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【マイナンバー汚職】
異能のノンキャリ、情報政策に精通 逮捕の中安容疑者
ある厚労省職員は、中安容疑者がワインレッドのシャツに黒のネクタイ、くるぶしまでの長いトレンチコートと高級ブランドで身を固めた姿で省内を歩いていたことを覚えている。「金回りがいい人だな」。この職員はそう感じたという。
「外にもパイプがあるので、いつでも役所は辞められる」「自分に近い国会議員もたくさんいるし、人脈は持っている」。同省の中堅官僚によると、中安容疑者は口癖のように周囲にそう吹聴。「勉強家だが、野心家でもあった」と振り返る。
情報技術にも詳しく、マイナンバー制度に消極的な上司に対しても、積極活用を強く主張していた中安容疑者。一緒に数回、仕事をしたことがあるという厚労省職員は「能力が高く、代わりの人材がいないからずっと同じ部署に置かれていたのだろう。上司も彼があまりにベテランで、逆らえない雰囲気があったのではないか」と推測している。