金属トレーダーら、謙虚になって傷癒やし合う-価格下落長期化で
2015/10/13 12:05 JST
(ブルームバーグ):金属トレーダーらは、価格が上昇しようが下落しようが利益を上げることができると考えているケースが多い。しかし、最近ではそうでもなくなってきた。
中国経済の減速と信用環境の悪化による打撃を受けているためだ。ノーブル・グループやトラフィギュラなどの取引会社では著名幹部が相次いで退社し、各社は倉庫事業を縮小している。多くの企業にとって不可欠な収入源であるアルミニウム在庫のプレミアム(割増金)の低下も利益の減少につながっている。
影響は深刻だ。グレンコアは金属取引部門の1-6月(上期)利払い・税引前利益(EBIT)は50%減少し4億4400万ドル(約530億円)になったと発表した。
取引各社の業績低迷は、金属市場関係者が集まり今週開催されている「LME(ロンドン金属取引所)ウイーク」で主要な話題の一つとなっている。ただ、低迷はアルミプレミアムの低下による一時的なものだと指摘する関係者もいる。プレミアムは、金属を確保するため実需業者がLMEの価格に上乗せして支払う金額を指す。
約50年にわたって金属市場調査に携わるリオン・コンサルティング・アジアのコンサルタント、マイケル・リオン氏は「現時点では、われわれは厳しい荒波の中にいる。圧力にさらされている買い手は、何をいつ購入するかや、購入方法についての選択に強くこだわるようになるだろう」と述べた。
ロンドン市場で取引される金属6種で構成するLMEX指数は今年に入って16%低下。下落率は2008年の金融危機時の方が大きかったものの、世界最大の消費国である中国の景気減速が長引いているため下落は長期化している。
原題:Humbled Metal Traders Lick Wounds Amid Slump, Ponder Next Moves(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Agnieszka de Sousa atroszkiewic@bloomberg.net;ジュネーブ Andy Hoffman ahoffman31@bloomberg.net;ロンドン Javier Blas jblas3@bloomberg.net
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更新日時: 2015/10/13 12:05 JST