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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画をめぐり、同県の翁長雄志(おながたけし)知事は13日朝、移設予定地の同県名護市辺野古の埋め立て承認を取り消す文書を決裁した。翁長知事が同日午前に記者会見して発表するとともに、県職員が埋め立ての事業主体である沖縄防衛局に通知書を届ける。

 知事の承認が取り消されたことで、米軍基地の移設に伴う埋め立て事業が法的根拠を失うという異例の事態になる。国はただちに行政不服審査法に基づく不服審査請求などの対抗措置をとるとみられる。県側も法的な対抗手段を検討しており、最終的には法廷での争いに発展する可能性がある。

 移設計画は、普天間飛行場に替わる基地施設を造るため辺野古沿岸部約160ヘクタールを埋め立てる予定。公有水面埋立法に基づき、沖縄防衛局が2013年3月に埋め立てを申請し、当時の仲井真弘多(ひろかず)知事が同年12月に承認した。

 翁長氏は14年11月、普天間の県内移設反対を掲げて初当選。埋め立てを承認した審査過程を検証する第三者委員会は今年7月、「法律的な瑕疵(かし)がある」との報告書を提出しており、翁長氏は9月14日に「取り消しに向けた手続きを始める」と表明していた。(上遠野郷)