里見女流名人、苦しい出だし…連敗スタートから四段昇段は5人だけ
2015年10月13日6時0分 スポーツ報知
将棋の里見香奈女流名人(23)=女流王位=が12日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた棋士養成機関「奨励会」三段リーグの1・2回戦に初参加したが、連敗スタートとなった。
女流棋戦と並行し、女性として初めての棋士(四段)を目指して2011年に奨励会に入会した里見。一昨年の三段昇段後、体調不良のためリーグを3期休場していた。1年半の空白期間を経て念願のデビューとなったが、1回戦で佐々木大地三段(20)に、2回戦で谷合廣紀三段(21)に敗れた。30人が半年間で18局を指し、上位2人のみが昇段する三段リーグ。里見が敗れた2人は過去に13勝5敗の好成績を挙げ、昇段争いを演じた経験のある実力者だった。
修業の場である奨励会では原則的に非公開。女流2冠の里見も特別扱いを望まず、リーグへの抱負を対局前に書面で公表した。「周りの方々への感謝の気持ちを忘れず、体調に気をつけ、これから一生懸命頑張っていきます。温かく見守っていただけると嬉しいです」
過去57回の三段リーグで連敗スタートから四段昇段を果たしたのは郷田真隆王将(44)ら5人だけ。苦しい出だしとなったが、簡単に勝てる世界ではないということは誰よりも里見自身が理解している。
13日には香川愛生女流王将(22)に挑戦している第37期女流王将戦三番勝負第2局に臨む。勝てば女流3冠に復帰する一局。落ち込んでいる暇はない。(北野 新太)