◇三菱重工業とＪＡＸＡ　２９号機を１１月２４日に

　三菱重工業と宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）は１８日、カナダの衛星運用大手テレサット社の通信放送衛星「テルスター１２Ｖ」を搭載したＨ２Ａロケット２９号機を、１１月２４日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げると発表した。三菱重工の打ち上げ事業はこれまでＪＡＸＡなど官公需の衛星や探査機だけだったため、初の商業衛星の打ち上げとなる。

　テルスター１２Ｖは重さ約４．９トンで、高度約３万６０００キロの静止軌道に投入される。打ち上げ予定時間は午後３時２３分〜同５時７分。

　２９号機は飛行時間を延ばして予定軌道の近くまで飛ばすなど「高度化」と呼ぶ新技術を採用。さらに円安傾向によって競争力を強めて受注にこぎつけた。三菱重工は他に、衛星通信会社のスカパーＪＳＡＴ（東京）と、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のドバイ政府機関から衛星打ち上げを受注している。【斎藤広子】