トイレが日本人用、外国(ベトナム)人用に分けられて、私はブチ切れたわけですよ。
「これは人権侵害だ。アパルトヘイト、ネルソン・マンデラ。公民権運動、マーティン・ルーサー・キングくらい知ってるだろ? 法務省のURLはこれだ。声を上げろ」
と、ベトナム人に直接言いました。
そしたら、
「お前の言っていることは理解できる。でもな、俺たちはベトナムで食うものにも事欠く生活をしてきたんだ。トイレくらいどうでもいいだろ。日本でのうのうと暮らしているあんたに何が分かる」
と言い返され。全く相手にしてもらえませんでした。
私は何も反駁できません。
たぶん彼らの言っていることは正しいというか、事実なのです。
無差別テロで人が死にまくる無政府状態より、秩序あるフセイン圧政下の方がマシだとほとんどのイラク人は言うでしょう。
凶作のたびに樹の皮を食べ、娘を身売りに出す時代より、ドン・キホーテでブランド品が買える飽食の国を日本人だって求めるはずです。
だいたい人権という概念がついこないだ(300年くらい前)、西欧で生まれた特別な思想だとも言えます。人間が飢えてきた長い歴史に比べれば、あまりにも特異な思想です。
皮肉なことに、法務省に通報したのは日本人である私だけでした。日本人が日本人に日本人でない人間の人権侵害を訴えるというのは、悪い冗談のようです。