前に結果を残せず悔しい思いしたが、今回は体を張った結果、3勝できた。日本ラグビーがここまで変わって
うれしいと思う」と話しました。
早稲田大の藤田慶和選手は「最高の仲間とプレーすることができて幸せだ。ベスト8には届かなかったが、3勝できたので、2019年に向けてよいスタートが切れた。2019年のベスト8、ベスト4を目指したい」と4年後の大会を見据えていました。

リーチ「プレッシャーの中で力出せた」

会見の後、キャプテンのリーチマイケル選手は「世界でいちばん小さいチームがいちばん大きいチームに勝つことについて世界中からすばらしいことと言われていて注目されるのはうれしい」と南アフリカ戦の勝利を振り返りました。
また、大会期間中に変わったことと変わらなかったことを聞かれると「いちばん変わったことはプレッシャーがある中でも自分の力を出せたことで、いちばんの成長だと思う。変わらなかったことは練習量。『ちょっと減らす』と言われていたが、相変わらずハードワーク、毎日毎日がハードワークでした」と苦笑いしていました。
さらに4年後のワールドカップ日本大会に向けて必要なこととしては「潜在能力がある選手を1人増やすことだと思う。今のチームは15人全員でトライを取るチームだが、バックス、フォワードともにどこでもトライが取ることができる選手を増やせばもっと楽に勝てると思うし、結果的にベスト8以上、行けることができればうれしい」と話していました。

五郎丸「3勝挙げたが悔しいという思い」

キックを武器に活躍した五郎丸歩選手は記者会見の後の取材で、自身がキックの前に行う動作について触れ、「あのルーチンはずっとやってきた。大舞台であればあるほど積み上げたものしか出ないと思っていたので、結果として出せたことはうれしかった」としみじみと話していました。さらに大会を振り返り、「3勝を挙げたが、選手みんなが悔しいという思いを出していた。次の世代はその上を目指してくれると思う。ラグビー界だけではなく、世界のスポーツ界が、日本のラグビーに注目した3週間だった。4年後のワールドカップ日本大会、さらに2020年の東京オリンピックに向け、日本でのスポーツのとらえ方が少しずつ変わっていくといいなと思う。スポーツを文化に、という思いは、ラグビーの選手も強い」と話していました。

堀江「作り上げた基礎からさらに伸びたい」

フォワードの堀江翔太選手は帰国後の国内の盛り上がりについて「すごいですね。ここまですごいと想像していなかったのでうれしい」と話しました。
また、南アフリカ戦の勝利については「僕自身は行けると思っていた。南アフリカは日本相手に『なめてくるだろう』と思っていたが、こちらは数か月かけて準備してきたので自信があった。最後の最後で接戦に持ち込んで流れが来たらいいなと思っていたが、『ハードワーク』したことで流れが来たと思う」と振り返っていました。
さらに3勝したものの目標のベスト8に届かなかったことについては「非常に悔しい。スコットランドに大敗したのは足りないところが確実にあったからだと思う。これで満足せずにもっと伸びると思って、作り上げた基礎を大事に、これを底辺にしてさらに伸びていきたい」と先を見据えていました。

畠山「ラグビー通じて勇気を伝えたい」

フォワードの畠山健介選手は、3勝を挙げたものの目標としていたベスト8に届かなかったことについて、「3勝したことは誇らしいが、あくまで目標はベスト8で、そこまで行って本当の意味で歴史を変えられたと思うので、非常に悔しい」と大会を振り返りました。
体格で勝る外国勢に対して引けを取らなかったことについては、「『小さいと不利だ』と思った時点で優位に立てないので、その考えを捨て、スクラムやラインアウトで相手を研究してしっかり準備をして、賢くプレーしたことが、結果につながったと思う。かなりの努力はいるが、自分たちの強みを理解して、ハードワークすれば、戦っていけると思う」と今後への手応えを述べました。
畠山選手は宮城・気仙沼市の出身で、「4年前の震災で被災したかたや、今までラグビーを知らなかったかたにも、『日本がすごいことをした』と明るい話題を伝えて、勇気づけられたのではないかと思う。4年後のワールドカップは、岩手県釜石市での開催も予定されているので、ラグビーを通じて、今後ももっと明るい話題や勇気を伝えていきたい」と4年後を見据えていました。

