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 中国当局に拘束された著名な女性人権派弁護士王宇氏の息子、包卓軒さん(16)ら3人が隣国のミャンマーで何者かに拘束されて失踪した事件で、一家を支援する弁護士らが12日までに中国政府に対し、事実関係の調査や3人の身の安全の保証を求めた。

 弁護士や人権活動家らのグループは中国の公安当局が失踪に関与し、中国に連れ戻したとの見方を強め、それぞれ声明を発表。3人の居場所や処遇を明らかにする▽身の安全を保証する▽ミャンマー政府に調査を求める▽弁護士や家族らへの違法行為や嫌がらせをやめる、などを求めている。

 これに対し、中国外務省は12日の会見で「聞いたことがないし、分からない」とした。共産党機関紙人民日報系の「環球時報」は13日、「まるでハリウッド映画のような話だ。理屈から言えば、子どもはだまされてミャンマーに連れて行かれたと考えられる」との論評を掲載した。

 包さんは、両親が7月に拘束された後、内モンゴル自治区の母親の実家で暮らしていたが、当局の厳しい監視が続くため、ミャンマー経由で海外に留学しようとしたとみられる。雲南省に近いミャンマーの町モンラーで6日、支援していた人権活動家2人とともに、ミャンマー警察を名乗る集団に拘束された。(広州=延与光貞)

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