テヘラン=神田大介
2015年10月13日10時22分
岸田文雄外相が12日、イランを訪問し、首都テヘランで同国のザリフ外相と会談した。両者はイランによる原子力の民生利用を日本が支援することで一致。東京電力福島第一原発事故などを教訓に、地震への備えや事故時の対処について知識を授ける。また、両国は投資協定を結ぶことでも合意した。
米欧など6カ国とイランが7月に結んだ核合意は、イランに発電や医療のための小規模な核開発を認めるかわりに、「原子力安全センター」をつくって専門知識や技術を習得するように定めている。合意文書には「6カ国か他の国がセンター設立に協力する」とだけ書かれており、日本が名乗りを上げた形だ。
外相会談後に発表された共同声明によると、日本はセンターに専門家を派遣。原子力事故が起きた場合の対応策や、耐震構造の重要性、核物質の計量や管理についてイラン側に研修する。核合意を履行する準備が整う来年以降に行われる見通しだ。岸田外相は「日本が知見を有する分野で貢献し、協力を続けたい」と述べた。
また、日本とイランは投資協定を結ぶことで合意した。イラン進出を考える日本企業には追い風となる。イランとの投資協定はドイツやフランス、中国や韓国など52カ国が結んでおり、交渉開始から約1カ月のスピード合意となった。経済、環境など様々な分野で連携する「日・イラン協力協議会」の立ち上げでも一致。ザリフ外相は会見で「両国の関係は非常に明るい展望がある」と話した。(テヘラン=神田大介)
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