菅義偉官房長官は13日午前の記者会見で、天皇、皇后両陛下が来年早々にもフィリピンを訪問することで調整に入ったと明らかにした。来年、両国が国交正常化60周年を迎え、同国政府から両陛下に招待があった。即位後の同国への訪問は初めて。宮内庁によると、来年1月後半から2月初めの日程を検討している。

 宮内庁幹部によると、両陛下は長く太平洋戦争の激戦地だったフィリピンに心を寄せており、今回の訪問では、戦没者を慰霊する日程を検討していくという。

 今年6月、皇居・宮殿で同国のアキノ大統領を迎えた宮中晩餐会(ばんさんかい)があり、天皇陛下は、太平洋戦争中、フィリピンで多くの人が犠牲になったことに触れ「私ども日本人が深い痛恨の心と共に、長く忘れてはならない」と語っていた。