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【プロ野球】ロッテ5年周期の下克上!! 涌井、熱投143球!!2015年10月13日 紙面から
◇CS ファーストステージ第3戦 ロッテ2ー1日本ハム5年ぶり下克上へ、第1関門突破−。パ・リーグのシーズン3位のロッテが12日、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦(札幌ドーム)で日本ハムに2−1で勝ち、2勝1敗としてファイナルステージ進出を決めた。2005年にはシーズン2位(プレーオフに勝ち優勝)から、10年には同3位から日本一に輝いたミラクル軍団。「5年周期」の実現に向けて、14日からのファイナルステージ(ヤフオクドーム)でシーズン90勝の最強ソフトバンクに挑む。 ◇ 最大のピンチでクールな男がほえた。3回1死満塁。ロッテの涌井が、レアードを外角フォークで空振り三振に仕留め、力強くグラブをたたいた。普段、感情を表に出さない右腕がヒートアップした。 「最悪1点取られてもいいと思った。けど近藤を抑えて0点で抑えようと思った」。この回、2安打と四球で無死満塁と追い込まれていた。しかし近藤を投ゴロに抑え1つ目のアウトを取るとギアチェンジ。「ここしかないところに投げられた」という会心の1球でレアードを仕留めると、もう前しか見えない。続く矢野を147キロ真っすぐで二飛に打ち取り、不穏な空気をすっかり振り払った。 滑り出しは最悪だった。「期待に応えたい気持ちが空回りした」。1回先頭の陽を一ゴロに打ち取ったが、ベースカバーに向かう途中、人工芝につまずき、前のめりに転倒した。すりむいた右手首と左膝を治療後、マウンドに戻ると四球と田中、中田の連続安打であっさり先制点を献上した。 そこで自滅しないのがエースの真骨頂だ。1回の1失点だけでしのぎ、7回1死一塁で陽岱鋼に四球を与えたところでお役御免となった。試合を作った。それでも「きちんと終われれば良かった。申し訳ない気持ち」と反省の弁。おごることなく自身を律した。 6日の楽天戦で延長10回137球、中5日のこの日は143球のタフネスぶり。「チェンが頑張っていたし、大谷さんが打たれて落ち込んでいた。何とか勝って昨日の負けをなくそうと思っていた」。第2戦。チェンは5イニングを1失点の粘投、中継ぎエースの大谷は3失点で逆転を許した。2人のためにも負けられない。おとこ気たっぷりの計280球だった。 「負けてもずっと使ってくれた恩返しがしたかった」。西武からロッテにFA移籍した昨季は8勝12敗、防御率4・21と不本意な成績。感謝の気持ち。エースのプライドと意地。本来の輝きを取り戻した今季は、日本ハムの大谷と並ぶリーグ最多の15勝をマーク。2009年以来、6年ぶり3度目となる最多勝のタイトルを獲得した。 落合投手コーチは「今日は涌井に尽きる」と最敬礼。「無死満塁をしのいだときに、勝たせてくれるというお告げかと思った。涌井を信じていたから代え時は難しくなかった」と期待通りの活躍に目を細めた。 福岡行きのチケットは手にした。シーズン終盤から負けられない試合を続けてきた粘り強さは強みだ。ハムを平らげ、次はタカ退治。5年ぶりの日本一に突き進む。(小林良二) PR情報
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