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被爆で緑内障リスク増 原爆放射線と初の関連

2013/11/6 11:32
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 広島、長崎の原爆投下による被爆者は、受けた放射線の量が高いほど緑内障を発症するリスクが高いとの論文を、日米共同の研究機関「放射線影響研究所」と広島大、長崎大のチームがまとめたことが6日、分かった。米放射線影響学会の学術誌に掲載された。

 緑内障は視神経の障害で徐々に視野が狭まる。放影研によると、原爆放射線量と白内障の発症リスクに相関関係があることは分かっていたが、緑内障での同様の関係が論文で示されたのは初。

 チームは2006~08年、追跡調査している被爆者のうち、爆心地から2キロ以内にいて5ミリグレイ(グレイは吸収線量の単位)以上の放射線を受けた868人と、3キロ以遠にいて放射線の影響をほぼ受けていないと考えられる721人に問診と検査を実施。緑内障の中で最も日本人がなりやすい「正常眼圧緑内障」の発症者は、2キロ以内が134人、3キロ以遠が92人いた。

 さらに統計解析すると、2キロ以内で千ミリグレイの放射線を受けた場合、3キロ以遠の人に比べてリスクが1.31倍高いことが分かった。2キロ以内にいた人は線量が高いほど発症率が上昇。5~200ミリグレイ未満では11.2%だったが、2千ミリグレイ以上では19.7%まで上がった。

 放影研の錬石和男非常勤研究員は「放射線は動脈硬化を起こすことが知られており、網膜の血流障害が原因と考えられる。発症メカニズムも解明したい」と話している。

 厚生労働省の調査では、緑内障は日本人の中途失明原因の1位。〔共同〕

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