地域根ざす文芸誌に育てたい 京都の出版社が「洛草」創刊
京都市右京区の出版社「しろうべえ書房」が、京都で過ごす時間をより楽しめるようにと、京都文芸「洛草」を創刊した。「地域に根ざした冊子として、京都を代表する文芸誌に育てたい」と意気込みを語っている。
創刊号の巻頭特集は「太秦ハリウッド」。映画の撮影所として知られる同区太秦にまつわる連続企画で、故市川崑監督の助監督も務めた元大映スタッフの辻光明さんが、中村鴈治郎ら往年の俳優や、撮影所に来た三島由紀夫らの素顔を語っている。
辻さんが市川雷蔵と一緒に映った写真や、せりふの変更を手書きした台本など、他では目にすることのできない資料を紹介した。「地域の記録とともに、映画界の記録資料として後世に残したい」との思いも込めた。
投稿作品も紹介する。論考や散文、エッセイとジャンルは幅広く、芥川賞作家の藤野可織さんをはじめ、大工や会社員、彫刻家ら20代~60代までの多彩な市民の作品を楽しめる。
同書房はこれまで、主に絵本や小説コミック雑誌を発行してきたが、文芸誌として独立したジャンルの雑誌をつくろうと構想を温めてきた。洛草は、多くの文芸誌が生まれた大正時代の雑誌をイメージし、表紙の色合いや活字の書体を当時の雰囲気に近づけた。
8月に初版300部を発行して増刷中。編集長の敷島宗介さん(28)は「実際に手にとって、京都の風土で育った文化を本を通して味わってほしい」と話す。
不定期刊で600円。下京区のFUTABA+京都マルイ店など市内の一部書店などで販売している。問い合わせはしろうべえ書房TEL075(200)8909
【 2015年10月13日 10時30分 】