ネパール:制憲議会が憲法草案承認 7年の空白に終止符
毎日新聞 2015年09月17日 20時55分(最終更新 09月17日 21時28分)
【ニューデリー金子淳】ネパールの制憲議会は16日、国内を7州に区分することなどを決めた憲法草案を承認した。20日に正式に公布される見通し。ネパールは2008年に連邦共和制に移行して以来、憲法草案を巡る政治対立で7年以上にわたり憲法がなかったが、ようやく異常な状態に終止符が打たれた。ただ、一部の少数民族などは州の区分などを巡り抗議活動を続けており、デモが拡大すれば政情不安が深まる恐れもある。
AP通信などによると、憲法草案の採決は定数601のうち、賛成507票、反対25票が投じられ、必要とされる3分の2以上の賛成を得て承認された。野党議員の一部は採決をボイコットした。
ネパールでは06年に政府とネパール共産党毛沢東主義派との内戦が終結。08年に立憲君主制が廃止され、連邦共和制に移行した。制憲議会は速やかに新憲法の制定を進めるはずだったが、主要政党が州の区分などを巡り対立。制定期限はたびたび延期され、7年以上にわたり憲法がない状態となっていた。
だが、今年4月に約9000人が死亡した大地震が発生したのを契機に、主要政党は6月、復興を早めるために憲法の早期制定で合意。停滞していた起草作業が一気に動き、憲法制定につながった。