環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の要旨【小麦・大麦】
・国家貿易制度と枠外関税(小麦は1キロ当たり55円、大麦は同39円)を維持。
・優遇輸入枠を設定。関税に当たる「輸入差益」を9年目までに45%削減し、新設優遇枠にも適用。
【砂糖】
・ココア調製品などに一定の無関税枠。
【牛肉】
・関税撤廃を回避。輸入急増時に関税率を戻す緊急輸入制限(セーフガード)を設けた上で関税を削減。
・関税は現行の38.5%から発効直後に27.5%、段階的に下げて16年目以降は9%。
・16年目以降、4年間発動がなければセーフガードを廃止。
【豚肉】
・現行の関税制度は維持。
・高価格帯の関税率は現行の4.3%から段階的に引き下げ、10年目以降はゼロ。
・低価格帯は1キロ482円を段階的に下げ、10年目以降は1キロ50円。
・セーフガードを導入するが12年目以降は廃止。
【乳製品】
・現行の国家貿易制度を維持。
・バターと脱脂粉乳の優遇輸入枠を新設。
・発効当初は生乳換算で6万トンから6年目以降は7万トン。
【水産物】
・アジ、サバは12~16年目までに関税を撤廃。主要なマグロ類とサケ・マス類、ブリ、スルメイカなどは11年目までに撤廃。
【工業製品】
・日本からの輸出品にかかる関税は11カ国全体で99.9%の品目で撤廃。
・自動車は米国が完成車に課す2.5%の関税を25年かけて撤廃。
・自動車部品は全品目の81.3%(輸出額ベース)で即時撤廃。
【ルール分野】
・バイオ医薬品の開発データの保護期間を実質8年とする。
・著作権の保護期間は作者の死後、少なくとも70年とする。
・海賊版など著作物の違法な複製を告訴なしで取り締まれるようにする。(アトランタ 共同)