稲垣「きょうから4年後へ始める」

フォワードの稲垣啓太選手は、羽田空港でおよそ500人のファンの歓迎を受け、「これまでにないような光景で、『日本のラグビーを変えられた』と感じたし、新鮮でうれしかった」と話しました。
そして、大会を振り返って、3勝を挙げたもののベスト8には届かなかったことについては、「過去の歴史を考えると3勝はすごいことだが、結果としては、ベスト8に入れなかったことしか残らない。僕にとっては3勝はもう終わったことで、同じことをやっていても上はないので、今まで以上のハードワークをしなければならないここからが大変だと思う。自分自身も足りないものを見つけて変えていきたいし、きょうから4年後に向けて始めて行きたい」と今後を見据えていました。
また、新潟市出身の稲垣選手は、地元からの応援について、「僕の名前が書かれた旗が地元に掲げられている写真を送ってくれたり、時差があるなかで『試合を見て応援している』ということばをかけてもらったりして、とても力になった」と笑顔で感謝していました。

藤田「リオ五輪出場権勝ち取りたい」

22歳の大学4年生、バックスの藤田慶和選手は「最初は緊張するかと思ったが、全く緊張することなく、いつもどおりのプレーをすることができた。4年に一度の大会で、最高の経験ができた」と大会を振り返りました。また、今大会限りで退任するエディージョーンズヘッドコーチについて、「ここまで大きなけがを2回したが、そのときに『ただリハビリをするのではなく、世界を基準に努力しないと代表に戻ってこられない』と言われたことが印象に残っている。勝ちたければ基準を世界に向けることが大切だと指導を受けて感じたし、それが浸透したことが今回の3勝につながったと思う」と話していました。
藤田選手は、来月行われる7人制ラグビーのリオデジャネイロオリンピック予選に出場する意向も示していて、「今回の大会で、どんな環境でもプレーする力がついたと思う。この経験を生かし、来月の予選で出場権を勝ち取って、来年のオリンピックでも皆さんに応援してもらいたい」と意欲を見せていました。
そのうえで、4年後のワールドカップに向けて、「今まで最年少で、リーダーに引っ張ってもらいここまでやってきた。4年後には自分がチームを引っ張る選手になり、オールブラックスのように勝ち続けるチームにしたい」と、さらなる成長を誓いました。

松島「今後はチーム引っ張る存在に」

22歳のバックス松島幸太朗選手は「目標のベスト8には進めなかったが、3勝できたことは、自分としてはいい結果だと思う。個人的には、攻撃はもっとアピールできたが、しっかりタックルに入れたし、守りもできることを見せられたと思う。チームとして準備してきたことは大会を通してできていたし、プラスになったと思う」と大会を振り返りました。
そのうえで、4年後のワールドカップに向けて、「ジョーンズヘッドコーチが残した日本のアタッキングラグビーを選手たちがどうまとめていくかが大事だと思う。選手としては、ボールをもらったら相手の守備を必ず破ることができるようになっていきたい。今後に向けて、リーダーシップをどんどん出していきたいし、チームを引っ張ることができる存在になりたい」と意気込みを話していました。

立川「4年後はベスト4目指す」

立川理道選手は、羽田空港でおよそ500人のファンの歓迎を受け、「多くのファンが来てくれ、待ちわびていた瞬間で素直にうれしかった。イギリスにいた時も地元の人から『おめでとう』とか『南アフリカ戦はすごかった』とか声をかけてもらったので、日本だけではなく世界に衝撃を与えられたのだと思う」と述べて、今回の日本代表の活躍の大きさを実感した様子でした。そして、大会を振り返り、3勝を挙げたものの目標としていたベスト8に届かなかったことについては、「選手だけでなくスタッフも含めて全員がハードワークして勝ちとることができた3勝だと思うが、これで満足している選手は1人もいないと思う。報道などを見れば、まだワールドカップは続いているし少し寂しい気持ちもある」と話していました。また、この大会で退任するエディージョーンズヘッドコーチについては、「常にポジティブで、自信がつくことばをかけてもらい、自信を持ってプレーできたことが大きかった」と感謝していました。
そのうえで、次の4年後のワールドカップに向けて、「ベスト8ではなくベスト4を目指して努力していくことが大事だと思うので、その気持ちでやっていきたい」と、さらに高い目標を掲げていました。

次期ヘッドコーチは変化支える人材を

記者会見で日本代表の岩渕健輔ゼネラルマネージャーは退任するエディー・ジョーンズヘッドコーチに代わる新しいヘッドコーチの人選について「今回、3勝を挙げたので、2019年の大会はそれ以上の成績を収めないといけない。ここにいる日本の選手たちはこれまで以上に変わらないといけないし、そういうことを支え、力を出せるようなヘッドコーチが望ましいと考え人選を進めている」と話していました。

関連ニュース

このページの先頭へ