米KKR:商品相場と新興市場の株価はさらに下落すると警鐘
2015/10/13 11:09 JST
(ブルームバーグ):最近の商品相場と新興市場の資産価格の回復については胸を躍らせる理由はほとんどないとの見方を、プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資大手、米KKRが示した。同社は5カ月前、新興市場の株価下落を的確に予測した。
KKRでグローバルマクロ・アセットアロケーションの責任者を務めるヘンリー・マクベイ氏は同社のウェブサイトに投稿した文書で、中国は引き続き融資の伸びを抑制すると予想され、それによってここ数年の商品ブームのけん引役の一つである工場と機械向け投資が削減されると指摘した。
最近アジアを訪問したマクベイ氏とフランセス・リム氏は文書で「多くのハードコモディティ(鉱物)の価格がさらに下落する可能性が高い」と予想。「価格が回復してもそれは反発であり、中国経済が再び持続的に加速しているわけではなく構造的な逆風は引き続き強いと見なすだろう」と述べた。
中国が景気てこ入れに向け対策を講じるとの観測を背景に、MSCI新興市場指数は12日、2カ月ぶりの高水準に上昇。商品価格は8月に付けた16年ぶりの安値を約6%上回る水準で推移している。商品価格の下落と中国の景気減速に伴ってブラジルやマレーシアなどの輸出が軟化する中、MSCI新興市場指数は依然として年初来で約10%下げており、年間ベースでは3年連続の低下となる可能性が高まっている。
マクベイ氏は、アジア諸国はここ数年、中国の需要を満たすことに方向転換していたため、中国の景気減速はアジア諸国が「おじけづいた」状態が続くことを意味すると予想。アジアなど新興国の通貨リスクに対してヘッジすることが「必須」となりつつあると指摘した。
原題:KKR Warns About Renewed Commodity, Emerging-Market Rout on China(抜粋)
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更新日時: 2015/10/13 11:09 JST